第百二話……絶望と後悔
「この際、みかのことをもう少し話しておこうと思うんだけど、いじめだけが原因じゃなかったようだな。社会と……夢にも絶望していた」
「そうだね。さっき、アナウンサーの話をしたけど、声に関する仕事を夢見ていたんだよね。声は昔から両親に褒められてたから。ナレーション、声優、歌手。でも、決めきれていなかったから、ボイストレーニングだけしてた。
だから、たすくに声や口調、トーンを褒められた時は、本当に嬉しかった。
ただ、私がまず他人に絶望した時に、さっきの話でメディアに疑いを持って、そして色々な職業について改めて調べてよく考えたら、全部私には向いてないなって思ったんだよ。憧れが先行しすぎていたってことね。
現代では多様なメディアを活用して、自分をブランディングしていくけど、言いたいことを言えない現状に私は絶対我慢できない。なぜなら、私にとってそれは死んでいるようなものだから。
演技も人を騙すこともできない。技術の問題じゃなく、信念の問題。だから、間違いなく炎上する。意図していない発言だって炎上するのに、私の差別的発言なんて以ての外だからね。
その上、代わりなんていくらでもいる。『切り捨てられないように、唯一無二の仕事をすればいい』なんて言うのは、お花畑で無責任で傲慢以外の何物でもない。
枕営業をするライバルにも簡単に仕事を奪われる。真っ当な評価なんて業界にはどこにもない。
そして、無駄なボイストレーニングをしていたなぁと後悔して、夢も未来も閉ざしたっていうわけ。今思えば、だけどね。
そういう意味では、みんなの察する能力に助けられてる。普通は嫌われるよ。甘えているとも言えるけど、それは今更だよね。
でも……だから、みんなのことが大好きなんだよ。私が私でいられる場所だから。私もみんなにとってそうでありたいと思ってる。どれだけセクハラされてもね」
「うぅ……みかさん……。何度でも言います! 私もみかさんのことが大好きです!」
「……私も……みか、大好き……」
セレナとリズが、いつものように私に抱き付いてきた。
「みか、大事なことを話してくれてありがとう。プレアとラピスにもこのことを伝えるよ。俺もみかのことが大好きなのは言うまでもないな。理想の関係、理想の場所であり続けよう。
セクハラは本当にごめん。でも、下心が一切ないから許されてるんだよな。これからもそうでありたいと思うよ」
「いや、許されてないんだけど! しかも堂々とセクハラ宣言してるんだけど!」
「では、みかさん。寝る時と同じく全部脱ぎましょうか。心も体もリズさんに癒やしてもらいましょう! でないと、仕事も手に付きませんよ!」
「……みか、脱ぎ脱ぎ……」
「じゃあ、俺も」
……。もうどうなってもいいや……。
あ、もしかして、これが本当の制約だったりして……。私の周りがセクハラ魔になるっていう……。
まぁ、いいか。みんな純粋な気持ちで、清々しく言ってくれるから。しかも、ツッコミ待ちで……。
いや、セクハラを肯定したわけじゃないんだけどね。
それから、全員全裸になって、ベッドでリズに癒やされた。
そして、仕事を始めたのは一時間後。昼食も抜きになった。
自分の首が締まっていくううぅぅ!
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