127.途方に暮れる
「あれ? 新しい友達――じゃあなさそうだね」
リーフェが知らない脚竜族を連れて帰ってきた。
新しい友達かな? と思ったけど、友達ならもっと賑やかにおしゃべりしてるはずだし――何より態度がよそよそしい。うーん。お客さんとか?
珍しいこともあるなぁと思って見ていると、二竜で庭の隅――『リーフェの陣地』に向かって行った。
それにしても、あの辺りは色々なものが転がってるから歩きにくそう。
リーフェったら、勝手に『陣地』とか言い出したのは良いんだけど――拾ってきたものはその辺に置かずに、ちゃんと片付けて欲しい。
――って、ほら! 蹴躓いてるじゃない。全く。
お客さんがリーフェのコレクションに躓いてバランスを崩している。
リーフェが『気を付けてよ!』とか言っているのが聞こえてくるけど――私からすると「片づけてよ!」だよね。
――ようやく終わったのかな?
向かい合ってしばらく二竜で話し合っていたみたいだけど、次に見た時は隣家との境にある塀のそばにいた。
何をしているんだろう――と思って見ていたら、リーフェが『ポケット』を使い始めた。
空中に5か所程、黒い穴が見える。
最近、『サーチ』と組み合わせなくても、5個までなら『ポケット』の黒い穴を出せるようになったみたい。
――私は1個しか出せないけど、普通の使い方だったら1個だけでいいよね?
沢山出すと、穴の大きさは小さくなっちゃうしね。
そんなことを考えてる間に、特訓が始まったらしい。
リーフェが5か所の黒い穴を足場にして、高く大きく跳躍する。
――凄い。
凄いけど――完全に隣家との壁の高さを超えている。
後で謝りに行かないと。
――声を掛け辛い。
次に見たリーフェ達は――悲しげな表情をしていた。
表情だけではなく、リーフェからは悲しげな感情も伝わってくる。
でも――
「ねぇ。二竜ともどうしたの?」
さすがに放置はできない。
私は庭の隅にある、『リーフェの陣地』に近づいて行った。
――――――
『術が使えないのはともかく、跳んだり走ったり重い物を持ち上げたり――全部駄目ってどういうこと?』
びっくりした。
『ポケット』の術は使えないにしろ、僕が出した『ポケット』の黒い穴を足場に高く跳び上がることぐらいはできると思ってたんだけど――上手くいかなかった。ちょっと足が届かないのだ。
代わりに――水面走りみたいに、地面の少し上に出した黒い穴の上を走って見せたんだけど――
2歩目で足を踏み外してしまった。
仕方がないからまずは適性を見ようと思って、50kg位の大きな石を尻尾で持ち上げてもらおうとしたんだけど――全然駄目だった。しかも、たったそれだけで疲れ果ててるし。
――ちょっとどうすれば良いのこれ?
『ねぇ。バイスも考えてよ。自分のことでしょ? 何か得意なことはないの?』
そんな困り顔の僕の前で、落ち着いた顔をしているのが憎らしい。
この落ち着きだけなら大物なんだけど。
僕達が――否。僕が悩んでいると家の方から救いの声が聞こえてきた。
「ねぇ。二竜ともどうしたの?」




