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KAN NAGI〜〜神様実在、地球に襲来?!  作者: ヤチ ヒトニカ
神々再誕編
26/76

Ep.25 波 憂愁



        〈日本のとある海上〉



 千年(チトセ)は魚人族の魚丸(ウオマル)と合流してすぐ、海上から異常なほどの憎悪と怒りを感じる。

 それを察知してすぐ、慌てながら彼は云大(ユウダイ)を連れて、その場所周辺の上空にへと移動した。

 しかし、着いて早々、云大を片手に掴み、前方を見つめる千年は「萎えたぁ」と愚痴をこぼしていた。


 まぁ無理もない。千年が目にしたのは、海上から雲に触れるほど高々と上がった渦状の巨大な海水。それはまるで、海そのものが立ち上がったかのような光景。もしこれが、陸に向かって襲い掛かりでもしたら大災害となるであろうこの状況。事態は急を要するかに思えたが、千年はここであることに気がつく。


「ーーう〜〜ん、やっぱ変だな」


「先輩?? どうかしたんですか??」


「いや、見ろよあの渦。1ミリ足りとも動いてない。なんで止まってんだ? 殺気的にもっと荒ぶってるかと思ったのに」


 千年の言う通り、その巨大な渦は1ミリも動いておらず、ただ高々と立ち昇っているだけだった。


「とと、というか!! あああれなんですか?! 海が立ってます! やばすぎます!!」


「遅、今かよ(笑) つうかうるさい。

まぁいいや、とりあえず、あいつの神力(ジンリキ)を何とかしようか! 云大、少しの間だけ、空飛べるか?」


「浮遊ですね! 任せてください!!」


 云大を離した千年は、彼が上手に浮遊するのを見て、改めて感心しながら、


「云大、こういう神力が大量に漏れている場合、まずしないといけないことはーー」


従操(ジュウソウ)ですね!」


おっ、正解! 身についてるねぇ〜〜。


「では今からやります。よく見ておくよぉに」


「はい!!」


 そして、彼から少し距離を取り、


「ーー"(ハザマ)()して(カド)結び 天地閉ざして無き姿" 従操(ジュウソウ) 『霄壌断絶(ショウジョウダンゼツ)』」


 ※霄壌断絶(ショウジョウダンゼツ)

(ハザマ)を進化させた従操。

〈効力〉

1.範囲自在(発動者の神力量に比例)の結界。

⇒結界の形は様々(四角、三角、球体etc……)

2. 普者(フシャ)(非神通力者)による外部からの侵入を拒否することができる。

⇒発動した瞬間に、上記該当者はその結界内に入ることができなくなる。

3.結界の内側にあるありとあらゆる物(者)を、外側から視認できなくし、完全に遮断する。

⇒外から内を見ることも聞くこともできなくなる。(内から外は見えるし、聞こえる)

4.内側から発生する神力が外に漏れなくなる。

⇒中でどんだけ神通力を使っても、外側に漏れることはない。

5.結界内にいる状態で、結界外に対して従操(ジュウソウ)が使用できなくなる。

⇒内と外の遮断。簡単に言うと、内にいる状態で外に向かっての従操が出来ないということ。

(例) 【内側】から【外側】に空間移動(ゲート)で逃走……これはできない。逆も然り。

しかし、【内側】から【内側のどこか】へなら空間移動(ゲート)並びに、他の従操も使用可能。


 とまぁ要するに、"外から中が見えなくなり、中の情報が外と遮断される力"ということである。


 彼がそれを発動したと同時に、目の前から感じていた大量の神力が消える。


「……先輩、何したんすか?  神力が消えました……。それと、あの巨大な渦も消えました……」


「何って、(ハザマ)のパワーアップver.だよ! これ使わないと、あいつの神力は抑えられないからなぁ。つうか、俺ら霄壌断絶(ショウジョウダンゼツ)の外側にいるんだから渦が見えなくなるの当たり前じゃ……ってあれ? 教えてないっけ??」


