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異世界<おせっかい>人情ラプソディ~いや、『おせっかいスキル』で無双って何⁉️~  作者: 立沢るうど


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第六十八話……公開処刑の責任

 それから、一時間半弱。ペースを早めたこともあって、鞭打ち刑は終了した。

 化物姿でも分かるほど、フォーリエの顔面は酷く腫れ上がっていて、歯も数本折れている。鼻の骨も粉々になっているので、当初の予定にあった、自らの肉が焼け焦げた臭いを嗅がせることができなくなったのではないだろうか。

 また、フォーリエの顔面の様子を見て、とうとう嘔吐する観覧者が現れ、その臭いをもらって連鎖的に嘔吐している声が、ちらほら聞こえた。ただ、昼食を抜いているため、吐瀉物はほとんど水分のはずだ。


「これより、切断刑を行う!」


 ビルさんは、それでも容赦なく次の刑を宣言し、執行人達も準備に入った。


「せ……切断……? な、何なのそれは! どういうことなのよ!」


 どうやら、鼻の骨と歯が折れていても、未だフォーリエの発音は正常に保たれているようだ。


「ま、待って……! ほ、本当に……ぎゃああああああああ!」


 コーディーさんによって、まず左手が切り落とされた。

 フォーリエが落ち着くまで待機した後、別の執行人が右手を、同様に左足、右足と切断された。

 足は、角度が難しいこともあって、手のように簡単には切断できず、何度も剣で叩き斬っていた。その度に、フォーリエの悲鳴が響くも、最終的には声も上げられないほど、うなだれて絶望の表情をしていた。


「それでは、切り落とした手足の焼却!」

「あ……あ……」


 そして、鉄槍に串刺しにされた手足に向かって、炎魔法が放たれた。肉が焼かれ、焦げる臭いがこちらにも漂ってくる。

 完全に焦げ切ったことを全員が確認すると、フォーリエの肘と膝が手足の時と同様に強く縛られ、また順番に切り落とされていった。


「いや……いやあああああああ! もう殺して! もういいでしょう! 早く殺しなさい! クズども!」


 鞭打ち刑でも言わなかった『殺して』という言葉を、ついにフォーリエが口に出し、私は少し驚いた。

 自分の手足を永遠に失ったことが、それほどショックだったのだろうか。世の中には、事故や病気で手足を失う人だって、たくさんいるのに。


「何より、この状況でも唯一自由にできた箇所を失ったことに対する絶望だろうな。まだ頭部も残っているから、厳密には唯一ではないけど」

「たすくは、フォーリエの考えを常に読んでるんだよね? それでも『だろう』なの?」


「ああ。フォーリエの考えは鞭打ちが始まってから、どんどんぐちゃぐちゃになっていってる。その中でも、拾い上げられる考えは拾い上げて、それを繋げると、そうなるかなって程度」

「なるほどね。そうなると、『次』に繋げるのは前途多難だ」


 貧血と止血のための回復魔法が挟まり、焼却も見届けさせられ、四肢が失われたフォーリエは、次に三角木馬に跨がされた。


「ぎゃああああああああ! 痛い痛い痛い痛い! 痛いいいいいい! 痛……ぐぇぇぇっ!」


 体勢を安定させるために首に巻かれた縄をコーディーさんに引っ張られ、まともに叫ばせてさえもらえないフォーリエ。

 ここまで来ると、執行人の疲労もかなり蓄積されているため、縄の引っ張り役は頻繁に交代していた。


「お……ぉ……コホッ……んおぉぉ……お……お……おおおおぉぉぉぉん……!」


 どんなに苦しくても、縄を緩めるための手もない。逃げようにも暴れようにも足がない。そのことが、フォーリエの目から大量に涙を流させた。

 観覧者の中には、彼女に同情して涙を流している人もいた。ただ、その視線は真っ直ぐで、同情と言っても自分が同じ苦痛を味わった時のことを重ねているにすぎず、決してフォーリエの境遇全てに同情しているわけではないだろう。

 また、少しでもその気持ちが緩めば、それは吐き気に変わり、嘔吐箱を覗き見ることになる。実際、かなりの観覧者がそれを経験したようだ。


 執行人でさえも、切断刑の待機中に嘔吐箱に齧り付いた人がいた。コーディーさんは時折、天を仰ぎ、風向きを考慮しながら深呼吸して、水も飲みつつ、何とか持ち堪えている。

 それは、王族やビルさんも例外ではない。ただ、サーズさんは、フォーリエを除く処刑台上の一人一人を回り、自分の気を紛らわせながらも、直接その人の肩や背中に手を当てながら励ましの声をかけ、全員を鼓舞していた。

 その国王としてのありがたい振る舞いから、執行人の中には涙する人もいて、観覧者もその光景を見て、さらに涙していた。


 誰一人、この公開処刑を喜んで続けている者などいないことが分かる。

 それは、人間だからだ。

 しかし、続けなければいけない。観続けなければいけない。

 それが、この場にいる人間の責任だからだ。


 決して負わされているわけではない。決意と覚悟を持って、自分で背負ったのだ。

 だからこそ、観覧者も誰一人として途中で帰宅する人はいなかった。

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最後に、本話をお読みいただき、ありがとうございました!


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