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異世界<おせっかい>人情ラプソディ~いや、『おせっかいスキル』で無双って何⁉️~  作者: 立沢るうど


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第三十二話……異世界無双⁉️

 たすくが『ソレ』をパシッと受け取ると、何が飛んできたか、その場の全員が理解できた。


「できた……。確かにプラチナだ。すごいな。この状態ですでに高純度じゃないか? ちょっと見つけづらい所に生えてたけど」

「いや、すごいのはたすくでしょ!」

「空いた口が塞がらないとはこのことでしょうね……。私は今、ものすごい瞬間に立ち会っていますよ……」

「お、おいぃぃぃぃぃ! ものの数秒とか、やりすぎじゃ! お主一人おれば済むようなことをするでない!」

「あははは! たすくお兄ちゃんは、世界最強だ!」

「そうだよね……。誰でも簡単に暗殺できちゃう……。異世界無双だよ……。いや、『おせっかいスキル』で無双って何⁉️」


「こっちが聞きたいよ……。とりあえず、神様にはさらに感謝することにしよう。

 神様、ありがとうございます! ちなみに、暗殺は絶対にしません!」

「具体的にはどうやったの?」


「プレアの焚いている火が発する光と、それが洞窟の壁で反射した先を奥まで辿った。光の速さだからすぐだよ。

 最奥には、光り輝く綺麗な壁があったから、鉱石の探索には困らなかったな。俺の目まで、その光を持って来たから。

 そのあとは、最初に辿った光跡を記憶していたから、それぞれの反射角を円滑化して自動的に戻す。そのままだと火にぶつかるから、最後は調整した。もちろん、衝撃も吸収して」

「うわぁ……。ちゃんと理論っぽいところがキモい」

「その光り輝く壁は、『魔壁』ですね。そこからモンスターが出てきます」

「え? 私は、そこからは出てないよ? 覚えてないから、多分だけど」

「わしは出たぞ」

「とすると、ラピスちゃんに関しては、私の仮説ですが、泉が魔壁の役割を担っている可能性はありますね。それも大発見です。もしかすると、どこかで繋がっているのかもしれませんね」


「なるほどな。泉に入った人間も何かに影響するかもしれないか。流石に、ここで答えは出ないけど」

「プレアの服も何とかできそう。って言うか、光をコントロールできるなら、透明状態になって、そのまま誰にも気付かれずに外に出られるんじゃない? 浮けば足音もしないし」


「みかって、案外色々思い付くよな。プログラム化すればできるか……? 向かって来た光を屈折させて、物体の裏側に元の入射角で通し、反射光を同じように逆ベクトルで通せば……」

「あっ……! たすくのお腹が……そこから広がって透明になっていってる!」

「す、すごいです……。どの角度から見ても透明ですよ!」

「たすくお兄ちゃん、私にもやって!」

「わ、わしも!」


 そして、全員が透明化して、一見すると誰がどこにいるのか全く分からなくなった。

 私の本質スキルであれば、透明化しても見えるのではないかと思っていたが、そうではなかったことも意外だ。

 光の反射がどうと言うよりも、私のスキルより、たすくのスキルの方が格上ということなのだろう。


「今更なんだけど、服を買う時やプレアはこれでいいとして、洞窟をみんなで出る時は普通に出た方が良くないか? 結局、あとで誤魔化すことになるわけだし、最初に説明して後腐れない方が良いというか……」

「そうだね。でも、服を待たずに一度に出られるから効率良くなったでしょ」

「そうじゃな。問題はわしの裸だからのぉ。わしが人間の姿で透明化すれば、今すぐにでも出て行けるのか。よく考えおる。やるのぉ」

「では、先程考えた説明を変更して、単に私がシルバードラゴンを追い払ったことにしましょうか。嘘をつかないようにするなら、少し言い方を変えましょう。

 ちなみに、討伐したら『魔石』を確認されるので、一体もモンスターを討伐していない現状では、それは言えません。

 まぁ、討伐については、言っても信じてもらえない可能性の方が高いですが。私が勇者管理組合だとしても、例の不確定報告事件のせいで」


「そうか。モンスターを倒した時に出てくる魔石が全モンスター共通だから、そういうことが起きるのか。

 逆に、神様はどうしてそういう設定にしたんだろうな」

「人の邪悪さを顕在化させ、その解決手段を提供できる人間が出てくることを期待したから、とか?」

「私もみかさんと同じ考えです。さらに言うなら、それでも解決できないことを、たすく様に託したのではないでしょうか。

 お二人の事故は突発的であったにしろ、たすく様の性格であれば、この世界で力を得ても得なくとも、問題の解決に動くことは自明ですから」


「それが正しいとすれば、文字通り、『使命』『天命』ということになるな……」

「そこは気負わず行こうよ。失礼だけど、神様も助ける対象と思えばいいだけなんだから。あるいは、単に世界を対象にするとか。身近な存在かどうかは分からないけど」


「そうだな。よし、プレアの服を買って、そのまま中央政府に行こう!」

「でも、いいの? その間に、新たな勇者管理組合支部がサザエ村に向かっちゃうかもよ? ビルさんに言っておけば良かったね。と言っても、止める権利も私達に連絡する手段もないから、どうしようもできないか……」


「おいおい。さっき視力の話を思い付いた人物とは思えない発言だなぁ。ちょっと待ってろよぉ……。

 ビルさん、聞こえる? まだ一人なら応答してくれないか?」

「もしかして、音波を維持して……!」

「は、はい! 聞こえます! まだ一人です! まさか、これもあなたのスキルなのですか⁉️」

「うわ、私達にも聞こえる!」


「そうだよ。シルバードラゴンの件は解決した。そこで紹介したい人もできた」

「もしかして、あの女の子のように、シルバードラゴンも人間に……?」


「やっぱり気付いていたか。流石だよ。あの時、黙っていてくれてありがとう。そこで、もう一つお願いがあるんだけど、いいかな? 

