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微睡む騎竜の進化日記  作者: 白王
第六章 謎解き騎竜
229/308

217.慧眼

 第六章開始です。

 第七章はエピローグなので実質の最終章となります。


 そして、重要なお知らせ。

 主人公が(予定外に)どこか行ってしまったので、第六章はメイン視点が変更となります。

 ご了承願います。

 ――――ん?


 視界の端に捉えた()()に、足を止める。


『ようやく――来たか』


 一拍の(のち)

 呟く俺の目の前に。紫色の光の糸の先端に。

 黒い穴が。あいつの術が展開される。

 今回はゲートではなく、通常の『ポケット』のようだ。


 俺は、準備し携帯していた手紙をその黒い穴に放り込んだ。

 ――と同時。

 かさっと音を立て、紙片が落ちてくる。


 ――まぁ、いつもの手紙だな。


 そう思い、拾い上げて中身を見て――

 思わず笑みを浮かべてしまった。


《お腹空いた。二竜(ふたり)分食べ物入れて》


 ――ああ。

 やはり、リーフェの奴は変わらねーな。


 久しぶりに親友から来た手紙だが、そのいつもと変わらぬ調子に――いや。これは。

 違和感を感じた俺は、躊躇うことなく術を行使する。


 ――『インスペクト(精査)』。


 紙片を視る。

 いつもリーフェが使っている紙。

 だが――俺は目に『力』を集中させる。

 紙の表面を。光に翳して反射させて――詳細に観察する。


 ――やはりおかしい。


 文面を再度視る。

 一見、いつもと同じ文面に見えるが――やはり。

 俺は術を解除し、一つ息を吐いた。


 まず、文面に感じた違和感。

 その原因は、《二竜(ふたり)分》という言葉だ。


 あいつが二竜分という場合。

 それは、普通に考えればサギリとの二竜分ということだろう。

 なぜならば。もし「契約者と」であれば、()()ではなく()()()と表現しているはずだからだ。


 ――だが。

 あのリーフェとサギリが二竜きりになっているという状況。

 つまりは、その場に契約者が居ないという状況。

 これは明らかな異常事態だ。


 そして――この紙片。

 この紙には全面に細かい砂粒が付着しているが――その砂粒から、異常なまでの濃厚な『力』を感じる。

 この辺りの砂では考えられない濃度――いや。他でもあり得ない濃度だ。

 一体この手紙は――どこで書かれたものだ?


 何故だ? お前はどこに居る? 今度は一体何をした? 

 思考する。思考する――思考する。




 ――――ああ。



『――っくくっ。ははははっ』



 相変わらず――最高だ(訳が分からない)

 突然笑い出した俺に、相棒がちらとだけこちらを見て――「ああ、いつものか」と言いたげな顔を見せる。


 ともかく、手紙は差し替えだ。

 そうだな――文面は。



《おい親友。お前、今度は一体何を始めたんだ?》


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