10
粋花は先に奥の部屋に通された。
僕が部屋を通される頃には既に9割型の人が倒れていた。
みんな、死んだんだなぁ。
樋口さんは?
ただ1人平気そうに立っている人がいた。樋口だった。
僕を見つけた途端に彼はこちらに近づいてきた。
「よー、あんた、どういうつもりだ。」
「樋口さん、ごめん。」
「なにがごめんなんだよ。」
「ごめんなさい。」
「おっと、話が通じないようだな。」
「でもさ、樋口さん、他の人は倒れちゃってるのに、樋口さんだけ起きてるんだから、毒、なんとかできたんだよね?」
「いや、時間の問題だろうな。俺は毒の訓練もされてきたからな。他の人よりも耐性があるだけだよ。もう時期俺の身体にも毒が周りきるだろうなぁ。」
「そんな。」
「そんな。じゃねぇよ。」
「…」
「…」
「ごめん。樋口さん。」
僕は樋口の頭を強く殴った。
もう何も言われたくなかったのだ。
途端に彼は倒れて、動かなくなった。
そして俺も、倒れた振りをした。
…
…
いつの間にか寝てしまっていた。
起きた頃には山の中にいた。
山には死体がたくさんあり、その中に樋口もいた。
樋口は死んでいた。
「ごめん、樋口さん。あんたのおかげでここを出られるよ。俺はほんと最低だ。でもどうか、これが運命であったと割り切って欲しいんだ。ごめんな。」
と死体に一方的に話しかけた。
粋花はまだ寝ていた。
寝息があったことから死んでいる訳では無いことがわかった。
俺は粋花を担いで山を下り始めた。
これからは彼の分まで精一杯生きるのだ。
ありがとうございました
この後は文章を変更していきます。