 可能性はほとんどないんだけど、万が一、勇者管理組合支部を名乗る、いかにも悪そうな連中が、南門を抜けてサザエ村に向かうことがあったら、教えてくれないか? もう知ってるかもしれないけど、スキル持ちを違法な手段で集めてるような奴らなんだよ」

「はい、存じております。昨日の五人とは別に、ということですね。承知しました」


「話が早くて助かるよ。この回線は、俺の状態によっては繋がらないこともあるから、その場合は定期的に試みてほしい。まぁ、三十分間隔ぐらいでいいかな。シフト制だろうけど、非番の時は気にしなくていいよ。

 あとは、普段の会話が筒抜けにならないようにもした方が良いか。南門を媒体にするかな。

 周りに人がいて、ビルさんから話しかける時は、南門のビルさん側の石壁……そこのちょっと欠けた石の所に向かって小声で話してくれ。そうすれば、壁に向かって独り言を呟いているように見える。怪しい人には思われるだろうけど」

「欠けた石……ここ……ですかね?」


「そうそう、そこそこ」

「これは……『以前のあなた』が付けた傷ですね……。突然の頭痛に襲われて、壁に付いた左手のものすごい力で、角を握り潰した……」


「え⁉️ そ、そうだったのか……」

「頭痛はすぐに収まりましたが、その時は何と言いましょうか……恐ろしさと言いますか、鬼気迫ると言いますか、そんな印象を受けました。

 それよりもずっと前に拝見した時、いえ、それどころか、ほんの少し前からでさえ想像が付かないほどの……」


「……。俺達が思っている以上に、深刻な状況があったのか? 考えられるとすれば……いや、今はそれどころじゃないな。考えても意味はない。

 ありがとう、ビルさん。そういうことで頼むよ。また会いに行くから。俺達はこれからサウズ中央政府に行く。手土産にプラチナ鉱石も用意した」

「なんと……。でしたら、彼を……『サルディア・サザリ』を是非お訪ねください。私よりも遥かに優秀で、サウズ地方で最も信頼できる男です。

 彼は全くのゼロから財務事務次官の地位まで登り詰めました。『洞窟経済』の専門家でもあり、現在は洞窟攻略と冒険者育成計画の立案を指揮しています。

 なぜ今更『立案』なのかと疑問に思うかもしれませんが、内部で様々な妨害工作に遭っているからです。しかし、その実態はもっと先に進んでいます。進んでいないように見せる『逆ハッタリ』で、味方という名の敵を騙しているというわけです。

 プラチナ鉱石を入手したとあれば、必ずやそれを多大な功績として周囲に認めさせ、さらなる高みへ登ることでしょう。そうすれば……そうすれば、サウズは絶対に変わります!

 城の正門兵には、『サルディア・サザリ財務事務次官に冒険者のヒアリングで呼ばれた』とお伝えください。本当に冒険者かと聞かれても、『冒険者になろうか迷っているだけなのに、なぜか呼ばれた』と言えば、問題ありません」


 ビルさんは、自身の気持ちの高まりを抑えられないかのように、時折声を震わせ、熱く語った。


「何から何までありがとう! 本当に助かるよ」

「いえ、助けられたのは私です。情けない話ではありますが、あなた方が我が国の希望であることを確信しました。

 眩い光で私を目覚めさせてくれたのです。微力ながら、あなた方と志を共にすることをお許しください」

「ああ! もちろんだ! それじゃあ、また!」


 たすくが興奮を抑えるように、深く一息ついた。


「良い話ができて良かったね。でも、事務次官からさらに昇進できるの? その上って、政府幹部とか大臣クラスでしょ? 日本の場合は政治家だけど、こっちなら貴族とかで占められてるんじゃない? イメージだけど」

「普通はそうですね。サウズ中央政府特有の何かがあるのでしょうか。少なくとも、私は知りません」

「まぁ、行ってみて、聞いてみたら分かるだろ。とにかく行こう!」


 それから私達は洞窟を出た。

 そして、セレナの説明により、周りにいた人達は納得して、数人の監視役を除き、解散することになった。

 勇者管理組合の名前を使えたのが大きかった印象だ。実力が担保されているから、また同じようなことが起きても安心できるのだろう。

「面白かった!」「つまらん……」

「続きが気になる!」「次回作に期待!」

「おせっかいすぎ!」「言うほどおせっかいか?」


と思った方は、以下の「☆☆☆☆☆」から、応援をお願いします!


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星五つであれば、なおのこと!


ブックマークもよろしくお願いします!



最後に、本話をお読みいただき、ありがとうございました!


Xアカウント @tachizawalude

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