第百三話……半分人間!
次の日、遅めの朝食を終えた私達は、『モンスターと人間の共存社会実現方針』をサーズさんに提出した。王室には、ユアさんもいる。
「まさか、八時間で策定するとはな。深夜残業、ご苦労様。これからビルと確認して、早ければ午後にでも配布するよ」
「お疲れ様でした。皆さん、本当にすごいです」
「たすくのおかげだね。資格試験の参考資料の時みたいに、やっぱりまとめるのが上手いよ。勉強のノート作りと同じだからかな」
「社会適合テストの問題が頭に入っていたから、やりやすかったよ。人間側もその逆で考えればいいからな。あ、でも、具体的なモンスター披露イベントは考えてないぞ」
「それはビルが考えて調整するよ。と言うか、もう考えて準備に入っているはずだ。リズの存在を首都民に示唆した際にも、軽い布石を打ってある」
「おー、相変わらず話が早いねぇ」
私が感心していると、王室の扉がノックされ、噂のビルさんが入室してきた。
「おはようございます!」
「おはよう。たすく達が早速作ってくれたぞ」
「本当に期待以上ですね。仕事の進め方について、城内で講義をしてほしいほどです」
「今、モンスター披露イベントのことを話していたんだが、どんな感じだ?」
「はっ! 仮に今日中に実現方針を配布できたとすると、早くて明後日の午後に実施できるかと。流石に明日や明後日午前だと、国民の心の準備ができていませんから。
また、その際はリズの輝きがあると、スムーズに受け入れてもらえて、かつリズの披露にもなるかと思いますが、いかがでしょうか」
「リズ、協力してもらえるか?」
「…………ん……」
リズは、かわいく頷いた。
「ありがとう。では、実現方針を確認させてもらおうか。質問があれば、あとでまとめてする」
「じゃあ、俺達は洞窟Aにプレアとラピスを迎えに行こうか」
「あ、私も行きます」
それから、ユアさんと一緒に、私達は洞窟Aに向かった。
そして、魔壁前に着くと私は早速驚いた。
「え⁉️ 半分、人間の姿なんだけど! そりゃあ、尻尾とかはあるけども!」
「やはり、そうじゃったか。残りも時間の問題じゃよ」
「ただ、ここで話していたんだが、少なくとも最初は、俺達全員モンスターの姿で人間の前に出たいと思っている」
Tくんの要望に、たすくが反応した。
「俺もその方が良いと思っていたよ。サーズ達もそれを前提に動いているから大丈夫だ。人間の反応を見ておきたいんだろ? 他の洞窟で人間に変身できないモンスターを解放する時のために」
「ああ、流石だな。昨日、サーズ達が来てくれて、より安心できたんだ。もちろん、ユアも。この三人がトップにいるなら、何の心配もいらないと。
人間をあっさり信じすぎかもしれないが、それはたすく達に保証されているからいいだろ?」
「そうだね。でも、だからこそ普通の人間とのギャップには注意してね。その逆、人間がモンスターに失望することもあり得るし。
簡単に手のひらを返すんだよ、人間は。そして、みんなもその人間の思考に近づいているってことは言わずもがな」
「うん! プレアに教えてもらった! 生理的に気持ち悪いと感じる人間にいきなり会ったって! でも、まずは話し合いだよね! ラピスには、理想と現実のギャップも教えてもらったよ!」
所々スライム状のSちゃんが、かわいらしく笑顔で答えた。彼女は、予想通り小柄な美少女だった。
ちなみに、Tくんは筋肉隆々のガタイの良い兄貴風イケメン、Bくんは予想外に若く、日焼けした不良少年っぽい見た目だが、目は純粋少年のように輝いている。RDくんは、良くも悪くもフツメンだった。髪色は真っ赤だけど。
もちろん、洞窟のモンスターは全員全裸。私からすれば、ヌーディストビーチにいるような感覚だ。行ったことないけど。
しかし、これであれば、みんなの第一印象で不快感を覚える人間はいないだろう。
「プレア、ラピス、ありがとう。お疲れ様。よし! じゃあ、情報を共有しよう!」
それから私達は、モンスター達に今後の流れを説明し、城に戻った。
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