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異世界<おせっかい>人情ラプソディ~いや、『おせっかいスキル』で無双って何⁉️~  作者: 立沢るうど


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第六十九話……誰にでもある

「俺は正直、この公開処刑に対して、みんながここまで関心を持つとは思わなかったよ」

「私も。まぁでも、そもそも普通の国の国民は、平和ボケした日本人と違って、政治に対する関心も姿勢も、まるで違うからね。そっちの方が異常なんだよ」


「国際社会から見れば、サイコパスとも言えるか。国単位では、仲間外れにならないように必死に金をばら撒いてるけど」

「友達料金ね。一方で、国民同士で友好関係を築いていたりもするから、前にたすくが言っていたように、それがもっと広がれば、そんなの必要なくなるんだけど、それはそれで甘い考えなんだよね。結局は、国同士、政府同士になって、金の切れ目が縁の切れ目になるから」


「政治の話をするだけで冷ややかな目で見られる社会だからな。政治デモだけじゃなく、慈善活動や国際交流でさえ、『何そんなに必死になってんの? 意識高い系?』と思われるのは異常だよ。もちろん、全員がそう思ってるわけじゃないけどさ。

 政治、宗教、野球の話はタブーだと言われてるけど、最近はタブーが増えてきたような気がしてたな」

「だって、英語の授業でネイティヴに近い発音をしたら、バカにされる社会だよ? バカ社会でしょ。授業後に分からない所を先生に聞きに行ったら、『ガリ勉くん』だし。高校でさえ、そうだったんだよ?

 超進学校ではそういうことはないらしいけど、だとしたら自分でバカですって言ってるようなものでしょ」


「俺の高校は前にも言った通り、偏差値はそれほど高くないんだけどさ、それは入学時の偏差値であって、旧帝大含めて有名大学進学率は異常に高かったんだよ。なぜなら、そういう足を引っ張るような奴が全くいなかったから。おせっかいの俺を除いて。いや、勉強では足を引っ張ってなかったから別か。

 それこそ、尊重し合うって言うのかな。それだけで、雰囲気も居心地も勉強に励む環境も良くなるんだってことが分かったな」

「公立でそれって異常だね。実は内申フィルターめちゃくちゃかけてそう」


「いや、本当にその可能性が高いんだよ。内申と言うか個人調査の方。これは噂だったんだけど、俺が入学する一年前に、高校側から進学希望者がいる中学に対して、いわゆる内申をもっと細かく記載するよう依頼があったらしくて、その年度合格者の学力偏差値が、例年よりガクンと落ちたっていう話。

 学力点と内申点の比率は公表されるけど、その通りになっていなかったんじゃないか、裏で学力点が、それどころか調査書が優先されて内申点すら操作されていたんじゃないか、っていう黒いのか白いのか分からない噂なんだけど、俺はそれを入学してから知った。

 それを全校集会で校長に質問したら、『入試は適切に行われている』の一点張りだったんだよな。以降の入試も変わらず」

「それは入学者からすれば、おせっかいでしょ。結果的に良い学校になったのなら、それが正しかったってことだし」


「でも、内申で不合格になった人の中には、それを知っていれば受験しなかった人もいるだろうから、損してる人は間違いなくいるんだよ」

「自業自得でしょ? 普段から真面目に頑張っていた人は不幸になってないんだから、それでいいと思うけど」


「その個人調査書が、正当な評価の下で書かれていたなら、な。教師もピンキリだから、好き嫌いや雰囲気だけで評価している恐れもある。顔がキモい、この子はかわいい、みたいな主観から入って、後の評価に影響する。

 単純に、女子の比率を高めたいから、男子を落とす。あるいは、その逆とかもあり得る。それは事件になったこともあるぐらいだ。

 あくまで、そういう場合もあるってことだけど、人間が人間を評価する以上、基準が曖昧だとその可能性も高くなる」

「それは否定できないか……。ニュースでもよくあったけど、女性管理職を増やそうみたいな話で、『それって男性差別だよね? 無能な女を昇進させても組織が崩壊するだけだよね? 管理職なんて、感情に左右される女には一切向いてないんだから』って思うことがたくさんあるからね」


「流石、男から好かれる差別主義者の意見は鋭いなぁ」

「傾向だよ、傾向。みんなもそう言ってるし。女でさえね。賢い女の人は、ちゃんと分かってるよ。男女の能力の違いを。女が男に生物学的に勝てることなんて、ほとんどないってことも。

