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事故から始まる恋物語  作者: 丼ちゃん
2/12

第01話 明日っから学校です。

 五月一日、大体一月程入院した俺は今日無事に退院した。

 あの事故で俺は頭を強打、更に全身打撲、そして左足の腓骨骨幹部骨折と診断させた。骨折と言われた時はもう二度とサッカーが出来ないと思い一瞬絶望したが、幸いズレが少なく手術はせずギブス固定による保存治療ですんだ。

 入院中色んな人がお見舞いに来た。部活の仲間には「お前バカだな」と言われ今年二年の担任となったサッカー部の顧問からも「お前何学校の目の前で事故ってんだよ、バカやな」と言われそして姉と兄達からも「お前ほんと阿呆だな」と散々な罵倒を浴びた。まぁ、自分でも阿呆だなと自覚はしている。当然友達からも馬鹿だの阿呆だのと罵られた。

 学校の事は友達を通じて色々な情報を知った。その中で一番盛り上がった話は今年の新入生の話題だった。


 「おい、今年の新一年生結構可愛い子多いぞ。」


 「え、マジで!!」


 俺の通う学校は全校生徒の三分の二が男子で大半の男子が女に飢えているのだ。勿論俺も飢えた男子の内の一人だ。


 「マジマジ、でも既に手を出してる奴いるぞ。」


 そして、飢えた男子は彼女欲しさに通常の何倍もの早さで行動するのだ。てかまだ一月も経ってないのに早すぎやしませんか?

 

 「うわぁ、完全に出遅れた。」


 「お前ヘタレだから出遅れる以前に女子とまともに喋れんやろ。」


 「喋れるわ!・・・・直視しなければ・・・」


 など、どうでも言い会話が弾んだ。

 しかし今年の新一年生は豊作のようだ。俺の時は逆に個性全開の女子が多すぎて別の意味で豊作だったが、この話は追々するとしよう。

 今年はどんな子が居るのか楽しみで期待に胸が膨らむ一方


 「後、お前の事も噂になってるぞ。」


 「え、どんな噂!?」


 「学校手前で事故る阿呆で間抜けな先輩。」


 ・・・・・期待で膨らんだ胸が一気に萎んだ気がした。

 そして車を運転していた男性もお見舞いに来た。男性は謝罪し入院費などは自分が出すと言っていたが正直あの日は俺が寝坊さえしなければ起こるはずのない事故だったので俺も母ちゃんも断ったのだが、男性は頑なに出すと言うので結局全額出してもらった。本当に申し訳ない。

 そして今日退院し俺は久々に我が家に帰った。玄関を開けると飼っている猫が珍しく出迎えてくれた。

 

「おぉ、我が愛しき猫よ。久々の主の帰還に出迎えてくれたのか?」


 抱っこしようと、両腕を広げたが、猫は華麗にスルーし外に逃げていった。・・・・・あの野郎後で覚えてろよ。

 打撲は治ったが、骨折はまだギブスを着けている状態で暫くは松葉杖を使って移動することになった。幸い家は一階建てなので、移動はそこまで苦ではなかった。そして母ちゃんのご飯を久々に食べ風呂に入りやっぱり自分の家が一番落ち着くと俺は改めて実感した。

 夜、俺は明日の事を考えていた。二年生になり初めて学校に行く。久々に行く学校、まだ会ったことのない一年生達、入院する前は明日が来るのが嫌な筈だったのに今は楽しみにしている可笑しな自分に思わず苦笑した。

毎週1,2回投稿する予定です。


次回、主人公○○れます。

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