表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
KAN NAGI〜〜神様実在、地球に襲来?!  作者: ヤチ ヒトニカ
神々再誕編
34/76

Ep.33 天明流拳武



〜〜〜〜(回想)



千年(チトセ)先輩! 早く最高峰の武術、習いたいです!!」


「ったく、しょうがないやつだなお前は。

分かった分かった。なら教えよう、デウス(我らが世界)に伝わる武を」


……ゴクリ。


「いいか云大。まず、今からお前に教える武術とは、命源(ミョウゲン)そのものの力を駆使し、発動するものだ」


「命源そのもの??」


「そうだ。命源とは、吸収・命令を行い、神力または神通力に変換して使用するもの。だがこの武術は違う。神力や神通力に変換するのではなく、命源そのもので力を生み出すもの。そこでまず必要なことは、集中力と命源・神力の操作力だ」


「集中力と命源(ミョウゲン)操作能力…… はいっ!」


うん。わかってないな。


「まぁ口で言っても分からんだろうから、とりあえず俺の拳を見ててくれ。いいか? まず、空気中の命源に、この右拳に集まるよう命令する。そしたらあとは集中。ーーいくぞ」


千年の右拳を直視すること数秒。


「ーー?!」


「わかったかな?」


「はい! なんか凄い圧を感じます!!」


「うん。当然だが、命源は目で見えない。

だから俺の拳にこれといった見た目の変化はない。だが、お前が感じ取った通り、いま俺の拳には凝縮された大量の命源が集まってる。前にも言ったが、命源とは力の根源。つまり、普通に殴るよりも、こうして集めることで殴る方が数倍威力は増す。これが天明様の生み出した武術だ」


「拳に集めて殴る……って、めちゃめちゃ簡単じゃないですか!!」


「バッカたれ! 俺がいま拳に集めた命源は、ただの命源だ。神通力にも、神力にも変えてない、ただの命源だ」


「はい。それは理解してますよ? でも、命令して集めるだけですよね??」


「まぁそうだが……あぁ、分かった。ならやってみろ。命源に命令して、集めた拳で俺を殴ってみ」


「え? あ、はい」


まずこうやって集めて、次に構えて……


「じゃあ行きます」


 千年が突き出す手のひらに、云大は拳をぶつけたーーが、


「……あれ?? 集めた命源が消えた……」


「当然だ。俺は神通力者だぞ? 神力にも、神通力にも変換されていないただの命源なんか、余裕で奪える」


「奪える……あ、吸い込んだってことか!」


「そゆこと。じゃあ次は俺がやるから、云大、手を前へ」


 今度は、云大が千年に手のひらを向け、千年は指にのみ命源を集め、それを手のひらへとぶつけた。

 その瞬間、云大の突き出した腕は弾き飛ばされ、その勢いのまま、地面に尻もちをついた。


「うっそ……。指一本で……ど、どうやったんですか!?」


「ふっふっふ。いいか? まずは命源を集める。これは出来ているな。だが、ただ集めただけじゃ、さっきみたいに奪われる」


「そうですね。命源は空気中にあるわけですから、息を吸われたら集めても意味ないですね……」


「その通り。ならどうするか、答えは簡単。

集めた命源を、神力で覆う」


神力で覆う??


「まず、命源を拳に集める。そしたら、自分の神力でそれを覆う。すると、空気中の命源と、拳に集めた命源との間に"壁"ができるな?」


「そうか、壁を作ることで、相手に奪われない、自分だけの命源を確立できるというわけですね」


「その通り! 因みに、神力で覆う際、覆う神力が薄ければ薄いほど、命源そのものをぶつけることが出来るため威力は増す。

つまり、基礎的な武術・集中力・高度な神力操作力、これらが相まってこの武術は真価を発揮する。そして、その武術の名は……」



〜〜〜〜



特訓じゃ、ほとんど成功しなかったけど、千年先輩!今ならやれる気がします!!


