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事故から始まる恋物語  作者: 丼ちゃん
8/12

第07話 GW一日目始まります。

 「ふぁ~、くっそ眠い。」


 健郎が放った発言のせいであの後遅くまで霞から質問攻めに合い、今朝はお陰様で寝不足だ。


 「おい、起きんの遅かぞ。」


 「おう真兄おはよう。」


 リビングには牛乳の入ったコップを片手にテレビを眺めている真兄が居た。


 「おはようじゃなかっさ、さっさと準備しろ俺は出るけん。」


 「おう、頑張ってね。」


 「黙れ怪我人、お前筋トレサボんなよ。」


 「うい。」


 残りの牛乳を飲み干し兄貴は家を出た。


 「・・・・・俺も早く出よ。」


 制服に着替え食パンをくわえ俺も家を出た。


 普段は姉貴か長男が仕事に行くついでに学校まで送ってくれるのだが生憎今日二人とも早出で、兄貴が遠征に行くため母ちゃんは兄貴をターミナルに連れていくため今日俺を学校に連れてってくれる人は居ないため今日はバスを使う事になった。

 家からバス停まで二、三分位で着くのだが松葉杖で移動すると普段の倍の遅さ移動している様に思えた。


 「・・・・・ぎっじぃ(きっつぃ)。」


 「何食パンくわえながら喋ってんの。」


 声を掛けらた方を振り向くとそこには上高の制服を着た幼じょーーー


 「誰が幼女だ。」


 ドスッ!!とキレのいいパンチが俺の腹にヒットした。


 「ぐぅ!!か・霞さんよ・・何故俺の心の声を・・・」

 

 「アンタの顔見ればそれくらいわかるわよ。」


 「畜生こっちが松葉杖で両手塞がってのを良いことに攻撃しやがって・・・・・あ、俺の食パンが・・・・」


 「あ、ご・ごめん。」


 霞がパンチをしてせいで口にくわえた食パンが地面に落ちてしまった。


 俺は食パンを拾い口にくわえ再びバス停に向かった。


 「あ、アンタそれまた食べるんだ。」


 「モグモグ・・・だってもったいねぇもん。それに焼いて無かったら少しは抵抗はあっけど焼いてれば俺はイケるぜ!」


 何か生だったら表面に色々着きそうだけど焼いてればパンって表面コーティングされててあんまり着かない気がするじゃないって思うのは俺だけか?


 「まぁ、アンタが良いならそれで良いんだけど何時か腹壊すよ。」


 「そん時はそん時だわ、俺今便秘気味でさ・・・」


 「女の子にそんな事言うなよ。てかパン食べながら言うなや。」


 等と言っている内にいつの間にか俺たちはバス停に着きタイミング良くバスも来た。


 「お、ラッキー丁度来たよ。」


 「話聞けよ。」


 霞の話を聞き流し俺はバスに乗った。バスの入り口の段差が少しキツく霞を先に乗せるべきだったなと思いながら俺は空いている席に座った。


 「・・・・・おい。」


 「ん、何だ?」


 「何で俺の隣に座るんだ。」


 「いいだろ別に。」


 「他にも空いてる席あるだろ。」


 田舎のバスは年がら年中椅子はがら空き状態なのだ。


 「何お前俺の事好きなの?」


 「私の好きな人を知っていてお前がそれを言うか?」


 「・・・・・確かに。」


 そう、俺はコイツの好きな人を知っている。俺ら二人の身近な人だ。コイツもその好きな人にさりげなくアタックはしているみたいなのだがどうにも相手が鈍感過ぎて気付いてない様だ。ラノベ主人公かよ。


 「そうだ、好きで思い出した。アンタ昨日私が言った事覚えてる?」


 ・・・・・


 昨日の夜、俺は告白された事を霞に薄情した。そして全てを話終えた後霞に叱られた。


 『アンタ、女の子が告白したのにそんな返事したの!?』


 『イヤ、あの時はテンパってたしそもそもホントに知らない娘だったし・・・・』


 『アンタの言ってることもわかる、でもその娘は勇気を出して告白したんだよ。』


 『でも、皆罰ゲームだろうって・・・・・』


 『例えそれが本当でもその娘の勇気には答えてあげて。』


 『・・・・・・』


 『今すぐじゃなくて良いから返事はちゃんとしなよ。』


 ーーーーー


 ーーー  


 ーー


 (冷静に考えると俺言いくるめられてないか?)


 でも、昨日健郎と三人で少し話したけど正直あの娘は罰ゲームを実行する感じの娘では無い様に思えた。でもだからこそ何で俺に告白したのかがわからない。


 (兎に角昨日の事は謝ろう、そもそも初対面の人にあれは失礼だった。でも告白の返事はどうしよう・・・・・)


 「何で俺に告白したんだろ・・・・・」


 「ん、何か言った?」


 「んにゃ、何も。」


 バスに乗ること十五分、バスは俺たちが通っていた中学校の前で停車し中学生が降り始めた。本来なら中学生が降りるとバスは直ぐに出るのだが今日は珍しく停車したままだった。


 「アレ?バス出ないな。」


 「あぁ、アンタ久々にバス乗ったから知らないんだ。」


 「知らんって何を?」


 「四月からここで乗る子が居るんだよ。」


 「へぇ、でもここら辺に子供何て居たっけ?」


 「引っ越してきたんじゃない?」


 「ふぅ~ん。」


 この辺は海しかないのに珍しい人も居るんだな。そんな事を思っているとバスに乗る人影を見た。霞程ではないが小柄な体型で女の子だとわかった。そして横顔を見た瞬間俺の思考はピタッと停止した。 


 「凄い可愛い娘だったよ。」 


 「ウン知ッテル。ダッテ・・・・・・ダモン。」


 「え。」


 だってバスに乗って来たの昨日告白してきた若松さんだもん。

    


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