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微睡む騎竜の進化日記  作者: 白王
第六章 謎解き騎竜
264/308

252.計画と現実

「無理だな」


 しばらく祭壇を()ていた相棒が、こちらへと振り返る。


『やっぱりお前もそう思うか? この遺跡は――既に()()()だろ?』


「ああ。その上、私達には止め方が分からない」


 俺と相棒は顔を見合わせ――お互いの考えが一致していることを確認した。


 ――参ったな。

 正直、これは想定外だ。


 俺達は――この場所で、遺跡を起動させることばかり考えていた。

 当然、勝算はあった。

 それがユニィの存在だ。 


 リーフェの話では、遺跡のそばに近寄る度に悪寒を感じて体調を崩し――その度に当該の遺跡では何らかの騒ぎが起きていたそうだ。

 リーフェの奴はあまり気にしていなかったようだが――これはつまり。

 ユニィが居れば、起動の為に遺跡毎の「鍵」を用意することなく、どんな遺跡でも強制的に起動させることができるということだ。


 ――そう。

 そしてこの遺跡は、リーフェの術と同様に空間を繋ぐものである可能性が高かった。

 つまり俺達の計画は、ユニィがこの遺跡を訪れることで遺跡を起動させ、空間を繋ぐ「門」を開く――そういう計画だったのだ。


 だが――遺跡は既に稼働中だった。

 そして、やはりこの遺跡は空間を繋ぐ機能を持つ遺跡だった。


 ここだけ聞くと手間が省けただけに聞こえるかもしれない。

 だが、当然そんな上手い話があるわけがない。

 問題はこの遺跡の門――今現在、祭壇上で水を噴き上げているその門が繋がる先だ。


 相棒とふたりで何とか門を潜れないか試しているのだが――上手く行く気配がない。

 水の勢いが強すぎて、そのままでは門を潜ることができないのだ。

 かと言って、一度停止させようと遺跡を調べてもその方法が分からない。

 相棒の言葉通り「無理」だった。


 そうだな。あと何かできるとしたら――俺は周囲を見渡す。


 サギリの奴は早々に諦めて、その辺で寝そべっている

 ユニィもしばらく奮闘していたが、今は諦めてその傍に座っている。

 だが――あいつ(トリサン)はどこだ?


 あいつの術であれば、噴出する水の勢いを無視することができるかもしれないんだが――

 俺はもう一度、周囲を見回してみる。

 だが、やはり。

 この遺跡を見つけた後ぐらいから、その姿が見えない。

 『ヴォイド』の術が解除されないところを見ると、すぐ近くには居るはずなんだがな。


 ――仕方ない。

 ユニィに頼んで、まずはあいつを探してもらうとするか。

 そう考えた時だった。


『あー。やっぱ格別に旨ぇな』


 背後から聞こえた声に――思わず尻尾を叩きつけたくなった。


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