 牛若の背を前に、云大の神力が跳ね上がり、拳に命源が集まる。そして、


「ーー天明(テンメイ)(リュウ)拳武(ケンブ) "一式(イチシキ)" 『死突(シトツ)掌底(ショウテイ)』」


 ※『死突(シトツ)掌底(ショウテイ)

手のひらに命源を集め、練る。そして、それを手のひらごとぶつける力。通常の打撃よりも、数倍威力は増す。


背骨の折れる鈍い音が響くと同時に、牛若は勢いよく周辺を破壊しながら前方に吹き飛ばされた。


「やはり天明流拳武か! これは流石に驚いた…… 俺とグレンは教えてもらってすらないというのに」


いや、そうか。云大(こいつ)は確か、こっちの世界で武を嗜んでいたと言っていたな。

武術×命源=天明流拳武だ。千年様はそれを見越して教えていたのか。にしても凄まじい破壊力……さすがは千年様だ!!


真っ直ぐ吹き飛ばされた牛若は、亀石に激突。その衝撃で亀石が傾く。


「はぁ……はぁ……できた……出来たぞ!!

ただ、これ相当キツイな。体への負荷が半端ない」


 彼の言う通り、天明流拳武は通常の命源の扱い方とは違うため、ある程度"武"に関しての基礎がないと使用できない。

⇒集中力・武術に対しての耐性が少しでも足りなかったり、神力の覆い方・覆う神力量が、集めた命源に負けると、ぶつけた瞬間、自身にも大きな負荷が発生する。

 つまり、榮多云大だからこそ、短時間で習得ができたというわけだ。


「あぁぁぁぁクッソ!! いかんいかん! 洗脳で足引っ張ったんだ。この程度でへばってたまるかよ! キゼル先輩! 次どうしたらいいですか?!」


 出来たとはいえ、初の天明流拳武。強がってはいるが、かなりの消耗。

 そんな彼と、吹き飛ばされた牛若の方をじっくりと観察したキゼルは気がつく。


「ーーそうか。そういうことか!!」


《おいグレン、云大! わかったことがある。1回しか言わないからちゃんと聞けよ。特にグレン! いいな?》


《なんで俺なんだよ!! つうか云大! お前すげぇな!》


《え、まじすか!! あざす!!》


《そういうのいいから。いいか? 多分だが、摩瓈爾奠(マリシテン)は神通力による攻撃よりも、物理攻撃=殴る蹴るとかの神通力じゃない攻撃の方が効果があると思う》


《え?! そうなの??》


《多分な。理由としては、まずグレン。

お前、八つ当たりでボコボコに殴ったろ? あの時、牛は相当ダメージを負った。俺らが放った絶戯よりもだ。そして云大のさっきの攻撃。あれを食らって、未だ起き上がってこない。ってことはだ、》


《物理攻撃の方がいいってことだな!!》


《なるほど!!》


いいとこだけもってくなアホが!!


《なぜそうなのかとかは分からんが、とにかく兆しは見えた。ってことで、こっからは云大(舎弟)

お前が鍵になる。俺とグレンよりかはお前の方が物理攻撃得意だからな。だから、お前に任す。いけるな?》


《もちろんです!!》


《っしゃぁぁ!! あとちょっとだ! 云大、キゼル! 頑張ろうぜぃ!!》


こいつ、後で師匠にシバかれるの完全に忘れてるな。


《まぁわかったなら良い。じゃあそろそろ、、》


3人が動き出そうとしたその時だった、


「アァァ゛痛い、痛い、痛い、痛い!!