「教わってません!! というか、この結界の概要は分かりませんし、ぶっちゃけ結界自体が見えてないので何とも言えませんが、ここまでしないといけない相手って……やばすぎませんか??!!」


「うん! めちゃめちゃやばいよあいつ!」


うわ……笑ってる…… つくづく思うけど、やっぱりこの人変人だよな……


「まぁとりあえず、これで外への被害は防げそうかな。ーーさて、こっからどう立ち回ろうかなぁ〜〜」


 渦発生から約5分。どうしたもんかと頭を抱える千年は、突如あるものに嫌悪感を示した。


そこには、誰もいなかったはずの海岸沿いに、マスコミなどの大勢の人間。

 巨大な渦が出たと思えば、今度は急に消える。そんなおかしな現象を前に、ワイワイとはしゃぎながら、無邪気にカメラを構えていた。


「はぁぁ、何なんこいつら。くそイライラすんなぁ」


「なんかすみません……」


「いや云大が謝ることじゃないんだけどさ、こっちの人族(ヒトゾク)ってあれだよな? その、危機管理能力が著しく低いよな? 平和ボケしてんのか? にしてもアホすぎて困る」


 "はぁ"とため息をつく千年を1人のマスコミが発見する。


「おい! 上みろ上! 人が飛んでるぞ!」


 その声に皆が反応し、全員が千年を見上げる。


「あれ、例の人外(ジンガイ)じゃねぇか?!」


「本当だ! おい、通報しろ通報!」


 次第にギャラリーは増え、静寂から最も遠い状況となった。


「おぃぃ。頼むから静かにしろよぉ。憂愁(ウレイ)がこっちに気付いてなんかしてきたらどうすんの〜〜」


 と嘆く彼の心配は現実となる。


 止まっていたはずの巨大な渦が、グルグルと大きく回転し始めた。


 千年のいる場所からまぁまぁの距離があるにも関わらず、回転した渦から大量水しぶきが発生し、彼らを直撃した。


「やばいやばい! 逃げろ逃げろ!」


 ようやく状況を察したのか、見物に来ていた人々はその場から離れていった。


「あ〜〜ぁ、完全に気づいちゃったじゃん」


「そう……みたいですね。ところで、こんな状況であれなんですが、1つ質問いいでしょうか??」


お、勉強熱心。素晴らしい!!


「いいぞ!」


「その、結界を張ってるのに何で水が飛んできたんですか?」


「おぉ、ナイス着眼点!! えっとそれはだな、この結界はあくまでも神力を抑えるだけであって、バリアとかではないからだよ」


 分かりやすく首を傾げる云大。


「えっとだな、まず前提に、あの渦は、海水+神力で出来てる。即ち、神通力で1から作ったものではないというのをまず理解してくれ」


「え〜〜っと……あ、なるほど! 海水に神力を混ぜてあの渦を作ってるってことですね?? つまり、水そのものを作ってるわけではない! そういうことですね??」


「そゆこと! じゃあ何故水が飛んできたかの質問に答えるが、簡単にいうと、霄壌断絶(ショウジョウダンゼツ)で神力のみが取り除かれたってことだよ。例えば、今飛んできた水飛沫。あれは、あの巨大な渦から発生したもので、当然を神力を込めた状態でこちらに飛ばしてきた。だが、霄壌断絶が展開されていることで、外に放出される際、あの水飛沫から神力のみが取り除かれて、こちら側に飛んできたってことだよ」


「・ ・ ・ あっ、つまり霄壌断絶(ショウジョウダンゼツ)の内側から外側に神力を放っても、神力は取り除かれた状態で放出されるってことですか??」


「イエス! そゆこと!」


 つまるところ、内側で発生した神力は、外にでると神力じゃなくなるということになる。

 例えば、"水"というものを完全にゼロから神力でつくり、それを外側に飛ばすと、その水は消えてなくなる。

 しかし、もとからある"水"に神力を加えて外に飛ばすと、神力のみが取り除かれた、ごくごく普通の水が外側に放出されるということになる。

今回の場合は、後者となる。


「ほぇ〜〜。霄壌断絶(ショウジョウダンゼツ)って、かなり便利な力ですね」


「そそ。だから、戦闘を行う際は必ず展開しないといけない。因みに、中からは破壊できないけど、外からは破壊できる。まぁ、見えないから壊すのも大変なんだけどねぇ〜〜。では、ここで1つ、身の毛もよだつ恐ろしいことを教えてあげる。さっきの水飛沫が霄壌断絶(ショウジョウダンゼツ)のない状態であそこにいた人族に直撃するとどうなるでしょうか?」


