第百十六話……お風呂場検証!
「サーズ様は、おせっかいパーティーを信じているので、入浴してもいいとのことでした。ご公務もお忙しいようでしたし。
ですが、私への関心も愛も変わっていないことをしっかりと伝えてくださり、そして抱き締めてくださりました。そのことに嬉しくなった私は、いつも通り泣いてしまい、思わず熱いキスを何度も……」
「……。いつも通りの惚気が始まった……。じゃあ、一応目隠しを持って行って、入浴着が思いの外、透けるようなら、それをたすくに付けてもらおうか」
それからお風呂場に向かった私達は、ラピスの能力と、ついでに宝石の効果の検証の続きを始めた。
たすくの首にかかった宝石は、外してもいつの間にか戻って来るので、そのままだ。たすくから誰かにかけてあげれば問題はないが、次にその人が仮の所有者となるようで、外してもやっぱりその人の所に戻って来る。
しかし、たすくが戻って来いと念じれば、その通りになる。時間経過で真に所有権が移るかどうかは試していない。
「ピュピュッ、ピュピュピュゥーッ!」
「あ~ん! ラピスちゃん、冷た~い!」
「しかも狙いすましたかのように、そんな局所を……」
ユアさんの両胸先端と股間に、吸収した水鉄砲を飛ばすラピスをセレナが見て、妙に感心していた。
「その入浴着良いね。入浴をできるだけそのまま楽しめるように結構薄いけど、ピンク色だから目立つ所も目立たない」
「とりあえず、湯船に浸かりながら、分かったことを整理してみるか」
「あ、残念がってる!」
「残念がってない!」
ラピスの能力は、洞窟Aにあった青い鉱石の上位版と言ってもいいだろう。
従来通り、魔法を吸収し、遠隔攻撃、例えば浴槽の水を悪意を持って、ぶっかけるようなことでも吸収できる。
ちょっとしたイタズラ程度であれば、吸収はしない。だから、私達はこれまで気が付かなかったのだ。
バッドヴェノムドラゴンの時には、戦えば相手が有利だと言っていたが、毒や炎を吸収できるのであれば、全く問題にならなかったことが分かる。
ただし、少なくとも精神系スキルに関しては、吸収や無効化はできない。それは、ユアさんのスキル検証の際に確認したことだ。今考えてみると、私の本質スキルや、たすくのおせっかいスキルも当てはまるか。
吸収したものは逆に、ラピスから任意のタイミングで、吸収した分を上限として任意の量で、任意に操作して放出できる。
そして、放出せずに無に帰すこともできる。これがすごい所だろう。つまり、吸収キャラの弱点である、『限界を突破した時に破裂する』みたいなことがない。
「この宝石とは、コミュニケーション系部分に限ってもできることが違うから、競合はしてないんだよね」
「色と能力に関係があるとしたら、他にもラピスのような特別な存在がいるかもしれないな。単に赤だからと言って、RDくんがそうではないはずだし、彼はドラゴンの突然変異でもないはずだ」
「しかし、洞窟Aでは一種類一個体じゃから、突然変異かどうかも分からんのではないかのぅ。セレナが言っておった、セントラルにいた個体がこちらでは存在しなかったことは関係ないか?」
「もしかすると、あるかもしれませんね。ただ、種類そのものの話なので、突然変異ではありません。
私が知っているのは、『ブラックテンタクル』です。名こそ黒い触手と呼ばれていますが、常時透明化しているので、知らない内に体に巻き付かれていることがあるそうです。ただ、単体では殺されることはなく、単に辱められるだけなので、なんとかして捕獲できないかと躍起になったことがあるらしいのですが、無理だったそうです」
「やっぱり辱められるんだ……。でも、ある意味、人間に好意的とも捉えられるよね。人間に興味があるからこそ、そういうことをしてるんだろうし。だって、その辱めはモンスターにとって、食事でもなんでもないんだから」
「バッドヴェノムドラゴンの黒から連想して、毒は関係ないのかとも思ったが、媚薬を毒と考えるとあり得るか。人間から毒素を抽出しようとしているとか。例の毒の流通に関わっているかどうかは分からないけど。
他のモンスターと一緒に出てきたら、トリプルAというのも納得は行く。おそらく単体でもトリプルA以上だろうな。どう頑張っても捕獲できないんだから」
「おっしゃる通りです。セントラルのモンスターランク判定は、いい加減なことも多いですからね。指標と基準が足りてないんですよ。ブラックテンタクルが牙を剥いてきたら、どう責任を取るのか。まぁ、絶対に取らないんですけどね。触手の快楽に溺れて廃人になった勇者がいても、知らんぷりだったので」
「あ、やっぱりそういう人いたんだ……」
「しかも、男も廃人になってるらしいぞ。その触手には、どういう意図でそういうことをしているのか聞いてみたいな。話せるのかどうかは分からないけど、みかもラピスもいるし、この宝石もあるし、コミュニケーション手段はどうにでもなるだろ」
「廃人になるほど気持ち良いのであれば、誰が興味を持ってもおかしくないので、リズさん同様、相当貴重な存在であると言えます」
「あっ! ユアお姉ちゃんが興味を持った顔してる!」
「ラ、ラピスちゃん! そういうことは言わなくていいの!」
「…………負けられない……」
「いや、競ったら危険じゃろ……」
セントラルでの目的が一つ追加されはしたものの、サウズ首都での心配事がなくなり、いつも以上にまったりできた私達だった。
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