 生まれてこの方、女の子だからと言って甘やかされてきて、かわいい穴としか見られてないのに、調子に乗って自分が最優先だと思い込んで、歩道の真ん中を列を成して我が物顔で堂々と歩いたり、バカみたいにスマホを見ながら歩いて、相手が避けてくれたことにさえ気付かなかったり、避けなかったら勘違いして被害者ヅラ、真犯人は別にいるのに、『ぶつかりおじさん』と勝手に一般化して、男の寛容さに甘えながら、いじめと分断を助長するような連中が、突然地位を与えられて、まともに働けるわけないんだよ。

 それこそ、おせっかいなんじゃないかな。いや、偽善者か。女を利用して、女性比率を増やして、何か成し遂げた顔をしている男達のことね。男性比率の方は、それに輪をかけた差別主義者。

 フォーリエにも同じことが言える。この場合は、女と言うよりも王族だけど。

 あと、甘やかされるのと、慰めてほしくて甘える状況は違う。後者は、自分が弱い立場だと理解しているから。

 そう考えると、甘やかされて調子に乗った女は、いつか男から嫌悪され、社会不適合者だと言われ、排除される可能性だってある。そうでなくても、本当は差別なんてなかったのに、差別対象になってしまって、歴史を逆戻り、なんてこともあり得る。

 例えば、この公開処刑。『執行人を女性にもやらせろ! 女性差別だ!』と調子に乗って訴える。あるいは、『女性にもやらせるべきでは?』と偽善者が提案し、調子に乗って女が賛同する。別に差別ではなく、能力の区別だったにもかかわらず。

 実際にやってみたら、弱々しい鞭打ち、いつまで経っても切断できない手足、挙句の果てに泣き喚いてリタイア。まぁ、最後のは言いすぎだけど、甘やかされてきた女の場合、あり得なくはない。

 そして、『やっぱり女はダメだ』と言われる。

 そこで、『力が必要な鞭打ち刑が悪い!』と責任転嫁の被害者ヅラ。なぜなら、自分の能力を弁えず、まだ調子に乗ってるから。

 あるいは、『自分が女だから責めてるんでしょ! 強い者には巻かれてるくせに!』と被害妄想。

 すると、『何だこの女……』と呆れられて、『やっぱり、本質的にも論理的にも考えられない下等生物なんだな』とも思われて、『感情に任せて暴れられては困るから、管理対象または奴隷にするべきだ。女は産む機械で十分』という論調が広がってしまう。

 私は、この論理がそこまで飛躍してるとは思わない。人間だからこそ、こう思うんだよ。歴史がそう言ってるんだから。

 そして、歴史は繰り返すんだよ。どんなに社会が成熟したとしても、人間の本質は変わらないんだから。まさに、内紛、内戦、戦争がそれを物語ってるでしょ。あるキッカケで、すぐに傾くんだよ。

 これは、性善説とか性悪説とか関係ない問題。強いて言うなら、認知の問題だよ」


「みかは、やっぱり優しいな。ちゃんと国民や女性のことを考えているからこそ、そういう発言が出てくるんだな。それを過激だと言って、差別主義者だとレッテルを貼るのは本質が理解できていないことになるな。

 ごめん、みか。俺自身、反省しなければいけないことだった」

「優しいたすくらしいね。ありがとう。でも、謝る必要はないよ。私は差別主義者、とまでは行かないけど、これまで言ってきた通り、差別心は確実にあるから。それを本人の目の前で言ったり、迫害したりしないだけで。

 でも、セレナにも言ったけど、誰にだってあるんだよ、そういう気持ちは。みんな偽善者で、理性を持った社会の一員だから、それを表に出さないだけで。まぁ、たすくは例外かもしれないけど。あ、気持ちの方ね」


「そうだな。認知の差については、俺とみかがこの世界に来た時に、最初に埋めようとしたな。お互いに寄り添って、それでも埋まらなければそのままにして、キッカケがあれば、またそこで埋めればいい。

 言うは易しとは言うものの、俺達の場合はすぐだった。男女間の認識の差のように、絶対に埋まらないわけでもなかったからな。

 でも、同じようなアプローチでいいはずだよな。やっぱり、『お互いに』っていうのがポイントか……」

「そういうことだね。どちらかでも突っぱねたり、無視したりじゃダメなんだよ」


 たすくは真剣に考え込んでいた。もしかすると、フォーリエの命を助ける道があったのかもしれないと考えているのだろうか。それとも、今後同じような状況になったらどうするかをすでに考えているのだろうか。


 少なくとも、私には思い付かなかった。


 邪悪な存在を社会から排除することしか考えられない私には……。

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最後に、本話をお読みいただき、ありがとうございました!


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