「え? どう……って。普通に濡れるだけでは?? だってただの水飛沫ですよ?」


「ブゥ〜〜! 答えは全員死んでま〜〜す!」


「えぇ、、、まじですか……というか言うテンション間違えません?」


「まぁそれだけ、中にいるやつがやばい神通力者だってことだよ」


「なるほど。ただの水飛沫だったから犠牲が出ずに済んだってことですね。ということはつまり、あそこにいる方は、水の神通力者ってことですよね?」


「お、正解。やるじゃん」


にしてもだ、こっからどう詰めるか。奥の手もあるけど、効果あるかわからんしなぁ。


 そんな千年のもとに、博士から意思伝達(ヴェルシオン)が飛んでくる。


《おい、お前何しとんねん。さっさ憂愁黙らせろや。 手詰まりか? 手貸そか?》


《いや大丈夫。てかどうしたの? なんかあった?》


《え……? な、何でや》


《いや、博士がそんなことでいちいち連絡してこないでしょ。なんかあったんでしょ?》


《こういうときは鋭いねんなお前。あの、うん。まずはすまん》


《え、何? どうした?》


《キゼルの捕らえた馬面の神通力者なんやが……ちょっと目を離した隙に逃げやがった》


馬面の神通力者…… 馬……あ、いたなそんなの。


《別にいいんじゃない? 弱そうだったし。解析は終わったの?》


《それが終わっとらんねん。だから一応報告しよ思ってな》


《あ、そういうことね。う〜〜、まぁいいや! 探すのも手間だし、とりあえず放置で。なんかあったら対応しよう》


《ほんまにすまん。 じゃあ、そっちは頼んだで》


《はいは〜〜い》


さて。グズグズしててもしょうがないから、バカ姫、憂愁ちゃんを正気に戻しますか。


「じゃあ云大、心して中に入りたまえ」


 そういうと、千年は云大の手を引いて、霄壌断絶の内側へと入った。


 その瞬間、云大は想像を絶する殺意と神力を全身に浴びる。と同時に、空中で彼は膝から崩れ落ちた。


「な……なんすかこれ……ヤバすぎる……」


あちゃあ〜〜、いまの云大ならと思ってたが、流石に早かったかな?


