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異世界<おせっかい>人情ラプソディ~いや、『おせっかいスキル』で無双って何⁉️~  作者: 立沢るうど


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第百話……全解放の問題⁉️

「嬉しい報告をありがとう。ご苦労様、プレア。良かったな」


 各種必要なことをモンスター達に教えたあとで城に戻った私達は、早速王室でサーズさんとビルさんに結果を報告した。王室にはユアさんもいるが、リズとソファに座りながら話を聞いている。


「サーズ、ありがとう……。お主のリーダーシップのおかげじゃ!」

「それを言うなら、プレアの方だよ。見事に橋渡しをしてくれた。

 さて、ビル宰相。『モンスターと人間の共存社会実現方針』の策定を早められるか?」

「おせっかいパーティーの協力があれば、と言ったところですが……チラリ」

「もちろん協力するよ。モンスター用社会適合テストの修正は必要ないことも分かったし」


 たすくの快諾に、サーズさん、ビルさん、プレアはホッとしていた。

 ただ、私には気になる点もある。


「あのさ、ちょっと確認していい? 洞窟Bから洞窟Gまでのモンスターって、どんな種類がいて、どれぐらい生息してると推定されてるの? かなりいるでしょ? セレナが詳しいのかな? それを全部解き放ったら、とんでもないことになるよね?」

「洞窟Aよりも洞窟Bの方が種類も数も多いですが、種類は三割増ぐらい、数は二倍ぐらいですかね。そこから洞窟Eまでは、種類はそれほど変わらず、数は五割増ぐらいで増えていきます。グループを組んでいるモンスターが多くなるということでもあります。ただし、連携はしてきません。あくまで、一緒に行動しているだけですね。

 アルファベットが進むにつれて、モンスターは段々と小型化していきます。ただし、あくまで平均です。洞窟Eなら、兎ぐらいを想定しますね。

 その次の洞窟Fからは数が突然増えます。中に入ってしばらくすると、推定千匹が順番に絶えず襲ってきます。鼠や小型の蛇を想定してもらえればいいかと。復活サイクルが極端に早いのではないかと推測されていますが、本当に千匹なのかは不確定です。

 そして、洞窟Gは地獄と言われています。超小型のモンスターが占めており、種類も数も圧倒的に多く、推定五百万匹以上と言われています。あらゆる虫がうじゃうじゃいると想像してもらってかまいません。

 魔法を使っても必ず打ち漏らしてしまい、人間が入ったら最後、絶対に生きて返ってくることはできません。最凶最難関洞窟です。もちろん、出入口付近は普通に易しいです。

 ちなみに、サウズとセントラルでは、どうもモンスターの種類が微妙に異なるようで、私が知っているモンスターが、サウズの洞窟Aには存在しませんでした。これは新発見です。

 まぁ、どちらの洞窟Aも、全探索できる人間は伝説の存在になりますから、当然と言えば当然ですが」


「やっぱりそうか……。洞窟ではあえて言わなかったけどさ、新しい住処をどうするかって問題も当然あるんだけど、人間が生理的に嫌悪するモンスターは絶対いるんだよね。

 それをどこまで許容できるかを人間側で調査する必要がある。とりあえず、段階的に洞窟を解放していくってことで良いとは思うけど。例外は必要だと思う」

「私もその方が良いと思います。社会適合テストによって線引きはできると思いますが、知能の成長性は未知数ですからね。問題は、モンスター側にどう説明するべきか、ですが……」

「虫嫌いの人は絶対にいるからな。俺も苦手だけど、苦手じゃない方が稀だよな。鼠や蛇も当然当てはまる。

 そういう意味では、洞窟Aのモンスターは全然平気だったかなぁ。触手みたいなのもいなかったし。強いて挙げるとすれば、Tくんの見た目が気持ち悪いと言えば気持ち悪いかもしれない。俺はどちらかと言うと、怖いと感じるかなと思ったけど。

 それについては、正直に話すしかないんじゃないかな。『全洞窟を解放しないと俺達も洞窟外に出ない』と訴えてくるのなら、また一から話し合いになるが、彼らならそうはならないと思うし」

