『あり得ない』を前提にしたプロローグ
主人公は苦労してこそ磨かれる。
苦労こそ主人公の魅力である。
多分、で有耶無耶にしときます。
ある日、空を仰いだ。
その日は一点の曇りも無い快晴の日で、見上げた景色は只管に青だった。
住宅街にある家の、二階の窓にまでその色を映しこんでいる様はまるでその美しい色を誇示するかのようだ。
そんな空を見上げて、僕は譫言のようにこう呟いた。
「空から美少女でも降ってこないかなぁ」
切実な願いだった。
長年溜め込んだ願望だった。
薄汚れた様な汚い欲望では無い、一点の曇りすら見出すことも困難な、期待だった。
僕はサンタさんを待つ少年の様な心持ちで、『空から美少女が降ってきて僕を掬い上げてくれないか』と、本気で思っている。
泡沫のような夢。弾けば消えるようなシャボン玉を『期待』という二文字に踊らされながら何層にも何層にも重ねて破れないようにと必死に守ってきた。
しかし、そんなシャボン玉は重ねすぎた重圧に耐え切れず下へと降下して地面に向かって行ってしまう。地面に霧散した期待の水滴は無残に散って四方八方に広がりながらあらぬ方向へとまで向かって行ってしまったのかもしれない。手に残ったものを数えて、そう思う。
それでも僕がまだ諦めていないのは、空から降ってくる美少女が存在するという可能性をまだ『期待』という二文字を前に捨てきれないからだ。
だから、僕は願う。
『空から美少女が降ってきてください』
そうしたら、僕もきっと救われるような気がするから。
地面から主人公生えてきてもいいですよね。
わたしは間違っちゃぁいないです。
多分、で誤魔化しときますけど。




