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微睡む騎竜の進化日記  作者: 白王
第六章 謎解き騎竜
258/308

246.道標

今回短めです。

 港に出入りする船が。

 古くて――でも新しいウィスディンの街並みが。

 ――視界から消えていく。


 振り返って前を向くと、そこには暗い色を湛えた海だけが広がって――


 ――本当に。

 この先の遺跡に、リーフェへとつながる手掛かりがあるのかな。


 そんな思いがどんどん浮かんできて。


『本当。迷惑な奴よね』


「そんな事ないよ。パートナなんだし、困った時には助け合わなきゃ。――でも。ありがとう」


 サギリに声を掛けられた。

 ――気持ちが伝わっちゃったみたい。


「そうだ。私もそろそろ――やることやらないとね!」


 声を少し張り気味にして。

 ポーチから折りたたんだ地図を出す。

 出発前に写してきた、西海の海底遺跡――その場所が記された地図だ。

 本のタイトルは少し怪しかったけど――地図を含めたその内容は、驚くほど正確なものらしい。


 ――って、そんなことはどうでも良いか。


 頭を振り、雑念を追い払って集中する。

 地図に描かれた情報を頭の中で再構築する。

 そして、それと合わせるように。

 太陽の位置、時刻、わずかに見える陸地と島々の配置。

 意識の有無に関わらず、感じ取れる彼我の位置情報を束ねるようにして――念じる。


 ――『ナビゲート』っ!


 術の起動。わずかに感じる冷たさ。

 ――同時に。

 手元の地図に変化が現れた。


 紙面上に浮かび上がる、二つの光点。

 一つは点灯したまま。そして、もう一つは明滅する光点。

 現在地と、目的地と。

 まだ遠い2点間の距離が、地図の上の光点にも表れている。


「しばらくこのまま――まっすぐ西方向って伝えて」


 それだけを近くの船員に言伝て。

 また――広がる海を眺めた。


 ――あれ? 何だか――


 その視線の先。

 さっきまでは暗い色しか感じられなかったはずなのに、今は――


 まるで光に照らされている様な。

 そんな気がした。


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