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異世界<おせっかい>人情ラプソディ~いや、『おせっかいスキル』で無双って何⁉️~  作者: 立沢るうど


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第五十九話……震えてもいいんだ!

「コーディーさんは、どんな気持ちで執行人を引き受けたの?」

「ビル・クライツ宰相に全ての説明を受けた後、執行人に指名され、私は震えました。

 ただそれは、これまで自分が考えていた公開処刑よりも、今回は遥かに重要な処刑であり、それを構成する内の一人に選ばれ、光栄であると心から感じたことによる震えです。

 先程からあった通り、私は陛下と宰相を尊敬していますから、そのお二人が国家を運営したら、どのような素晴らしい国家になるのだろうとワクワクしていました。

 それについては、何度もよく考えてきましたが、改めて今考えても、変わりありません。

 そして、私の想像を超えた国家像が、説明を受けた際に、目の前に鮮明に現れたのです。これほど嬉しいことはありません。奇妙な笑いが出て、これが見たかったのだと涙も溢れました」


「例えば、その処刑を観た人が、『こんなに残酷なことを平気でやるような野蛮兵がいる!』『普通なら断る!』とかレッテル貼って、家族ごと非難される場合だってあるでしょ? あるいは、家族にそう思われるとか」

「はい。特に説明も何もない公開処刑ならそうでしょうね。私もその心配をしていたと思います。

 しかし、これほどまでに丁寧に説明がなされると、むしろそれを理解していない人の方が非難され、蔑まれることになるのでは、と改めて考えました。

 当然、処刑台上で相応しくない態度をするなどした場合も、蔑まれるはずです。

 つまり、誇りを持って職務を全うする姿勢こそが大事なのだと、今は覚悟を決めています。

 正直に申しまして、当日は脚が震えることでしょう。どれだけ我慢しても吐いてしまうかもしれません。

 『それでもかまわない。私達は人間なのだから』と、宰相はおっしゃってくださりました。

 それと同時に、『ただ、陛下もずっと台上にいらっしゃるということは、僭越ながら、陛下の代わりに刑を執行していることと同義であり、国民の代表でもあることを忘れないでほしい。だから、君が震えている時は、私も含めて全員震えているんだ。それが新しい我が国だよ』ともおっしゃりました。

 その温かいお言葉があったからこその、今の私の覚悟なのだと思います」


「そっか……。やっと分かった……。震えてもいいんだ……。私は、震えを抑えることしか考えてなかった。震えを抑えるスキルとかあれば良いのにって思ってた。

 よく考えたら、化物を見てる時だって、体の震えは諦めてたのに……。それと同じじゃん……」

「『答え』が出たようで、何よりです」


「ありがとう、コーディーさん! 当たり前になりすぎて、気付かなくなることがあるって、改めて分かった。

 ビルさんの言葉が大きい部分を占めているのはシャクだけど、そのことに気付くまであっという間だったのは、コーディーさんのおかげだよ」

「いえ……私は、『あなただからこそ』あっという間だったのだと思います。

 と申しますより、すでに答えは『あなたと共に』あったのではないでしょうか。

 それだけ、私達の立場や気持ちに寄り添ってくださるのですから。少しでも場を和ませようとしていただいたこと、改めて嬉しく思いました」

「そうだな。自分自身の長所短所に気が付きにくいことと同じだ。

 自分が鏡を見ても、そこに映っているのは、いつも見ている自分。徐々に変わって行けば自分では気が付かないが、久しぶりに会った人には気付かれる。

 これが酷くなると、いつの間にか痩せ細っていたり、その逆に太り切っていたりすることがある。それ自体は、拒食症や過食症、強迫性障害で起こりやすい。

 現象では、香水も一緒だ。鼻が慣れてしまえば、自分では気が付かないほど、いつの間にか香りがキツくなっていて、周りの人は顔を顰める。

 全て程々にするか、自分を客観視するか、周囲に指摘してもらうか、方法ならいくつもあるが、それを理解して受け入れることが重要だ。

 いつものように、俺が言うのもなんだけど」

「いつも言ってくれる人が側にいるのは、とてもいいことですね。口うるさいと思う場合もあるかもしれませんが、たすく様はそういうこともありませんし」


「セクハラは、しつこいんだけどね。もしかして、冗談でも何でもなく、スキルの影響かもよ。

 いや、絶対そうだよ! 私達が気が付かなかっただけで、『おせっくはらスキル』だったんだ!」

「……」

「無理矢理すぎるだろ! 冗談以外の何物でもないわ!」

「無理矢理ねじ込んでくるセクハラとかけているのでは?」

「え⁉️ 肉棒をねじ込む?」

「ラピスが肉棒の味を覚えてしもうたぞ!」

「いつもの漫才が始まったか」


「たすく! どうしてくれるの!」

「陛下におかれましては、素晴らしい方達とお知り合いで羨ましい限りでございます」

「コーディー、逃げるなよ? お前も知り合いなんだぞ」

「ぎくっ……と申しますのは冗談でございまして、誠に心強く感じます……。

 元気と勇気と……新たな機会を皆様からいただいた今、そして明日は、より力強く踏ん張れる。そう確信するほどに……」


 私達のことを、サーズさんとコーディーさんが、しみじみ見ているのを他所に、私の心は晴れ晴れとしていた。


 私達はこれでいい。今はそう思う。

 でも、明日は間違いなく大変な一日になる。


 だからこそ、今はくだらないことを話して、曇りない笑顔でいたい。



 今は……今だけは……。

「面白かった!」「つまらん……」

「続きが気になる!」「次回作に期待!」

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最後に、本話をお読みいただき、ありがとうございました!


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