「まぁこれを前に意識があるだけ十分。そう悲観するなよ。じゃあ俺行くから、お前はここでよく見とけ。あ、水飛沫だけ注意しろよ? 危険を感じたらすぐに外へ」


「はい……わか……りました」


 千年は軽く体を動かし、巨大な渦のテッペンに向かって飛び出した。


戦闘は出来るだけ避けたいが、"おまじない"を言っても正気に戻らなければ……はぁあ、頑張ろ〜〜。


 数秒後、千年は渦のテッペンに到着する。


「ーーお、いたいた」


 渦の頂上には、水面に座わる小柄な女性がいた。

その女は頭を抱え、同じことを繰り返し叫んでいた。


仏陀(ブツダ)を殺す! 仏陀を殺す!! 仏陀を殺す!!!』


 水面を激しく叩き、怒りを露わにする女。動作に比例するかのように、渦は回転し、水しぶきは更に激しくなった。


『殺す、殺す、殺す!!』


 流石にやばいと感じた千年は、手の届かない安全ギリギリの場所に移動し、大きく息を吸い、


「憂愁ぃぃーー!!」


 千年の呼びかけに彼女が反応したと同時に、巨大な渦が千年目掛けて動き出した。


『死ね、死ね、死ね!!!』


 向けられた殺意を跳ね返すように、更に大声で彼は叫んだ。


「『セレナは生きてる!!』 だから落ち着けぇぇ!!」


 数秒()が空き、その声に少しピクッと反応を示すも、殺気はさらに増し、大量の水飛沫が千年を襲う。


うわ〜〜おっ! これ、当たったら骨折だな。


 久々の戦闘? に少し高揚したのか、千年は飛沫を楽しげに避けながら、暴れる彼女に近づく。


「も〜〜、一応君たちに手は出せない身分なんだけどさ、そんなに攻撃されると反撃したくなるんですが?! いいの? やっちゃうよ?? 俺男女差別嫌いだから、本気でやるよ??」


 弟子(云大)の前だからか、彼は少し調子に乗り、自身も神力を徐々に解放しながら、彼女を煽り出す。


「ほれほれ、怒ってると当たるもんも当たらんぞ? 

あ、そうだ! 云大!! 俺が戦闘というものを教えてやる! お前もこっちに来ーーえ……」


 振り返り、云大に呼びかけるも、そこに云大の姿はなく、焦りながら辺りを見渡し、海面でジタバタする彼を見つける。


あ……もしかして俺と憂愁の神力にやられた?? 結構な高さから落ちたっぽいけど大丈夫……だよね?! 

よし、遊ぶの中止! さっさと黙らせよう!


 そんなことを考えながらも、千年は飛んできた水飛沫を全て避けきる。そして、再度叫ぶ。


「『セレナは生きてる!!』 絶対にだ! だから信じてこっちに来い!!」


 すると、彼女の動きが完全に止まり、一瞬にして、最初からそこには何もなかったかのように渦は綺麗に消滅し、2人の真上に巨大な虹がかかった。と同時に、千年は霄壌断絶を解く。


「お、消えた!! っしゃあ! めでたしめでたしっと」


脅威が去り、一安心する千年に、女は早足で凄みながら近づき、両手で思いっきり彼の胸ぐらを掴むと、


「おい貴様、セレナ様はどこじゃ? はよぉ会わせろ。もし嘘なら、この星ごと沈没させるぞよ」


「うわ〜〜お、凄い早口なのね」


彼女の名は(サザナミ) 憂愁(ウレイ)

神道(シンドウ)十二界(ジュウニカイ)第二級上位(ジョウイ) 水神(ミズガミ)である。



************************



「で、セレナ様はどこじゃ?」


海上を離れ、砂浜で憂愁と話す千年は窮地に陥っていた。


一難去ってなんとやらか。う〜〜ん、生きてるとは思うけど、実際セレナは消息不明だしなぁ。なんて誤魔化すのが正解やら。


「まぁまぁ、とりあえずセレナのことは置いといて、」


「置いとくな。いま言え。どこじゃ?」


・ ・ ・


やばいやばいやばい、止めることしか考えてなかったー!! またキレる雰囲気だ。癇癪PART2?! それは流石にめんどくさい!!


「そ、それはだな、」


 千年があたふたしていたその時、彼の背後に空間移動(ゲート)が出現。中から、憂愁の従者 魚丸(ウオマル)が姿を現した。


「う、憂愁様!!」


 空間移動(ゲート)から飛び出すや否や、憂愁のもとに泣きながら駆け寄り、彼女の目の前で両膝をつき、


「申し訳ございません!! 貴方様の従者でありながら、なんの役にも立てませんでした。本当に、本当に申し訳ございませんでした」


 血が出るほど地面に額を擦り付け、何度も何度も彼女に謝罪した。


「おい、やめろ魚丸!! 憂愁、そう言えばお前、魚丸に怪我させたろ? 自分の"正統継承者"を傷つけるなんてありえねぇぞ? わかってんのか!?」


 千年は魚丸を庇い、憂愁を責めたが、それでも彼が頭を上げることはなかった。


「おい、もうやめろ。お前に非はない。憂愁、お前からも何かーー」


「黙れ。これは、(ワラワ)の問題。余所者の其方が口を挟むな」


 そういうと、憂愁は魚丸同様、地面に両膝をつき、魚丸の頬を触りながら、


「妾に忠誠を誓う其方を傷つけたこと、本当にすまなかった。よく耐えた。今回の件、妾に全て非がある。もう顔をあげてはくれぬか?」


「憂愁様……」


こ、これは!! 一件落着な雰囲気ではないか?! つまり、チャンス!! 憂愁が変な気を起こす前にさっさっと立ち去ろうっと。ナイス魚丸!!


