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異世界<おせっかい>人情ラプソディ~いや、『おせっかいスキル』で無双って何⁉️~  作者: 立沢るうど


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第四話……いきなり戦闘開始⁉️

「あら、お二方。ご無沙汰ですわね。それに、私達を見かけても、逃げずに歓迎してくれるなんて。それとも、恐怖で足が動かなかったのかしら?」


 私達は異世界転生をしたはずだが、相手が話している言葉は日本語のようだ。それとも、自動翻訳でもされているのだろうか。

 どうやら、相手は『元の私達』を知っているらしい。


「そして、その青い虎……。伝説のモンスターと言われていましたが、あなた達ごときに手懐けられるようでは、ただ色が珍しいだけの低レベルモンスターだったというわけですか。

 『無能』のあなた達が、どうやって『使役』スキルを手に入れたのかは分かりませんが、この際、どうでもいいことです。

 あなた達は、ここで死ぬのですから! あーはっはっはっは!」


 その口調から、よく喋るお嬢様系の女が、よく笑っているようだが、私にはグロい化物が、顔にある多数の口をパクパクさせているようにしか見えない。

 その様子に、私は気分が悪くなり、たすくの後ろに隠れた。


「ご、ごめん……。近くでよく見たら、今喋ったアイツの見た目、キモすぎ……。吐きそうになったから、しばらくこのままでいさせて」

「な、なんですってぇ!」


「あ、聞こえちゃった? って言うか、私の言葉、通じるんだ。通じないと思ってた。ごめんね!」

「なっ……! 元使用人風情の無能『世捨て人』が、この私を愚弄するなんてっ……! 絶対に許しませんわ!」

「待てよ! 人殺しをしようとしているお前が、どうして人のことを世捨て人だなんて言えるんだよ! ついでに、そこの剣士はどう思ってるんだよ!」


「はぁ? 自ら禁忌を犯したにもかかわらず、開き直ってお父様に楯突き、それが実現できないとなると王位継承権を捨て、城を捨て、勇者になろうとしたものの、相応の『スキル』がなくて認定されず、ついには『セントラル』以外で『勇者』を自称、『勇者管理法』の重罪人となったバカで無能なあなたが世捨て人じゃなくて何なのですか? あなたにだけは言われたくありませんわねぇ!」

「う……そうだったのか……」

「ちょっと! なに怯んでるの!」


「私は……『勇者管理法』と『勇者管理組合』の名の下に、罪人に対して刑を執行するだけです」

「ま、待て! 勇者を自称しただけで殺される法律の方がおかしい!」


「何を愚かな……。本当に呆れますわね。仮におかしかったとしても、法律に従うことが国民の義務でしょう? 逆に、あなたの世迷言が正しかったとして、その法律を変えたければ、相応の手続きを行い、それで足りなければ、地位と権力を得るのが筋というもの。

 あなたは、それらを全て持っていたのですよ? むしろ、それらを超越した王族の地位を。しかし、短絡的に全て投げ捨てた。あなたがバカでなかったら、この世にバカは存在しませんわ」

「その通りだ……。なんでそんなことをしたんだ……」

「ちょっと! 気持ちは分かるけど! 今のところ相手の言い分が完全に正しいけど! このままじゃ殺されちゃうよ!」


「全く……あなたらしい精神分裂病ですこと。その場その場で、独りよがりの、思い付きの言動や行動しかしないのでは、誰もあなたに付いて行きませんし、むしろ邪魔でさえありますわ。現に、城の全員がそう思っていましたから。『余計なことをするな』『無能な働き者』『おせっかい王女』とね。

 いい加減、誰もがうんざりだったのです。あなたの存在には」

「…………。なるほど、分かったぞ。それは半分正しいことを言っているようだが、半分間違っているな。今の話は方便に過ぎない。本当は、よくある継承権の問題だ。

 バカなら、それこそ放置しておけば、半自動的に継承権は転がり込んでくるはずだ。バカを担ぎ上げる勢力が余程有能か、あるいはバカが偶然にも真を突いてしまったか。

 いずれにしても、邪魔で都合が悪いから消したいだけ。そうなるように仕向けたんだろ?」


 その時、チラッと見えた異形の化物が、さらに変形して、顔にあった多数の口が大きく開き、唾液に塗れた歯茎と共に、その鋭い歯を剥き出しにした。


「…………」

「だとしたら、差し迫った問題は、冤罪を晴らせる仕組みや、王女追放計画を立案して教唆した犯人の立件だ。城に行って、それを訴えればいいってことだな? これで殺す理由はなくなっただろ。

 さっき言った『禁忌』については、不問になっているはずだ。そうでなければ、城を出るまで自由にさせているはずはないからな」


 女の化物は黙ったままだが、両腕両脚の外側から鋭い刃物が飛び出ており、すでに臨戦態勢に入っている。

 念のため、私はたすくに耳打ちした。


「たすくにはどう見えているか分からないけど、もしかしたらその女、手足に刃物を仕込んでるかも」

「今はただ立って、少し震えているだけだな。分かった、注意する。ラピスも聞こえたか?」

「うん、聞こえたよ」

「よし、もう少し話しをさせてくれ。それで、そこの剣士! 君は、この話を聞いてどう思う? よかったら協力してくれないか? 君のような強い剣士が側にいると心強い。

 もし、その『勇者管理組合』に話を通す必要があるなら、みんなで一緒に行こう! ここまでの往復を無駄にしないためにも、君への評価に繋がるように上司も説得するから!」


 剣士は、キョトンとした表情でこちらを見ていた。たすくがどうしてそんなことを言ったのか分からないという感じだ。

 その少し高めの声でも察したが、改めてよく見ると、やはり女剣士だった。

 赤毛のショートカットで、クールな顔立ちから、遠くからは男と間違えても不思議ではないが、美少女剣士と言っても過言ではない。


「そ、それは……」

「何を言っているの! 余計なお世話です!

 そして、あなたは私の命令に従っていればいいの! 余計なことは考えなくていいの!

 そもそも、この者達は『勇者』を名乗った! その時点で、話を聞く必要なんてないのよ! 新人二年目とは言え、組合の人間なら、そんなことぐらい分かってるでしょ! 仕事をしなさい、仕事を!」

「いや、今まで話を聞いてたのはアンタじゃん!」

「……。あなたは本当に私を怒らせる才能があるようですね……。

 もういいですわ。あなた達、やっておしまい! ただし、その腹立たしい女は生かしなさい! あらゆる拷問を与えて差し上げますわ!」


 『やっておしまい』って本当に言うんだ……と思ったのも束の間、女剣士が目にも留まらぬ速さで、私達に向かってきた。

「面白かった!」「つまらん……」

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最後に、本話をお読みいただき、ありがとうございました!


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