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巻き込まれオカマの異世界放浪譚  作者: 雪柳
勇者やりません
6/21

閑話休題(烈火視点)

烈火目線の話と設定のみ。短いです。


【烈火視点】


 嵐のような人だった。

 見た目はとても整っていて、背も高く長い足にハイヒールが似合っていた。サングラス越しの鋭い瞳は怪訝そうな色をありありと表しており、俺達を召還したという王様と姫を睨み付けていた。

 颯爽と去っていったあの人と、残された俺達。俺たちは勇者になりたくて、あの人はそれを拒んだ。

 なんで拒むのだろうと思った。日本人で、少しでもゲームをしたことがある人ならば、勇者に憧れる気持ちはあるだろう。それを現実にできるチャンスだというのに、変なことを言っていた。帰る道はないのか、と。

 なんだってあんな退屈な世界に戻りたいのだろう。俺はこの世界に来られて本当によかったのに。

王様は寛大で、あの人の暴言は全てなかった事にしてくれた。そして俺達に改めて勇者になってくれと頼んできた。ここで引き受けなかったら男じゃないだろ。

シャルロットも嬉しそうに笑っていて、俺の手を掴んでこの国をよろしくお願いします!なんて言われたら、頑張るしかない。

風香と萌の視線は痛かったけれど、美人に頼られて嬉しくない男なんていない。

その日から、俺達は王家直属の騎士団に入団という事になり、そこでレベルを上げるのだという説明を受けた。

訓練はとてもきついものだった。

つい先日まで高校生として自堕落にも近い生活を送っていた俺達にとって軍隊というものの生活はあまりにもかけ離れていて、ついていくのがやっとだった。

しかし、ここでレベルを少しでも上げておかないと、とてもではないが魔王城にたどり着くことすら不可能だと言われたからには仕方が無い。

それに、どうやら俺達に欠けているらしい回復魔法の使い手を国で選出してくれるというのだから有難い。

俺達は、この国の人たちの恩に報いる為に必死にならなきゃいけない。

勝手に去って行ってしまった、あの人の分まで。

今日もシャルロットが自室のテラスから俺達が訓練を受けているのを見守ってくれている。

時折、俺に手を振ってくれているのを見て振り返せば、シャルロットははにかむように笑ってすぐに自室へと引き込んでしまう。

可愛いな、と見とれている暇もないけれど、それだけでやる気が出るというものだ。

風香は魔法に特化しているらしく、魔術師との特訓。萌はその身体能力の高さから武闘家としての訓練を受けているらしい。

俺は剣士として、必要なことを目の前の近衛隊隊長から学んでいる最中だった。

この世界に来て、もう1ヶ月。

帰りたいとは思わなかった。俺がやるべき事がここにある。

ただなんとなく、高校に通っていた頃には見つけられなかった目標や夢が今、この胸にある。

やっぱり、この国に召喚されて良かった。あの人は、今どうしているだろう。

指導係の騎士も、今では簡単に倒せるようになっていた。

魔王城への旅立ちは炎月第3月の日、3日後に迫っていた。




---------------

【暦について】

太陽暦を使用。1年を365日と分ける。

更に、7日で1週とする。

月の日、火の日、水の日、木の日、金の日、影の日、陽の日の7日で1週間。

陽の日は休みと設定される。

月は12ヵ月に分かれており、

それぞれ

始月/雪月/萌月/花月/緑月/雨月/海月/炎月/絵月/愁月/霜月/終月

となっている。


【地理について】

人族が住まうノルニガンド、亜人族が住まうガリエガンド、魔族が住まうシュトロム=シュヴァラ

この三大陸の真ん中に【リーニュ・ストレイン】と海がある。そこには神が住むと言われており、その真ん中に島があるが、聖域のために誰も入ることは出来ない。永遠の中立として語られる。

国境を示すのはその海に流れ込む川であり、人族と魔族、魔族と亜人族、亜人族と人族の大陸をそれぞれ隔てている。

それぞれの川に1箇所だけ橋がかけられており、その橋は代々守人がいる。守人は種族関係なく抜擢され、橋ができた当初からずっとその一族が守り続けている。

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