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トラガイシ!!  作者: べからず
1/1

プロローグ

「俺はもう子供じゃない。」

ちっこい背中で私の前に立った男の子はこう言いました。

「大丈夫ですから、私のことは構わないでください。」

「弱い者を守れない男に、大人を語る資格はねえ!!」

絵に描いたような臭い台詞に私は顔をしかめました。私は、とにかくこの男の中でヒロインになりたくないと思いました。

「おい、何をごちゃごちゃ言ってるんだ。お前みたいなチビになにができる?」

悪人ヅラの男がいいます。この男はこれからきっと私を連れ去り、売り飛ばし、お金をもらって良い女といいことをするつもりだったのでしょう。そう、ごみ拾いとか。

「立派になって国に帰るためにも、ここで逃げるわけにはいかねえ!!」

「国に帰る…?あ、まさか、お前…!!」

「俺は気高き王国民だ!!!」

彼はそういうと、体からまばゆい光を放ちました。目を開けられないくらいの鋭い閃光。



「あんな強い光初めて見ました。そして、その閃光とともに、彼の口から …歯茎から、トラがでてきたのです。」

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