表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
微睡む騎竜の進化日記  作者: 白王
第二章 おつかい騎竜
45/308

44.影を追う

今回は短めです。

「またね。リーフェ」

「キュロちゃんまたねー!」


 今日もソニアと共にリーフェを見送る。

 最近では、いつもの光景。

 でも、いつまでも()()()ではいられない。


 ――先日のフォリアの町へのおつかいで。

 私にも少しだけやりたいことが見えてきた。


 巨人族の――ええっと――ライリーさん。

 ライリーさんに、なぜお花屋さんをやってるか聞いてみたの。

 だって――ライリーさんの見た目のイメージとお花屋さんのイメージが、全く合わないんだもん。


 そしたら――「ラズウェルがいたから」だって。

 あんまり詳しくは教えてくれなかったけど――以前冒険者をやってた頃に、ラズウェルさんに命を救われたみたい。

 その後契約者(パートナー)になって――一緒に何かできる仕事ということで、お花屋さんを始めたんだって。

 「儲かってないんだ」と口では言ってたけど――何だか素敵だなぁ。そういうの。


 だから――私も。

 リーフェと一緒にできるお仕事。

 そういうお仕事がしたいな――って。

 幸い私達に向いてそうなお仕事もありそうだし――ね。


「おねぇちゃーん。早く帰らないとかぜひくよー」


 ソニアの言葉に意識を戻す。


「待ってよ。ソニア!」


 肌寒さを感じる夕陽の中。

 私はソニアの影を追う。


 巣立ちの日までは――あと半年と少し。


 ――――――


 微睡みの中。僕は進化樹を眺めている。


 ユニィと出会って進化してから、進化樹の見方も変わってきた――と思う。

 それまではオリジン(6回進化)やその他の5回進化に至る進化条件を夢想している――だけだった。

 でも例えば最近は――


『『パワーラプトル』からの進化先は――えぇっと――『マスキュララプトル』と『ヘビーラプトル』で、種族傾向としては――』


 このような感じで、2回進化のクラスから3回進化のクラスへの進化傾向を調べている。


 その結果は今のところ予想通りで、大半の3回進化は2回進化の時の特徴が強化されたものだった。

 数少ない例外は2つ以上の特徴を併せ持つ複合型のクラスなので除外して考えると――3回進化時点では、クラス特性の強化が進化の()()ということで間違いなさそうだ。


 例えば、先程の『パワーラプトル』の例でいくと、そのまま頭骨の中身を筋肉に置き換えると『マスキュララプトル』。

 力を質量に求めると『ヘビーラプトル』といった具合で、いずれも「力」という特徴を強化する進化となっている。

 

 うん。

 この辺りは脚竜族全体の経験則とも一致しているね。


 ――そうすると。


 視線を進化樹の根元側に戻す。


 『リトルゼノラプトル』


 その進化先を順当に考えると――たぶん成竜になると同時に『ゼノラプトル』に進化するんだと思う。

 ――では、その先は?


 先程の進化傾向を頭に入れて、『ゼノラプトル』つまりは『リトルゼノラプトル』の特徴をもう一度考えてみた。


 その1。

 異空間と接続する穴を開けることができる。

 ――これはスキル検証の結果、僕達四()()が出した結論だ。



 ――以上


 うん。

 分かってたけど、やっぱり情報が足りないね。


 単純にこれだけの情報の中で考えると――異空間とか接続とか――穴開けとか――特徴はこのぐらいかなぁ。

 最後の一つには()()()心擽られる気がするけど――


 うーん。さっぱり分かんないや。


 情報を増やすために――僕もマーロウの調査(ホラ吹き奇術師の調査)を本格的に手伝った方が良いのかも。

 明日マーロウに話してみよっと。



 成竜(おとなになる)まであと半年。

 時間は長いようで――短い。

 次話から2章最終エピソードです。

 3章以降に向けて軌道調整がなされる――予定。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