表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
微睡む騎竜の進化日記  作者: 白王
第二章 おつかい騎竜
21/308

20.失言

 ――カロンおばさんに何か言わなかったか――

 僕は見張りおじさんの言葉を反芻する。


 ――そうだった。

 ついつい衝撃の事実(アイスは食べられた)に意識が奪われていたけど、そもそも僕の身に何が起こったのか。それを考察していたんだった。


 ――そう、確かあの時。

『ツノうさおばさんが()()()()()って言ってたから――何でだろうって』


「カロンさんがブロスくんって言ってたから?」


 ユニィが僕の言葉を繰り返す。


『それで――ツノうさおばさんはなん――』


 ツノうさおばさんの笑顔が浮かぶ。脳裏に浮かぶ。浮かぶ。


「カロンさんはなん――って、どうしたのリーフェ!?」


 僕の頭に浮かぶツノうさおばさんの笑顔。

 笑顔の中のその目は――その口は――僕は体が震える。

 ――一点の曇りもない()()()()()


 ああ、みんな。ユニィ。想像してみて欲しいんだ。恰幅の良いおばさんの満面の笑みを。

 ――それが脳裏から離れない。


「ヤバい! ロッソ! 術を使え!」


「はい! 『クリア』!」


 青白い光が僕を包む。澄んだ湧水に脚を差し入れた時のような心の淀みが流されていく感覚。

 目を閉じれば、おばさんの顔がツノうさの顔に塗り替えられていく。

 ――ああ。もう大丈夫。


『――ありがとう。勇者のお兄さん』


 例え言葉を理解してもらえなくても良い。心から思ったその言葉を口にした。


 ――――――


「あー。まぁ、つまりだな。お前は女性に対して言ってはいけないことを言おうとしちまったんだ」


 落ち着いた僕達は、見張りおじさんの話を聞いていた。途中からソニアもやってきたけど、遊ぶのはもう少し待っててね。


 おじさんの話では、これは隣村ではほとんどの子供が経験する出来事なんだそうだ。

 本人(ツノうさおばさん)は社会常識を教える一環とか言っているみたい。だから、驚かす意味も込めて、記憶を飛ばすと同時に()()()()()を意識に植え付けているんだとか。

 ――そう()()()()()だ。

 誰も彼女に真実を告げることはない。いや告げられなどしない。だから、それは()()()()()なのだ。例え心にトラウマを持つものが現れようとも。


 ――だから。うん。

 次からは――次に女の人に年齢を聞くときは、気を付けて話そう。


 そうユニィに言ったらめっちゃ怒られた。なんで?


 ――――――


「ありがとうございました」

「ロッソさん。またねー!」

 コクコク。


 見張りおじさんと勇者のお兄さんにお礼を言って別れを告げる。


『それじゃ予定通り遊ぼう!』


 僕はユニィの家に走り出す。


「あーっ! 待ってキュロちゃーん」


 ソニアが追いかけてくる。


「あっ。リーフェ。とっく――」


 ユニィが何か言っている。だけど、早くしないと置いていくよ?

 何か忘れてる気がするけど、大したことじゃないよね?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