第四十五話……ブラックホール!
それから私達は、休憩を挟みながら、長時間かけて王家持続方針の草案をまとめ、社会適合テストの問題を作成。
サーズさんへの最終確認も含め、全ての作業を終えたのが、深夜の二十五時。
そして、次の日、って言うか今日だけど、朝起きたら一度みんなで解いてみようと試験の運用試験をすることを決め、もう寝ようということになった。
「いや、ブラックすぎでしょ! 高校生をこんな時間まで働かせて! しかも、しれっとモンスター用の問題も作って! ラピスはモンスターだから眠くならないって言うけど、子どもだよ⁉️ 女の子の肌も荒れちゃうよ!」
「『高校生』が何なのかは知らないし、みかは、こっちでは成人だから、その指摘は当たらない。
モンスター用の問題作成については、効率も含め、総合的に判断した結果。
ラピスについては、私も非常に心苦しいが、モンスターであり、すでに虎の姿になっていることから、同様にご指摘には当たらないと考えている。
また、男女、雌雄の違いで、職務を区別することもないので、スキンケアについては個人で対処してもらう他ない」
「文字通り、官僚答弁か! こっちは簡潔で分かりやすいけども!」
「陛下からの辞令は、その場で就任だから、もう官僚ではないんだな、これが。そもそも前門兵だし」
「いや、知らないし! うざ!」
「日本の官僚も頑張ってる人は、いるんだよ。明朝までに答弁書を作成しろと無茶振りされて。それを体験できたのは良いことじゃないか。無闇に官僚叩きをしなくて済む。
もちろん、結果を出してもらわないと税金の無駄だから、さらに残業代も税金の無駄になるんだけど」
「当然、そこも改革して行く。無駄が多すぎるからな。ただでさえ、税金を貪るゴミどもがいたのに。誰とは言わないが」
「あ、不敬だ!」
「ん? 不敬と思う方が不敬だぞ」
「私は国民じゃないから、その指摘は当たらない。それに、不敬と思う方が不敬と思う方が不敬だし」
「なんだその深夜残業をした時にウトウトして、いつの間にか同じことを書いていた時のような言い回しは。
みかは、官僚が向いてそうだな。ここにいる間、仕事をしてもらうか。国民じゃないから、給与は支払わなくていいな?」
「やっぱり、ブラックじゃん! ブラックホールじゃん!」
「ブラックホール?」
「そう言えば、洞窟で『ベンタブラック』みたいな人工物があるか確認するのを忘れてたな。世界一黒い物質みたいなヤツ。今は世界一じゃないけど」
「色々あるんだな。本当に面白いな、異世界は。
さて、いい加減寝よう。私は城に泊まる。たすく達は、是非とも国賓用の部屋を使ってくれ。ベッドは丁度買い替えを待っていて二つしかないが十分大きいし、プレアもドラゴンの姿に戻れるぐらい天井が高く、広いはずだから」
そして、ビルさんに案内された部屋は本当に広くて豪華で、これまでの仕事のストレスが嘘のように吹き飛んだ。しょうがない、許してやるか。
たすくには、現金なヤツとツッコまれたが、無視して寝た。
昨日に負けず劣らずの、激しく感情が揺さぶられた長い長い一日だったから。
それは、今まで『負』にしか振り切れていなかった日々とは違い、私にとっては心電図のように、生きていると実感できる大きい波だった。
たすくの『正』に引っ張られているからだろう。
この先もそうであってほしい。いや、そうしよう。
もし、たすくが『負』に落ちたら、私が『掬い出す』ように蹴り上げてあげればいいのだから。
今、セレナの寝相で、私のおしりが蹴飛ばされたように……。
「面白かった!」「つまらん……」
「続きが気になる!」「次回作に期待!」
「おせっかいすぎ!」「言うほどおせっかいか?」
と思った方は、以下の「☆☆☆☆☆」から、応援をお願いします!
星一つであっても、皆さんの反応が大変励みになります。
星五つであれば、なおのこと!
ブックマークもよろしくお願いします!
最後に、本話をお読みいただき、ありがとうございました!
Xアカウント @tachizawalude




