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異世界<おせっかい>人情ラプソディ~いや、『おせっかいスキル』で無双って何⁉️~  作者: 立沢るうど


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第三十八話……短絡スキル⁉️

「あ……あ……」

「みか! くそっ……! おい、お前! それ以上近づくな!」

「で、殿下⁉️ 妹ですよ⁉️ 兄達とは違い、我が国を憂う子です!」

「サーズ殿下、妹君に剣を向けることをお許しください。みかさんが彼女に対して、第一王子方を遥かに超える悪党と判断しました。

 私達の定義で言うと、『邪道』を超えた『外道』ランクです」

「あ、あの……私が何か……?」

「ス、スキル……スキル持ってる! ヤバイよ! 止めて!」


 私が必死の思いで、化物に指を差しながら声を絞り出すと、目の端からとんでもないスピードで何かが飛んできた。

 そして、私に当たるすぐ直前でそれは弾き落とされた。


「たすく……」

「今のは何だ……? 見えない何かが当たったような……」

「……。あら……?」


 それから、何度も私に向かって飛んでくる『ソレ』を、たすくはおせっかいスキルで跳ね返してくれた。


「どうして……。まさか……」

「みかさん、水を……」


 視線を化物フォーリエから外さないまま、セレナが私に水筒を渡してくれた。

 うがいしてからごくごくと喉を潤した私は、ようやく落ち着くことができた。


「セレナ、ありがとう。アイツ、ヤバイよ。『短絡』スキルを持ってる。多分、欲望とか色々なものを短絡させて、人を操ることもできると思う。

 飛んできてるのは、糸を通した針みたいなもの。これも多分、私以外に見ることも触れることもできない」

「なるほどな。イメージだけど、その針も糸も、電気伝導率が高い銀かもな。第一王子も第二王子もコイツの被害者か」

「お、お待ちください! では、なぜ私は無事なのですか! 私は彼女と何度も会っています! 忙しい日々だったので、兄達より多くはありませんが……」

「いや、無事じゃないよ。ビルさんがベタ褒めするほど優秀な事務次官が、部下のロマリを『短絡的に』信じてただろ? それに、アイツのことも信じてる。本当に賢くて憂国の士なら、第一声で『サーズお兄様』なんて言うかな? わざわざ身分を隠してきた王子に対してさ。そう見せたいだけだよ。

 実際は相当焦ってたんだ。これまで評価を順調にお膳立てしてきた『愛するロマリ』がなぜか捕まっていて、その上司である兄が連行している。

 ロマリに比べれば、兄の正体なんてどうでもいいから、嫌がらせしつつ引き留めた。

 引き留めさえすれば、自分のスキルで全員操って、どうにでもなる。スキル自体は、射程があって効果も限られていて万能じゃないけど、工夫をすれば万能に近くなるんだろうな。そういう所は賢いかもな。だが、多数の実験と犠牲の上におそらく成り立っているものだ。

 初めにみかを狙ったのは、何となく嫌な予感がしたんだろう。自分を見た瞬間に吐くのは、スキル持ちの可能性が高いかもって。それは当たってるよ。

 でも、残念ながら俺もそうなんだよな。じゃないと、誰がコイツらを大人しく連行できるんだよ。そこも考慮すべきだったな。まぁ、たとえ俺に攻撃しても全て弾き返すんだけど。

 結論としては、もっと相手を油断させて可能な限り近づいてから、スキルを使うべきだったな。思慮の浅さと慢心が原因の失敗だ」

「あ……ありえ……ありえない……。私とロマリの……邪魔を……しないでぇぇっ!」


 化物フォーリエの叫びと同時に、無数の針と糸が彼女から放出された。

 しかし、それも束の間、無数の針と糸は一瞬で消え去った。

 お付きの魔法をキャンセルさせた時のように、たすくがスキルも無効化させたのだろう。


「あっはっはっは! 力がみなぎっているのが分かるわ! これが愛の力なのね! この場の全員で、あなた達を殺してあげる!」

「ああ、自分でも見えないんだよな。スキルアップって言うのかな……したみたいだけど、もう全部消し飛ばしたぞ。

 俺にも見えないけど、消し飛ばしたっぽい感触はあるんだよ」


「……は?」

「それに、情報が古いんだよなぁ。全員で襲いかかってきても、一人いれば無力化できるって、さっき話したばかりだし、お兄様達がそんなこと、とっくの前に命令してるんだよ。

