第百二十話……悪魔化防止議論!
サーズさん達が作成した法律と政策を一通り読み終えた私達は、次にたすくの悪魔化を食い止めるための対策を考えることにした。
また、ビルさんには『悪魔防止対策提案書』の作成に着手したことも伝えた。
「正直なところ、俺自身はどうすればいいか分からないんだけど、みんなはどうすればいいと思う?」
「まぁ、こういうのは自分だけだと認識できないこともあるからね。とりあえず、サーズさんから言われた通り、一本釣りにならないように課題を明確にしてみようよ。法律のコツを応用できそうだし」
「私が書記をやります。まず、『たすく様が悪魔化したら世界が滅びそう』から始めてみますか」
「そういう手順なら、俺も客観視できそうだ。悪魔化しても世界や人々が傷付かなければ、そこまで問題ではないかな。当然、悪魔化を防ぐアプローチもある」
「悪魔化しても自我を保てればね。そうじゃなかったら、私達にとっては問題だから」
「そうですよ。たすく様である必要はありますから。いくら自分はどうなってもいいと言っても」
「分かった、ごめん。じゃあ、それも問題にするとして、自我を保てるかどうかは不確定要素すぎるから後回し、素直に『悪魔化してしまうこと』をメインの課題に設定するか」
「そもそも、なぜ一瞬でも悪魔になるのか。現象だけなら、たすくが世界の闇に触れた時に起こるとは分かってるんだけどね」
「私は、ビルさんが『以前のあなたがものすごい力で角を握り潰した』と言っていた時に、たすく様が考えていたことが気になります」
「ああ。実はセントラルの禁忌が同性愛のことじゃなくて、悪魔召喚に関することなんじゃないかって思ったんだよ。
そのキッカケが同性愛だったかもしれないけど、マリッサが解決困難な課題に直面して、悪魔に頼ってしまった。表面上は失敗したように見えているから、誰も問題視しなかったけど、実は部分的には成功していて、マリッサの中で燻るようになったとか」
「そう考えるのもおかしくはないね。じゃあ、セントラルでそれを調査すれば、本質的な課題解決に結び付くかもしれないんだ」
「可能性は高いですね。とは言え、『道中で』悪魔化してしまうことはあるわけですから、そこはしっかり考えなければいけません」
「おお、やっぱり進めやすいな、コツが分かってると。課題解決法っていくつかあるんだけど、そもそも正確に実践できる人って少ないんだよな。変な課題設定になってたり、対策が的外れだったりして。会社の研修でもやったけど」
「道具と方法を与えられただけだと、試行錯誤しちゃって効率悪いからね。金槌の柄が抜けちゃうことなんて知らないし、元に戻す方法も知らないし、釘だって曲がっちゃうよ」
「留める先がボロボロになって、取り返しが付かないこともありますからね」
「もしかして、お姉ちゃん達が泉に来たことも関係あったりする? 悪魔を浄化するためとか。そういうことは言ってなかったけど」
「ラピス、鋭い意見だな。追い詰められた悲恋の入水かと思っていたけど、それだけではなかったのかもしれないな。ただ死ぬだけでは、世界が滅んでしまうと考えた可能性はある」
「ちょっと話を戻すけど、この前の妨害者いたでしょ? 多分、結構酷いことをしてきたと思うんだけど、たすくからは黒い霧が出てなかった。なんで?」
「途中で読むのを中断したからかな。あの場では、アイツらを糾弾できる十分な情報を手に入れるだけで良かった。Tくん、サーズ、ビルがなんとかしてくれるだろうと思って」
「それ自体が悪魔化の対策になってるじゃん」
「では、『人間の闇に触れてしまうこと』を大きな要因として、そこから『悪党に会ってしまうこと』、『悪党の犯罪の詳細を知ってしまうこと』を派生要因としましょうか。そうすれば、今挙がったものを対策として採用でき、『悪党にできるだけ会わないようにする』や『トラブルにできるだけ首を突っ込まないようにする』、『トラブル関係者の本質を参考にする』なども対策の一つとして挙げられます」
「おお、セレナはどこかで課題解決法の勉強でもしたのか? 要因分析もしっかりしてるし」
「なんか慣れてるよね」
「いえ、全く。初めてです」
「セレナお姉ちゃんも天才だ!」
「すごいよ、セレナちゃん。私なんか、サーズ様に教えてもらっても、中々使いこなせなかったのに」
「不器用そうなタイプに見えても、やはり仕事はとんでもなくできるんじゃのぉ。わしもセレナに教えてもらうか、夜伽について。初めてでも詳しいじゃろう」
「…………それは、ユアの方が詳しそう……あれからいろんな変態プレイしてそうだし……」
リズの勝手な憶測に、ユアさんは赤くなって下を向いてしまった。
妊婦だからこそ、変態プレイに走ったか……。
それから私達は、要因分析を十分に行い、そのそれぞれに対して十分な対策を挙げ、そのまま一日置いてから、提案書にまとめることにした。
ふとした時に、取りこぼしていた要因や対策を思い付くかもしれないからだ。
それでも私達は十分に達成感を覚え、ベッドに身を投げだしてリラックスモードに入ることができた。
恥ずかしさのあまり、涙目になったユアさんは、いつも以上にリズに『よしよし』されてもらっていたから、結果オーライだろう。
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