第七十四話……なんか喋った!
私はジーッとたすくの上の雲を見上げた。
「…………あいうえお……」
「やっぱりなんか喋った!」
「え、『これ』が?」
「でも、人間の姿には見えていないんですよね? おせっかいスキルではどうなんですか?」
「…………」
「うーん、まぁ雲のままだね……」
「俺も何も聞こえない……」
「そう考えると、すごいですよね。超スキルを超えるとなると、ある意味で世界の最優先ルールみたいなものでしょうか」
「殿下、もしよろしければ、その輝きを抑えられないでしょうか。観覧者全員がその雲に目を奪われているような気がします。その衝動を抑えられずに、混乱を招く危険もあるかと」
「…………そうなの……?」
「そうだよ」
「まぁ、できなくはないけど……。念のために聞いてみるか。いいか?」
たすくは、上を見上げて雲に確認した。
「…………どうするの……?」
「『どうするの?』って」
「やっぱり、喋るのか……。久しぶりだな、この感じ。
安心していいよ。君から周囲に向かう光を一部、空間の境界で吸収させればいい。そうすれば、そのまま周囲を見ることができるし、周囲からもそれほど変に見えない。もし、それで苦しくなったりしたら声を上げてくれ」
『……。じゃあ、それで……』
私の通訳の後、おせっかいスキルによって、その雲の光の輝きが抑えられた。
綺麗さは残るものの、確かに魅了されるほどではなくなった。それはそれで、すごく残念なんだけど。
「こうなると、またあの輝きを見たくなってしまうな……。これは非常にマズい……」
「麻薬みたいなものだよね……。癒やしと副作用の、言わば『強制おせっかい』か……」
「『魔壁中毒』みたいな症状は聞いたことがありませんが、プレアさんが言ったように、洞窟Aを超える輝きであれば、そうなってしまうのでしょうか……」
「依存症であれば、本来は完全にそのモノを断ち切らないといけないんだけど、この場合は本当に大混乱になりかねないな……。
ほろ酔い気分ぐらいに調整できればいいんだけど……。そうすれば、時間が経つにつれて次第に普通の状態に戻るはずだ」
「…………」
みんなで悩んでいるのが、少し面白く、嬉しくも感じた。
『雲そのもの』をどうにかしようとせずに、あくまで『雲の輝き』をどうしようか考えているからだ。
すると、セレナが手を挙げた。
「面白かった!」「つまらん……」
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最後に、本話をお読みいただき、ありがとうございました!
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