表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
微睡む騎竜の進化日記  作者: 白王
第二章 おつかい騎竜
10/308

10.再会

『鑑定かぁ』


 僕は走りながら呟く。


 あの後、鑑定スキルを使える人を探したけれど、当然すぐには見つからない。

 かろうじて得られた情報は、ノルアじいちゃんが昔旅先で出会ったということと、『せいと』とかいう大きな町に鑑定スキルを使える人が居るって噂があることぐらい。

 でもでも。噂を聞いたラズ兄ちゃんだけど、『せいと』がどこかは知らないらしい。むぅ。


 まぁ、見つからないものはしょうがないね。

 今できない事は気にしない気にしない。

 それよりももっと重要なことがあるからね。



 ――――――


『ユニィ! 遊びにきたよー!』


 扉から顔を入れて大声で呼ぶ。

 謹慎も明けたし、早速ユニィの家に遊びにきたのだ。

 許可? もちろん取ってある。めっちゃ怒られたくはないからね!


 なんだけど――僕が声をかけた途端に家の奥から、がったんばったんと大きな音がする。

 あれれ?


「リィーブェー」


『うわっ』


 何故か泣いているユニィ。でも伝わってくる感情は喜び。どうして?

 とりあえず、首は傾けておこう。



 ――――――


『あー。ごめんねユニィ』


 その後、話を聞いた僕は、素直に謝った。

 ユニィには僕が自宅謹慎になってるなんて想像もつかないだろうし、1週間と言ってたのに、全然来なかったもんね。


「うんん。もう良いよ。こうしてリーフェが来てくれたんだし」


 ユニィはものすごい笑顔になっている。これが満面の笑顔ってやつかな?

 そんなに喜んでもらえると、何だか良い事をした気分。


『それじゃあ、早速遊びに行こう!』


 とはいえ、じっとしていられないのが僕達脚竜族の子竜。

 早速遊びに行こうとしたんだけど――


「ちょっと待って。先にカロンおばさんのところに行かないと」


 カロンおばさんって誰?

 首を傾ける。

 マカロンなら知ってる。食べたことないけど。


「え? お手伝いの約束。したでしょ?」


 あーっ。ツノうさおばさんね。そういえば、そんな名前だった。


『そうだね。じゃあ隣村に遊びに行こう!』


「う。うん」


 何だか困った顔をしてるけど、どうかしたの。ユニィ。

 ため息までついているし。

 はてな。


 ――――――


「おねぇーちゃーん!」


 そんなやりとりをしていると、家の中から小さい影が飛び出して、そのままユニィにしがみ付く。

 うん。ソニアだね。


「あーっ! キュロちゃんだー!」


 うん。捕まったね。

 っていうか、よじ登らないで。ユニィ以外が乗ったら危ないよ?


「こらソニア。リーフェが困っているからやめなさい」


「えーっ。つまんないー」


「つまんないーじゃないの。リーフェは私の騎竜。私以外が乗ると危ないんだからね」


「ズルいーズルいー。おねぇちゃんズルいー」


「ズルくないですー。契約したのは私なんだから」


 うん。いつまで続くのかな。これ。


 ――――――


 結局、僕が今度来た時にソニアと遊ぶという事で、この場は決着がついた。

 僕の意見? そんなものあったっけ?

 まぁ、遊ぶ事自体は大賛成だからいいけどねー。


 ちらっと。

 ソニアの方を見ると、ユニィにまた抱きついている。

 姉妹とっても仲良しさんなんだね!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