「ま、まぁとりあえず、またなんかあったら呼んでくれ! 2人とも仲良くな! じゃあ、俺やることあるから、」


「待て」


 2人に背を向け、その場を立ち去ろうとした千年は、背後に物凄い怒りを感じた。


ですよね〜〜、さすがに無理があるか。


憂愁はゆっくり立ち上がると、千年の肩を掴み、


「答えろ。セレナ様は生きておるか? 今は会えずとも、近い将来必ず会えるか?  嘘や遠慮は要らぬ。其方の本心で答えよ」


 肩を触れられようやく気がつく。彼女から感じていたのは怒りではなく、不安であったと。


こいつが神王様以外で唯一心を開く男だもんな。そりゃあ寂しいに決まってる。ったくあのバカ、どこで何してんだか。


「憂愁、安心しろ。あいつに死んでいいなんて命令を出した覚えはない。それに、セレナは強い。お前も知ってるだろ? だから大丈夫だ、信じろ」


 真っ直ぐ自分の目を見つめる千年が可笑しかったのか、彼女は吹き出すように笑い、


「そんな真剣なツラもできるんだな。でも、其方はヘラヘラしている間抜けヅラの方が良く似合ってる」


「はぁ? 俺はいつも真剣だっつうの」


「そうかそうか。……(アマネ)、ありがとな」


「や、やめろよ気持ち悪い。まぁいいや、とりあえず俺帰るから、なんかあったら呼んでくれ!」


「其方に頼るようなことはない。さっさっと行け」


この……可愛くねぇやつ!!


 そして、彼はこの場を立ち去ろうとした。

その時、一瞬だが、憂愁の表情に違和感を覚えた。


《ーーだだ!! 第二級水神、聞こえるだだか?!》


「どうした? なんかあったのか?」


「なんじゃ? 妾に言うおてるのか? 何もない、さっさとあそこの変な神通力者のガキを連れて帰れ」


神通力者のガキ? あ!! 云大のことすっかり忘れてた。


「何もねぇならまぁいいや。じゃあ行くわ!」


 そういうと、彼は姿を消した。


「……憂愁様、何かありましたか?」


「神道からの連絡じゃ。少し待て」


《波 憂愁じゃ。なに用か、"マウナ・バルハール"》


《だだ!! 久しぶりだだ憂愁ちゃん!》


《早く要件を言え。其方のようなガサツな女に割く時間はない》


《相変わらず怖いだだな!! まぁいいだだ。 

ーーゴッホん、え〜〜近々、ニューカレドニアにて神座(カミザ)を開催するだだ。それの招待だだ》


神王のいない神座? 無意味なことを。どうせ、第五級のジジイの案だろうな。


《主催は? まぁどうせあのジジイじゃろ?》


《違うだだ! 今回の神座の主催は(ミコト)だだ!!》


尊?! 天使神(アマツカガミ)のガキが妾たちに召集を? 馬鹿げてる。たださえ神王の召集じゃないというのに。集まるわけがない。何を考えてる?


《意味わがらない。尊のガキが主催? 誰も出席しないだろ?》


《だだ? そうでもないだだ。あとは、憂愁と第一、第九級だけだだよ?》


は…… 他は同意したということか? ということは……


《神座の議題はなんじゃ?》


《だだ! 議題は、デウス奪還と神王の復活についてだだ》


 「ぎょっ」と驚く彼女を遠くから見つめる千年。


 彼は薄ら微笑み、溺れる云大を連れて消えた。




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