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事故から始まる恋物語  作者: 丼ちゃん
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第05話 喧嘩します。

 「んで、二人とも筋トレ?」


 「おい、俺には礼はなしか?」


 「あぁ、あんがと。んで、二人とも筋トレ?」


 「心が込もってないのがイラッとするが・・・・・おう、明日っから合宿だからな。今日は筋トレして上がりだ。」


 そう、世間では明日からゴールデンウィークで運動部の殆どは遠征や合宿に行くのだ。勿論サッカー部も明日から遠征に行くのだが足を骨折している俺は何も出来ないということで今回は留守番となってしまったのだ。


 「ふぅん、えっと若松さんも合宿に行くの?」


 「いえ、今回は選手と控えの人だけでその他の部員は通常練習です。」


 「まぁ、陸上部全員連れて行くとなると色々大変そうだし当たり前か。」


 中ノ島高校は生徒数が少ないせいで他の高校よりも運動部が少なく殆どの部活が毎回人数ギリギリで試合に出ているのだ。だが、人数ギリギリなのにはただ生徒数が少ないのとは別にもう一つ理由がある。それは殆どの生徒が陸上部に入ってしまうからだ。何故かはわからないがどうも昔から陸上部は人気のようだ。因みに一番人気がないのはなんとサッカー部でその理由は練習がキツい、土日は一日練習で毎週水曜土曜は十キロ走るなどマイナスなイメージが広まっているせいで(全て真実)毎年他の運動部よりも入る人数が少ないのだ。


 「んじゃ、俺は筋トレし直すか。」


 バーを持ち直し再びベンチプレスを始める。がーーー


 「あぁぁぁっ!!!重り変えるの忘れてたぁぁぁぁぁ!!!!」


 「せ、先輩大丈夫ですか!?」


 「お前ホント馬鹿だな!」


 結局二・三セットは若松さんと健郎に補助をしてもらう羽目になった。


 「・・・まさか女の子に補助してもらうなんて・・・」


 「あ、あんまり気にしないでください。」


 「更に慰められた・・・もう駄目だ、不貞腐れよう。」


 「あ・・・・うぅ・・・・」


 ヤバい、少し調子に乗り過ぎた。若松さんの顔が今にも泣いてしまいそうだ。てか、教室で告白したりさっきも『はい、貴方の若松さんです。』何て言った癖にこの子メンタルが強いのか弱いのかわかんないぞ。

 泣きそうな彼女を見て俺もあたふたし出す。


 (えっと女の子を慰める時ってどうするんだっけ?たしかこの前アイツに借りた少女漫画では・・・・・ハグってた!!!)


 借りた少女漫画を参考に両手を広げ若松さんに歩み寄る。


 「うんは何ばしよっとか!!?」


 健郎に頭を叩かれた。


 パチーンッ!とお笑い芸人に負けず劣らない効果音が第二体育館に響いた。


 「あだぁ!!何をする!!!」


 「そいはこっちの台詞だ!お前何をしようとした?!」


 「いや、ハグろうかと・・・・・」


 「何故?!」

 

 「いや、この前借りた漫画でこんなシチュエーションがあったけん。」


 「馬鹿チン!」


 バチーーンッ!!今度はビンタをされた、ガチで痛い。


 「だから何をする!これ以上暴力振るうと隆晴泣くぞ!!」


 「いいかよく聞けカス、ああいうのはイケメンで更に相手にそれなりの好感度があって初めてしても良い行動なんだよ!」


 「どっちも兼ね揃えてるじゃないかっ!!」


 バチン、バチーーーンッ!!!コイツ往復ビンタしてきやがった。


 「鏡を見て言えぇぇぇぇ!!」


 「今アガぶったっちゃろが!!」


 俺と健郎の方言丸出しの口喧嘩の中、クスクスと可愛らしい笑い声が聞こえた。

 笑いの主は若松さんだった。 

 

 「す、すみません。クスッ・・・お二人のやり取りがおかしくって。」


 「クッソ、若松さんに免じて今日はこの辺にしてやる。ありがたく思えクソイケメン!」


 「その言葉そのまま返すぜクズメン!」


 「クズじゃねぇし!!」


 アハハハ!とうとう彼女の笑いのツボにヒットしたようだ。しかし笑う顔も中々絵になるな。

 しかし今のは俺と健郎では日常茶飯事なのだけどこの子、その内笑い死ぬのではないだろうか?


 「んじゃ、俺グランドに戻るわ。若松さん補助ありがとうな。」


 「は、はい。私もお役に立てて嬉しいです・・・・くすっ」


 若松さんそろそろ笑うの止めようか。流石に笑い過ぎだよ。


 「おいカス、俺にはないのか。」



 「ありがとよ、クソ○ンポ野郎!」


 松葉杖を全力で駆使し俺は全速力で体育館を後にした。


 ーーーーーーー


 ーーーーー


 ーー


 「気を付け、礼!!」


 「 「ありがとうございました!!!」 」


 部活が終わり全員でグランドに挨拶を済ませる。

 帰る準備を始めると身長が低く目付きの鋭い先輩がおれの元に来た。


 「おい、隆晴さっさと着替えて来い。」


 「うーす。」


 「姉ちゃん、もう迎えに来てるかな。」


 「うい。」


 要件を伝え終えると先輩は部室へと向かっていった。


 「相変わらず、お前にはキツいな(しん)兄さん。」

 

 さっきの先輩は岩瀬真一(いわせしんいち)、同じサッカー部で俺の兄である。


 「そうか?家だと馬鹿話しまくるけどな~」


 「俺ら後輩ともよく馬鹿話するけど学校でお前が話してるところ見たことないもんな。それより早く行かなくて良いのか。」


 「おう、急ぐわ!」


 着替えを終え、学校を出て姉の車に乗り家に向かった。車の中で兄に家に着くまで今日の事を追求されたことは言うまでもない。


 車を降り家に向かう。


 (あぁ、今日はどっと疲れた。早く風呂入りてぇ。)


 「おーい、カス。」


 家に入ろうとした時、どこからか声がした。

 あぁ、更に疲れる奴に絡まれた。周りを見渡すと声の主は隣の家の二階の窓からだった。


 「おーい、聞いてるのかカス。さっさと私の漫画返せよ。」 


 「うっさかな。少しは休ませろや。」


 「ふーん、そんなこと言っても良いんだ。」


 「脅迫はやめてください。」


 「だったら早く返してよ。」


 「わぁったよ。」


 あぁ、コイツの事は別に紹介しなくても別に良いんだけど・・・・・一応紹介しよう。


 中山霞(なかやまかすみ)幼馴染みです。認めたくないけど・・・・・  


 


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