夢と新しい学校
「ひっぐ・・・・えっぐ・・・」
「・・・・・・泣くなよ・・・」
「だって、だって・・・」
「・・・仕方がないんだ。分かってたはずだろ?・・・・」
「でも!・・・・・・だからって・・・・・・こんなの・・・・ないよ・・・・」
「次に生まれ変わったら、今度は・・・・・」
ピピピピ・・・・・・
・・・・・・また、同じ夢・・・。
最近よく見る知らない人の夢・・・・・・。ただの夢とは思えないほど鮮明で、そして・・・・・・そのあと、物凄く切なくなる。
「・・・・・・学校にいこっ」
沈む気持ちを奮い立たせて私、海野赤羅はゆっくりと立ち上がった。
「おはよう、赤羅。」
私が階段から降りると、お父さんが笑顔で言った。
「今日から新しい学校だね。大丈夫かい?」
「うん!すっごく楽しみに!」
そう!今日から新しい学校に通うことになったの。楽しみだなぁ!どんな学校だろ?
「そっか、じゃあこれは、いらないかな?」
!!
「カフェオレだ!いるー!!」
急いで席につく私。そんな私にお父さんは笑いながら、特製カフェオレを渡してくれた。
「じゃあ、いってきまーす!・・・・・・あっ、忘れてた・」
慌てて振り向き、小さなテーブルに立て掛けてある、きれいな女のひとの写真に
「お母さん、いってきます。」
と言って、私は学校に向かった。
うん、そう。私のお母さんは私を生んだあとすぐに死んじゃって、私は顔を知らないの。でも、寂しくないよ?お父さんがいるし、たまにしか会えないけど、幼なじみの聡くんもいるしね。
おっと、学校が見えてきた。うわードキドキしてきたー!!
みんな仲良くしてくれるかなぁ~。
私が色々思いながら正門を通ると、
「おらっ!!」
と荒々しい声がしたかと思うと、突然数名の私と1、2歳違うくらいかなぁっていう少年たちが、殴りあいを始めた。
「・・・・・・・えっ?」
・・・・・・私、やっていけるかなぁ?