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ワールドダンジョン・グランギニョル  作者: 津崎獅洸


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11/11

11:田原城址迷宮 2


奥に進むにつれ殺気が充満する。


「ああーこれ、ボス部屋がないパターンだわ」

「え?」


岡田のキョトンとした顔ににこりと笑いかける。


「だから、ボス部屋まで一直線上にある、通路ってことだに」

「なだにゃー……聚楽左文字じゃ荷が重いかにゃ」

「そこは好きにしりん」

「ふん」

「殿下!私めが討伐して見せましょう!」


三成がそう言い、吉継は溜息を吐く。


「三成に出来るかな」

「刑部。出来る出来ないではない。やるのだ」

「そうか」


瞬間ずんずんと音が響く。

それは徐々に早くなっていき、三成が通路の中心に立つ。


「ここは、私が」

「頼んだに」

「あ‶?」

「頼んだにゃ」

「勿論です!!!お任せくださいませ!!!」


こいつううううううう!!!


現れたのは堅牢な鱗に守られている地竜。

巨大な体に見合った2対の角。


俺は下がり、三成を見た。

三成は打刀の鯉口を切り振り上げる。


巨体が寸前まで迫った瞬間、叫ぶ。


「石田政宗!」


真っ二つになった地竜。

血しぶきを避けてこちらに来る、三成。


「秀康殿は、いるのか」

「いない」

「家康はおるにゃ」

「ええ……?」


嫌そう。

家康とはなんやかんやあって関が原まで行ったんだもんな。

正直、気の毒な身分である。


「じゃ、先に行くに」

「敵は倒した」

「ああ、この階のボスは倒したね」

「え」


岡田が青褪める。


「どのダンジョンも最低でも3階ある。だで、ここより先があるんだに」

「まじかあ」

「まじ」


血濡れの廊下を歩き、階段を探す。

10分ほど歩くと見つけられた。


「ここにあったに」

「ああ、ふん。道案内にはいいな」

「お前、殴るに?」

「はっ!」

「まあまあ」


とめるな岡田。殴らせてくれ。こいつを俺に殴らせてくれ。


全員で下に降りると広い部屋。


「あーあーやばい」

「え?」

「ダンジョンでヤバイ区分があるのは知ってるよな?」

「まあ、SSSとかですよね……あ」

「そう、広い部屋それも浅い階層でとなるとダンジョンボスではなく階層ボス。それを2階でも出てくると、ここの区分はSS判定は確実」


見えないほど高い上から何かが降りてくる。

巨大な飛竜。

前に出たのは大谷吉継。

懐から短刀を取り出し痩せぎすな体で唇をはむ。


「包丁藤四郎」


すっと振られた短刀から斬撃が飛び、飛竜を打ち落としさっと吉継は膝をつく。


「これに」

「次はもっとやばいに。出来るかん」


俺の問いに答えたのは秀吉だった。


「出来にゃーそこまで。いいにゃいいにゃ。俺にはいい敵だにゃ」

「お前がやるだかん」

「当たり前。ご主人様にゃあ媚びとくのが一番だにゃ」

「はいはい」


先に進むと下の階も大きな広間。ああ、こりゃSS判定確実だな。

左右から何かが走ってくる音、そして上から羽ばたく音が二つ。

更に正面から走ってくる地竜。


「岡田」

「は」


AK47をぶっ放しそれが撃ち終わると装填し、更に撃ち込む。

だがどれもいまいち。


「走れ」

「は!!!」


岡田を魔術強化し、強化された岡田がナイフを地竜の首を落とすと同時に左右の地竜がやって来てそれぞれ、三成と吉継に斃される。


「包丁藤四郎」

「石田政宗」


上の飛竜に指を向けると秀吉が笑う。


「俺にまかせるにゃ」


キンと音が響くと秀吉の小さな手に太刀が持たれる。

それを抜き跳躍する。


「一期一振」


あっさりと落とされる首に巨体。その上に鎮座する不敵な笑みを浮かべる秀吉。


「ようやる」

「ここで終わりじゃにゃーにゃ―」

「そうかん。じゃ、次」

「殿下。このような無礼を許しても?」

「よい。俺は気にせんにゃー……だって、こっちに居るにゃ、契約者が必要。なら強い奴に従っとくのがいいにゃ」

「分かりました」

「こいつうぅうううううううう」

「ま、まあままままま」


先を促され先に進む。


一回でいいから殴らせてくれねえかな。


「あー……ボスだね」

「さっきもボスだったにゃ」

「ダンジョンボスだに。誰がやるだん」

「吉継」

「はっ!」


秀吉はそう言う、が、どう考えたってこの魔力量では勝てない。

俺は溜息を吐き、俺が試されているのだと悟った。


味方を守るか、味方に力を与えるか。


「魔力強化にも限度がある。それでもかてにゃ、俺がやる」

「分かりました、私にお任せを、旦那様」


吉継に魔力強化をほどこし、待っていた、ダンジョンボスに向かう。

そこにいたのは3目を持つヒト型の生き物。


「余を斃すのは誰だ」

「大谷吉継、推参」


痩せぎすの体に張り巡らされた魔力回路。漲る魔力。

目を細めた敵に一瞬で近づき短刀を突き立て、引き裂くが、弱い。


「ありゃ―かてんに」

「どうだかにゃあ。吉継の知略を見ると良いにゃ」

「はいはい」


目を潰し、一歩引くと瞬間的に心臓を打ち抜く。

が相手のが一枚上手。

半身を反らした三つ目の男は嗤い、吉継の頭を掴む。


「英霊ってことは、お前は弱い、魔術師だな」

「はあ」

「刑部から手を離せ!!!」


走る三成を秀吉が制す。


「まて」

「はっ!」

「英霊など雑魚。こんなふうにな!」


殴られた吉継は体を幽体化して避けるとすぐさま短刀で首を落とす。


「雑魚はどっちだ」


へー幽体化って好きに出来るんだ。

魔力が吉継の体に吸収され、吉継は驚いた様子だった。


「これなら、殿下のお役に立てる!」

「やったな、刑部」

「おーおーようやった。帰るに」


水晶に全員で触れて浮遊感を覚えると外だった。

自衛隊が展開しておりテントが立っている。


「何時間経ったか分かるかん」


近くで煙管をふかしている信長にそう聞くと普通に答える。


「72時間じゃすと、だにゃー」


俺の後ろから現れた吉継と三成がぎょっとした顔を見せる。

スマホを見ると電波を受け取ったスマホの時計が表示される。


「ふん。じゃ、SS判定か」

「なんでですか」

「イフリート」

「え?」

「イフリートが出て来たから、ここはSS判定の迷宮になるに」


それを聞いていた周囲がざわっと広がる。


「……ちょっと待ってください」

「ん?」


岡田が声を上げる。


「それって、あのイフリート以上がいるってことですか」

「うん。おるに」

「うへえ」

「熊本城はイフリート、ウンディーネ、シルフ、ティターンなんかが出てくるに」

「それってどれくらい、強いんですか?」

「お前じゃ無理ってことがわかりゃいいに」

「あ、はい」


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