発売!FSO
ガコッ
「ふぅ...」
星谷葵、現在近所の竹山西高校に通う男子高校三年生。大のゲーム好きでこいつに聞けば面白いゲームがわかるとインターネットでも噂される程の人だ。
そして彼は約三ヶ月前、ゲーム雑誌に記載されていた世界初ヴァーチャルリアリティマッシブリーマルチプレイヤーオンラインゲーム、通称VRMMOゲームのデータテストプレイヤーの応募葉書に応募してみたところ、当選者100人のうちの一人になることができ、他のプレイヤーよりも先にプレイできるようになった。
そしてそのゲームの名はファントム・ソード・オンライン。己の武器にファントムと呼ばれる属性を持つAIを宿し、武器を強化し、ダンジョンを攻略するというゲームだ。そしてデータテストプレイヤーはゲームをプレイするに当たって不都合やバグがないかを発売までに見極め、
報告するのが使命だ。データテストプレイヤーの利点は誰よりも先にゲームの成りを理解し、誰よりも先に攻略方法を知り、誰よりも先に強くなれるということだ。
ーさて、朝のニュースの時間です。今日、午前7時に、世界初、VRMMOゲーム、ファントム・ソード・オンライン、通称FSOが発売となりました。初日限定版ということもありまして、店舗には朝から土曜ということもあって、見てください、大行列ができています!ー
「おはよーおにぃちゃん。今日FSOの
発売日だってさ。」
「おはよう藍。もう発売なんだねぇ。
藍は買いにいかないの?」
「私は今日届くようにユーフラテスで
注文しといたから。」
「なるほどね。」
こっちは星谷藍。葵の実の妹で高校一年生。長めの髪をポニーテールにしている。可愛いかどうかは葵は兄であるために長年見てきたためよくわからないがつり目型美少女だと思ってほしい。そしてこれは本人しか知らないが相当重度なブラコンだ。
「んじゃ、飯食ったら早速ログイン
しますかねぇ。デーテスの報酬も気になるしなぁ。」
「ほんといいよねー。データテストプレイヤーって。」
「おう、おにいちゃん頑張ってダンジョンのスコアランキング一位になるから見ててくれ。」
「私もやりますよー、ゲームないでは相手が見つからなかったら結婚してあげるから...ね?」
「ゲーム内で妹と結婚とかどんな罰ゲームだ。ま、そっちの方がコンタクトとりやすそうだけどさ。そういえばだ、俺がログアウトしてこっちに帰ってくると時々いか臭いにおいと共に搾られた跡と濡れが股関に残ってるんだけど、俺がログインして居ない間、何があるのか知ってる?」
「い、いやぁ~~?し、知らない。」
そう、相当重度なブラコンとはその一線を越えるほどに重度なブラコンだった。ここまでの事実は薄々気づいていながらもそんなはずはないと、妹だぞと拒否している。
うんうんとうなずくとごはんをせっせと食べて自室へ入り、ログインした。
ーデータテストプレイヤーの方々、お疲れさまでした!報酬として超激レア確定ファントムガチャ券三枚と超激レア確定武器ガチャ三枚と魔宝石を2000個プレゼントします!ー
ーゲーム販売開始記念week!今日のプレゼントは復活のはね×5!
「ははっゲームが祝福ムードだな。」
面白くなってきた。と声に出さず呟く。葵のゲームはまだまだ始まったばかりだ。