128.クラス
「うーん」
リーフェ達の話を聞いてみた。
何かやってるなとは思ってたんだけど――
「ごめんね。私は脚竜族の進化には詳しくないから」
どうやら、リーフェの連れてきたお客さん――バイスさんという名前らしい――は、リーフェにスキル絡みの相談をしているみたい。
このバイスさん。何でも珍しいスキルを修得したいらしく、見たことの無い模様をして、見たことの無い術を使っているリーフェに声を掛けたんだそうだ。
もちろん――ユニークスキルを除くと、珍しいスキルを修得することは珍しい進化を遂げることと同義となる。
――だから、『進化樹』を使えるリーフェも気になって協力してるんだと思う。
だけど――
『この人、得意なことが何もないとか言うんだよ?』
どうやら、リーフェにもお手上げみたい。
『ポケット』の修得は早々に諦めて、クラス適性を確認しようとしたらしいんだけど――初めから躓いちゃったみたい。
でも、そんなこと私に言われても――
「ねぇリーフェ。私には良く分からないんだけど、『進化樹』のスキルで進化条件が分かったりとかしないの?」
『そんな効果があったら、僕なんかとっくに6回進化してるよ』
リーフェの言葉に、確かにそうかもしれないと思う。
思うけど――
「それはそうだけど――」
――――――
ユニィの言葉に――僕は気付く。
確かに『進化樹』で進化条件を知ることはできない。
だけど――クラスの名前なら分かる。
さっきまで僕は、バイスさんの能力からなれるクラスを考えようとしていたんだけど、良く考えたら――バイスさんは、珍しいクラスになって珍しい術を使いたいだけなのだ。
もちろん普通なら、珍しいクラスと一口に言われても具体的なクラス名を挙げるのは難しい。せいぜい2つ3つといったところだ。
――だけども僕には『進化樹』のスキルがある。
僕は『ツリー』の術を使い、進化樹を展開した。
「それじゃ読み上げるよ」
僕は、進化樹の端から順に珍しいクラスの名前を読み上げていった。