クソクソクソクソ、死ね死ね死ね死ね!!」


これまで以上の、いや恐らく3人は感じたことすらない殺意を感じ取る。


「さっきので腹に穴が開いた。内臓グチャグチャ、背骨も折れた。あぁ……モォいい、遊びはやめだ。お前ら全員、骨だけにしてやる」


半壊した亀石から、血まみれで座り込む牛若が姿を現す。


その姿を見て、やはり神通力よりも打撃の方が効果がある、とキゼルは確信する。


「グレン、云大! 読み通りだ! 牛はもう虫の息。今ならやれ、、」


確かに彼の"読み"は正しかった。だがそれはあくまで正しかっただけ。勝てるかどうかは別の話である。


「おいおい、嘘だろ…… それは流石にチートだろ」


背骨が砕かれ、腹に大きな穴が開いていた。血まみれで、もう立つことすら出来ないと思っていた。

しかし、牛若は立ち上がった。開いていた穴が塞がり、背筋の伸びた状態で。


「ーーさて、()るか」


驚きのあまり、全員が動きを止める中、殺意をむき出しにした牛が動き出す。


「まずはお前!!!!」


たった1回のまばたき。今の牛若が数十メートル離れる云大の目の前に到達するには、充分な時間だった。


云大(舎弟)!!!!」


 だがその声は間に合わず、殺意の込められた右拳が、云大の腹部を直撃する。


 そのたったの一撃で、口から大量の血を吐き、今いる場所より、かなり遠くにある山まで吹き飛ばされた。


「あ〜〜ぁやっちまったモォ。怒りのあまりぶん殴ってしまった。ツノで刺せば一撃だったのになぁ〜〜。反省反省。まぁでもいいか。あいつは後で食いに行こう。じゃあ次はーー」


 今度はキゼルの目の前に移動し、ツノを勢いよく突き出した。


「お?? やるね〜。 やっぱりお前は早いな雷飯(カミナリメシ)


 自分に来ることを察知したキゼルは寸前のところで回避。しかし、避けることに全神経を注いだことで反撃はできなかった。


マジかよ。俺で避けるのギリギリって、どんだけ速いんだよこいつ。いや、感心してる場合じゃない!!


云大(舎弟)!! おい、云大!! 聞こえるか?!》


落ち着けキゼル・ラーシュ!! 現状の把握をしろ。まず、多分だが云大は死んでない。牛が攻撃する時、あいつは反射で腹部を纏化してた。とはいえ、相当ダメージは食らってるはずというか、恐らく気絶してる。つまり、もう云大の力は借りれないってことだ。ならどうする? 避けるので精一杯の俺と、多分避けることすらできないグレンじゃ、、って無理ゲーじゃねぇかよ!!


 何か打開策をと必死になって思考を張り巡らせるが、牛若がその暇など与えるわけもなく、


「雷飯は1人になってから殺るか。なら次はーー」


またしても一瞬で、今度はグレンの目の前に移動した牛若は、キゼルを仕留め損ねたツノによる攻撃ではなく、殴打による攻撃を行った。


まずは気絶させる。それから仕留める。これなら避けられないから、こっちの方が手っ取り早いモォ。ついでに楽しいし(笑)。


殺意の込められた右拳が、云大同様、グレンの腹部に直撃する。


「しまった、グレン!!!!」


だが、彼は数メートルだけ後退したが、吹き飛びはしなかった。


「モォ?! なんだと!? って……なんだその姿は」


「あっはは!! やっぱりバカだなお前!!

このグレン・ハイズヴェルム様に、2度も不意打ちが通用すると思ったか!?」


 グレンは殴られる瞬間、火楼羅炎(カルラエン)(シュ)" 『炎鎧(エンガイ)』を発動していた。


 ※ 火楼羅炎"守"『炎鎧』

通常の火楼羅炎よりも、ぶ厚い炎を纏う力。(大体、腕2本分ほどの厚み) 効果は、守りの強化。

ただ、この状態でグレンは攻撃を繰り出すことが出来ない。


「攻撃は諦めた。だがしかし!! 炎鎧(エンガイ)なら、お前のへなちょこパンチなんか通用しない! それに、この炎鎧は当然だが炎でできる。しかも火力も高い。つまり、触れればどうなるか、バカなお前でもわかるだろ?」


グレンの言う通り、殴った牛若の拳は酷く焼け爛れていた。


「モォ、ほんと……どいつもこいつもめんどくさいなぁ。まぁこの程度、秒で治るがな」


焼け爛れた拳を自慢げにグレンに見せつけた直後、一瞬で再生を行った。


「まじか!! それはセコイだろ!!」


「モォ〜〜モォ〜〜!! バカはテメェだ! こんなの屁でもないモォ!」


「クッソ〜〜!! なら、こうしよう。我慢比べだ!! 俺とお前、どっちが先に力尽きるか勝負だ牛!!!!」


「(ふっ、バカめ。お前の神通力には限界があっても、牛若様の再生に限界があるわけないだろう)

いいだろう! そういうの嫌いじゃないからなモォ」


《ってことでキゼル! こいつは引き受ける! まぁでも正直そんなにもたないと思う。だから、お前はなんとか打開策を見出してくれ!! 頼んだぞ!!》


 そして、グレンは牛若に向かって走り出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