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微睡む騎竜の進化日記  作者: 白王
第六章 謎解き騎竜
241/308

229.提案

 ――気付かれてしまったのなら、仕方ない。

 もう少しまとまってからのはずだったんだがな。

 俺は口を開く。


『いや。熱心に読んでたからな。――邪魔になるんじゃねぇかと思ってな』


 これは事実だ。

 一部の言葉が抜けてはいるが。


「それはそうですけど。――それなら、私が読ん」

『ってことで、今後の方針を話し合うか』


 途中で話を断ち切り、相棒にも聞こえる形で声を掛ける。

 多少は不満に思うかもしれねぇが、まぁそいつは仕方ない。

 余分な時間を割く方が、よっぽど勿体ないからな。


『んじゃまずは――今回起きたことの再整理からだな』


 口を挟まれることが無いように、話を先に進める。

 俺達は、どこかに飛んだリーフェの話やそれを目撃したユニィの話。

 これらを簡潔にまとめ直す。


『簡潔にまとめると――リーフェの奴は魔人との戦いの最終盤で急に浮遊して、ホール天井付近に出現していた『黒い穴』の中に消えた。『黒い穴』は魔人との戦闘中に出現し、リーフェを吸い込んだ後消滅。以降は二度と出現しなかった――と』


「はい」


『で。確定じゃねぇが、『黒い穴』はお前の能力によって遺跡が起動したんで出現した――ってとこか』


「はい。多分そうです。あの時も、突然全身に寒気を感じたので」


 まぁ、ここまではこんな所だろう。

 俺はちらと相棒を見たが、特に異論はないようだ。

 それじゃ次は――


『次に。リーフェがどこに行ったかだが――これは『サーチ』の光の方向からすると、2つに絞られる。つまりは――西の果て。西海の向こう側か、それとも世界の裏側かだ』


 ユニィの返事はないが、そのまま続ける。


『――だが恐らく。リーフェから聞き出した景色からすると、後者。世界の裏側に居るものと推定できる』


 ここまでは以前も考えていたところだ。

 返事を待たずに続ける。


『それじゃ肝心の、これからどうすべきかだが――――俺は西の海。海底にある遺跡を目指すべきだと考える』


 ――相棒を見る。

 相棒は、先を促すように腕を組んでいた。

 どうやら、ここまでは同意見のようだ。


『――理由は2つ。1つ目は北の地の――黒の遺跡だが、こいつはリーフェが飛んだ後に完全に停止している。壊れたのかエネルギーが不足しているだけなのか、その理由は不明だが、いずれにしてもすぐには使えないだろう』


 これにはユニィも頷いている。


『2つ目はこの本の記述だ』


 そう言って先程読んでいた本の内、2つを開く。


『ここにある通り。かつて奇術師は、西の海で海底の遺跡を起動させ姿を消したとある。そして――その遺跡は、こちらの本にも載っている。つまりは実在する遺跡ということだ』


「でも――海底なんて、どうやって行くんですか?」


『それについては――1つ俺に心当たりがある』


 俺は口角を上げ、相棒を見た。


『――だよな?』

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