「私からも確認していいかな? モンスターは外でずっと寝転んでも平気、何も気にしないということでいいか? これは全般に関わってくる話だが、洞窟門の外の森をモンスターの住居に置き換えたいと思っているんだ。森が火事になった場合、南風で壁を越えた炎や火の粉による街への延焼を防ぐ目的でもある。

 その森の伐採や整地、住居建築をモンスター達でやってもらいたい。それまでの間、その森の地面が住まいとなっても問題はないかという質問だった。

 それができれば、他の洞窟の監視も対応もモンスターができる。今いる監視者を他の所に回せるんだ。洞窟Aのモンスターのオーラであれば、そもそも対応が不要かもしれない。

 また、鉱石採取時にもサポートをお願いしやすい。道中の案内や、他の洞窟での護衛、実際の採取時等。

 言わば、モンスターが洞窟管理責任者となり、モンスター達で洞窟管理組織を運営してもらいたいんだ。住居建築の完了に合わせて、壁を取り壊し、境界をなくす。これが、人間社会に溶け込む最もスムーズな方法だと思う。

 その際は、洞窟の様子と人間の反応を見ながら、解放基準を検討、私達との合意形成も行う役目を担うことになる。もちろん、全ての費用とモンスターへの賃金は国家支出だ」


 ビルさんの確認事項については、プレアもラピスも頷いた。


「おー、流石ビルさん。モンスターによるモンスターと人間のためのモンスターの組織かぁ。しかも、土木建築業界の人手不足と技術継承の問題も解決できそうじゃん。やっぱ天才だわ」

「いや、これは陛下との議論で出てきたアイデアだから、天才と言うなら陛下だよ」

「いや、これに関しては天才でも何でもない。モンスターの力をどのように効率的に活かしてもらうかを考えれば、自明だからな。

 ただ、業界がモンスターを素直に受け入れるかどうかが分からない。人手不足はともかく、技術継承もまぁ何とかなるにしても、『事業承継』問題については、『モンスターなんかに俺の仕事を継がせられるかよ!』と言われたり、あるいは『モンスターが上司なんて絶対お断りだ!』と言われたりしてしまうかもしれない。

 法律で縛ることもできるが、人手は余っていると突っぱねられて本人が死亡してしまえば、どうすることもできない。頑固者が多い業界だからな」

「それもやっぱり相手に気付いてもらうことが重要だな。『自分が何のために仕事をしているのか』。これを考えれば、自ずと答えは出るはずだ。処刑台建築の時とは違って、そういう言葉が出てくるのは、我儘でしかないってことなんだから。『我儘で仕事をしていたのか』と聞けば、その人達は絶対に否定してくるよ」


「その辺りも方針に加えようか。なんか、今日は深夜残業してもいい気がしてきた!」

「モンスターのやる気に当てられたか。良いことだ」

「何度も言うが、無理はしないように。リズがいるから安心ではあるが」

「やっぱり、頑張っている存在を見ると、こっちも頑張りたくなるよな。それでやりすぎちゃうこともあるけど」

「調子に乗ってはいけないんじゃろ? わしも肝に銘じて洞窟に行くぞ。モンスター達にも教える」

「私も行こうかな! 私も嬉しいから!」

「…………私は、たすく達を癒やすけど……応援してる……」

「プレアさんとラピスちゃんは、たすく様に送っていただいた方が良いんじゃないですか? 往復四時間弱は勿体無いですからね。それが往復一分になるんですから、その分を別の仕事に回せます」


「じゃあ、みんなで行こうか。たすくもその間、バラバラのパーティーを監視するのは面倒だろうし」

「そんなに簡単に行けるのか? それでは、自己紹介のために私も行こうかな」

「じゃあ、俺も行った方が良いな。体に負担がないなら、ユアも行くか?」

「是非!」

「了解。それじゃあ、ちょっと待ってくれ。今、Tくんに連絡するから」


 それから、Tくんと連絡を取り合い、王室にいた全員で洞窟Aの魔壁前に行った。

 ちなみに、王室の窓は破っていない。

「面白かった!」「つまらん……」

「続きが気になる!」「次回作に期待!」

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最後に、本話をお読みいただき、ありがとうございました!


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