第四十九話……いじめのキッカケ
「のぉ、たすく。わし、たすくの子どもが欲しいんじゃが、どうすればいいかのぅ……」
「ちょ、ちょっと、プレア! いきなり、何言ってるの⁉️」
昼寝から目覚め、たすくのスキルも維持できていることが分かり安心していたら、私達が眠っている間に、お風呂で気持ちが昂ったままだったのか、物思いに耽っていたであろうプレアが、突然ぶっ込んできた。
「人間の男女間で子どもができるのは知っておるが、人間とモンスター、しかも女と雌では、やはり無理なのかのぉ……」
「そういう意味で言ったんじゃないんだけど……。まぁ、そう願う気持ちは分かるよ」
「たすく様のスキルで何とかなったりしませんかね? できれば私も、それがベストだと思っていますから」
たすくは、これまで悩んできたことは何度かあったが、今回のような毛色の違った問題に、相当考え込んでいる様子が見て取れる。
「そうだなぁ……。その願いを叶えたい気持ちは山々なんだけど、簡単には思い付かないな……」
「たすくって、やっぱりハーレムエンドが好きなの? 登場キャラ全員、幸せにできるから」
「ああ、好きだよ。ハーレムエンドがない恋愛シミュレーションゲームは、やりたくないぐらいに。と言っても、ほとんどやったことないんだけど」
「でも、現実の女の子は、ハーレムに入りたいとは思わないでしょ。財産の取り分が減るわけだし」
「そこは、『愛の取り分』って言ってほしかったけど……実際にそんなこと二の次なのは、知ってた。男は理想、女は現実だもんな。
まぁ、説得するしかないんじゃないか? みんなと一緒の方が楽しいよって。子育てや教育も、知識が共有できて効率的かもよって。
あんまり詳しく考えたことないから、間違ってるかもしれないけど。現実で、そんな状況になるとは考えもしなかったから」
「まぁ、スキルとか普通ないからね。経済的にどうにでもなるなら、女の子側も受け入れやすいとは思う。
でも、女の敵は女だからね。派閥作ったり、足の引っ張り合いなんて当たり前。それこそ、陰湿ないじめも起きるだろうね」
「一般的な女なら、な。おせっかいパーティーの女の子達は、どう考えても一般的、平均的じゃないだろ? ハッキリ言って、外れ値だよ。もちろん、みかも」
「いや、私は普通の感覚持ってるよ。じゃないと、いろんなことに一般人視点で口出しできないし」
「『私はどこにでもいる普通の女の子』と自己紹介する主人公の作品に対して、『言うほど、どこにでもいるか?』と思うのと同じことなんだよなぁ。
持ってる感覚はそうかもしれないけど、それも一般的な人と共通する部分があるってだけで。
当事者意識のことで、みかが俺に言ったことと似たような構図じゃないか? できている部分とできていない部分があるって話」
「……。今日はこのぐらいにしておいてやるか……」
「いじめ男キャラが退散する時みたいなセリフだ……。
そう言えば、みかって男の思考を持ってるよな。オチも作るし。だから、男には好かれるんじゃないか? サーズもビルも、みかのことを気に入ってる。もちろん、俺も好きだよ」
「……。男に好かれても、別に良いことだけじゃないんだよ。私がいじめられたキッカケが、それだったから。
私は私立高校だったけど、学年全体でも人気がある、クラスの見た目クールイケメン系陽キャ男子に告白されて、でもその人のことが好きな女子と当時友達だったから、『あなたのこと、ちゃんと愛してくれる人が近くにいると思うから、そういう子に気が付いて、付き合ってあげてほしい。その方が楽しい高校生活を送れるよ。私は別にやりたいことがあって、それを何よりも優先するから』って断ったら、いつの間にか私がその女子の名前を出して、好きな人をバラしたってことになってて、いじめが始まったんだよね。
『どうしてくれるの!』って、その告白男子に詰め寄ったら、ソイツは男友達に告白結果を共有して、そこから推測されて女子友達にバレたんだろうって答えた。
ちなみに、告白男子はその女子のことが嫌いだったらしい。理由は、顔はそこそこだったけど、他の女子への嫉妬心が丸出しだったからって。
『でも、あなたの責任なんだから、何とかしてよ!』って言ったら、『じゃあ、俺と付き合えよ』とか、ふざけたこと言ってきたから、『はぁ? 良かった、最低のクズと付き合わなくて!』って言い放って、その場を後にした。
その男友達、男子グループで、ソイツらもそれを機に私に近づいてきたけど、当然信用できないから全員突っぱねた。
女子の方は、その男子グループ全体から私が好かれていて、よく話してたから、それを利用して女子グループごと近づき、友達のフリをしてたって言ってた。
ちなみに、その女子グループの何人かは、男子グループの何人かに告白したけど、全員フラれた。
『ざまぁ!』と思ったけど、それも私のせいにされた。
全員フった男子グループがいじめに参加してこなかったのは幸いだけど、それは他クラスの女子達と付き合い始めて、クラス内に興味がなかったからなんだよね。外面だけは良かった連中だから。
女子グループは本性を現して以降、明らかに全員クズ行動だったから、それから誰とも付き合えなくて、興味が移らなかった。
もちろん、誰も助けてくれずに、教師でさえ見て見ぬふり。それはそうだよね。
義務教育でもないし、こっちの世界では成人してるような年齢の人間が、向こうではバカみたいにいじめという名の悪事、れっきとした犯罪を働いていて、それを何もしないで受け入れているなんて呆れるから。サーズさんの言葉を借りれば、全員『本物のバカ』だよ。私も含めて。
今の私なら、そんな状況でも跳ね返せるとは思う。でも当時の私は、自分と『邪悪』な他人の負の感情で押し潰されてしまった。
今のおせっかいパーティーなら、そんな状況には絶対にならない。だって、みんなこんなに、怒りを滲ませて、目を潤ませて、手を握ってくれて、私の話を真剣に聞いてくれる、『純粋』で大好きな女の子達だから……」
左横で聞いていたセレナが、私を優しく抱き締めると同時に、ラピスもプレアも抱き付いてきた。
三人は何も言わなかった。私の目から、いつの間にか涙が溢れていることも……。
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