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ワールドダンジョン・グランギニョル  作者: 津崎獅洸


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4:展開


「展開したかん」

「はい。ですが、2師団を島風中隊だけで潰せるんですか?」

「はっはっはっはっ。上に言われたでやるしかないじゃん」


自衛隊は上からの命令が絶対。

やれと言われれば空も飛べるはず。

第一狂ってる団よりゃましだ。頑張ろう。

やつら本当に空も飛べるからな。


「ドッグタグを手首に巻いて、逃げる混成部隊を潰しんね」

「はい。その命令も伝わってます」


展開されるはずの長野県の軍の反逆者たち2師団は秘密裏に潰されることとなった。

集まっているところを潰す。

都道府県が隣接している都道府県に宣戦布告した前例はある。

4年前に滋賀県が福井県の獣人部隊に宣戦布告され、討伐した前例である。


「そりゃいい。耳栓よりゃマーカー付きのドッグタグの方が安心だでね」

「?これ、マーカー付きなんですか?」

「……説明きかんかっただかん」

「聞いてないですね。全部島風少佐から聞くように言われました」

「はあ?杜撰だねーやだねー」


P90の調子を見つつそう返答して展開の合図を出す。

静かに岡田中尉が去っていき、俺は走り出した。


どんどんと加速していき音速まで到達すると周囲の樹をなぎ倒して爆音とともに基地に入り込む。


周囲の軍人達がこちらを見てぎょっとし一斉に銃を構えるのを見てにたりと笑い超音波を出す。


「ぎゃ」


短い悲鳴と共に基地にいた1師団全員分の命が奪われる。

約1万人。それだけの規模の魔術など容易いものではないが、俺には簡単すぎる。


だが、生命反応を探知。心臓の音。

それは徐々にこちらに近づいてきて空から降って来た。

M250から弾丸を撃ちながら降って来た女は着地と同時にコンバットナイフを手に取る。


「……」


こいつ魔力ランクEXか?

寡黙な女戦士は輝かんばかりの美貌の持ち主。空色の髪を靡かせ、何度も切りかかってくる。

小柄な女。

チリっと音を出してみると女は混乱した様子で周囲を見渡す。


混乱は効くのか。


だが、殺せないな。こいつ、多分防御特化の魔術師だ。

俺とは相性が悪い。


なら。


「ほい、ちょいとごめんね」

「ひきゃ」


ナイフをかいくぐって頭を掴み頭の中身を操作する。

戦場でなければやってはいけない、人権無視の行動。

そう、音楽による洗脳。


女は涎を垂らしながら膝をつき頭を押さえてがくがくと震える。


「ぎぃいいいいいいいい」

「うーん」


意思が強いな。じゃあもうちょっと強く、抑え込むか。


頭にもっと強い魔力を注ぎ込む。


「きゃっ」


どさっと倒れる女はすぐに起き上がりあたりを見渡す。

少し記憶を改竄したが、大丈夫だろうか。


「あ、少佐殿」

「名前と所属は」

「深雪サオリ大尉、所属は松本駐屯地です」

「現状説明」

「少佐殿が私が潜入していた師団を潰したところです」

「分かった」


よしよし上手くいっているな。

潜入捜査をしていたという記憶を植え付けそれを起点に俺を上司にする。上手くいった。

大抵、注がれる魔力に耐えきれず脳が損傷してしまうが、今回は深雪が防御特化であることがうまく作用した。

予備のドッグタグを渡し、手首に巻くように伝える。


「はい」

「お前は岡田中尉がおる地点にいきん」

「はい」

「ドッグタグみせりんよ」

「はい」


注意をしてから送り出すと深雪は走り去る。

無線で岡田を呼びだす。


「こちら岡田中尉。どうぞ」

「そっちに深雪大尉がいくで殺さんでね。どうぞ」

「分かりました。殺しません。どうぞ」

「んじゃ。オーバー」


次の1師団を探さないと。

こっちと反対側。東側から走って西側に行くと駐屯している師団がいるのが見える。

魔力走査からの音での生命走査。

規模を確認後、速やかにテントを張っているそこに行き、P90を構える。

今回はウィルミン・ティンヌルラゴ中将を捕まえる必要があるのだ。

あっちにはいなかった。何故分かるか?簡単だ。

将軍クラスには特定の周波数を出すチップが埋め込まれる。それに一定の超音波を当てると跳ね返ってくるのだ。

どこに居るか確認するための抑制装置だったが、抑制できていないのが現状。

東側の将軍殿はいらないのでいい。まあ、人材的には欲しいが、裏切り者に用はない。

しかしウィルミン・ティンヌルラゴ中将は違う。名前が挙がった人物だ。回収して情報を吐き出させる必要がある。


「はい」


銃声、怒号、バリアを張る音。

ウィルミン・ティンヌルラゴ中将の顔は写真を見て知っている。

後は信号を掴むだけ。

銃で応戦しながら超音波を発する。そして跳ね返って来た超音波を頼りに裏切り者を掃討しながら走る。

がつがつと走り、リロード。

更に撃ちまくりながら、ひときわ大きなテントに滑り込む。


「ウィルミン・ティンヌルラゴ中将閣下」


硝煙を吸いながらにこやかに、テントにいる青褪める彼女に話しかけた。


「はっ!?」

「さ、直ぐ此方へ。ご安全に貴女だけ、お助けいたします」

「やれ!!!」


叫び声と共に銃声が響きわたるが、そんなものはバリアの前に落ちる。


「さ、お早く」

「あ、わ、私はっ」

「言い訳は東京でどうぞ。今は豊川基地に行きましょう」


ちりりと魔素が動く音がする。魔力を集める動作。

バリアを張るとウィルミン・ティンヌルラゴ中将はこちらを凍らせる。


「は!?わ、私の魔力はS判定だぞ!!貴様あ!!」

「左様ですか。ご安全に搬送するため、気絶していただきます」


ピシッと空間が割れるような音が響きウィルミン・ティンヌルラゴ中将以外が塩の柱になった。

そして、ウィルミン・ティンヌルラゴ中将、彼女はどさっと倒れる。


「……妊娠してるのに、逞しいねえ」




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