神獣狩り
「準備はできたか?」
眼前に広がるは何もない荒野
俺は独り言の様に呟いた
いいや、何もないと言うのはちょっと違うな
何もない荒れ果てた大地だが何かは居る
ここから見ると豆粒の様だが実際は大きい
そりゃあもう、動く要塞だ
神獣 甲殻のアスタロト
神獣とはかつて討伐を困難とされ
多大な犠牲により封印する事しか
できなかった個体を指す
太古の昔に封印された一体
その身を甲羅で覆い如何なる魔法も反射し
巨大な脚は踏み出す毎に大地を揺らし災厄を招く
との事
かつて討伐が不可能とされ封印されたのだが
何処ぞの阿呆共がその身を捧げ封印を解いたらしい
やめて欲しい
俺が死んでからそういう事しろよな
「おー、こっちは準備オッケーだ
アスタロトのケツ穴にどデカイのブチ込めるぜ」
不意にまるで隣から発せられた様に男の声が聞こえる
もちろん周囲には誰も居ない
《念話》
今では集団戦に置いて必要不可欠とされる魔法だ
魔力パスを繋いだ者同士の声を伝達できる
繋いだ者同士にしか聞こえないので隠密性も高い
範囲制限があるが、有る無しで連携の取りやすさが変わってくる
かつては広域音声魔法で単純に《デカイ声》で伝え合ってたらしい
そんな戦場は…
それはそれで面白そうではある
「こっちもいつでも行けるよ!お兄ちゃん」
少年の様な声
いや実際少年なんだがこいつは…
「うむ、私もいける」
そして男とも女とも取れるハスキーな声
「さってと、 終わったら一杯どうよ」
賛成と3人の緊張感のない声が聞こえる
俺は両手にある短槍をギュッと握り直した
「神獣狩りスタート!!」