 なぜ俺達に誰も向かって来ていないか、冷静に考えれば分かると思うぞ」

「たすくも、人をイラつかせる煽りの才能あるよね。あ、そうだ。ごめん。この吐瀉物、臭いから早く片付けたいんだけど、どうすればいいかな? これあると落ち着いて話せないでしょ? 私にもかかっちゃったから何とかしたいんだけど」

「とりあえず、空気を閉じ込めつつ、その中で表面を水洗いして、そのまま水に包めば良さそうだな。この水魔法の扱いは、かなり難しそうだ」

「お、わしの出番がやっと来たようじゃのぉ。実は、あの時黙っていたのじゃが、わしは水魔法が得意なんじゃ。どれ」


 プレアが水魔法を使うと、そこそこ大きい水の塊が汚れた床を覆い、その中でいくつかの渦が巻き起こった。

 水の上表面付近には、渦の両端が達していないようで、そこを壁にして匂いを閉じ込めているのだろう。私にも新しい水の塊が近づいてきて、同様に濯いでくれた。

 そのドサクサに紛れて、化物から針が飛んでくるが、変わらずたすくが弾き返してくれている。

 最終的には、水の塊が合体し、広間の窓を突き破って城外に投棄された。

 最後は雑だったものの、たすくとの共同作業かと思いきや、プレア一人で全て片付けてしまった。


「あそこの窓、修繕するのに結構費用がかかるんですよねぇ……」

「あ、ごめん……。プラチナ鉱石の価値から天引きしておいてくれると助かる」

「……。お、お兄様……? これは何かの間違いですよね? お兄様は私の味方ですよね?」


「この期に及んで、まだ私に……いや、俺にすがるのか、フォーリエ。お前の行いが、どれだけの国民を、国益を無惨に失わせたか、分かっていないようだな」

「そんなこと、どうだっていいじゃないですか! 私達が幸せに暮らせれば! その邪魔者達を早く処刑して、元の生活に戻りましょう? ロマリがいれば、全て上手く行きますから。そうでしょう?」

「すごいな。まだ王子にスキルを使おうとしてるぞ」

「うわぁ……」


「お前が俺に会いに来ていた理由が分かったよ。ロマリを認めさせるだけじゃない。ロマリの評価を、ビルの評価に上書きするために来ていたんだな」

「何をおっしゃっているのですか。ロマリに比べれば、あの男は優秀などではありません。それこそ、バカで愚かな男でしょう? だから、お兄様を裏切った上に、左遷されたのです」


「……。そうだな。アイツはお前の言う通り、バカで愚かな男だよ」

「ああ、お兄様。そうです、そうなんです! あんなおせっかいな男が城内にいたら、邪魔で邪魔で仕方がないでしょう? みんな腹立たしく思って、この国がダメになってしまいます。何が国防ですか」


「そうだ……。アイツを見てると、本当に腹立たしく思うよ」

「ふふふ、ですよねっ!」

「ちょっと、たすく。これ、本当に大丈夫なの?」

「……」


「アイツは……ビルは、俺と一緒にいくつもの政策を議論し、それらを共にまとめてきた。これで、サウズ地方がもっと良くなる。悪しき法律や体制から脱却することで、輝かしく新しい未来がすぐそこに……。そんなところまで来ていたんだ。

 しかし、ビルはそれを自分が考えた政策として、中央政府に提出した」

「本当に酷いですよねぇ」

「そうだったんだ……。ビルさんに騙された……」

「……」


「その結果、そもそもの政策の内容が中央政府の怒りを買い、左遷された。

 その際、ビルは『サルディア・サザリ財務主査に、事前にお伺いを立てたところ、同様の指摘を受け、それらを総合的に改善した政策案について、財務省側ですぐに提出できる準備が整っていると聞きました』と言って、実質のところ、俺に無茶を振った」

「もう酷すぎて、お兄様には優秀な補佐を付けて、守ってもらうしかありませんよね」

「うんうん、そうだよね」

「みか……」

「いや、これは短絡的に考えたらどうなるか試してるだけだから……」

「それ、必要ある?」

「面白かった!」「つまらん……」

「続きが気になる!」「次回作に期待!」

「おせっかいすぎ!」「言うほどおせっかいか?」


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最後に、本話をお読みいただき、ありがとうございました!


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