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進軍(1)

 村へと進軍する準備を終えた直人なおとたちは今あるDP(ダンジョンポイント)を消費して創れるだけのゴブリン軍団を生成した。


「いや~それにしても……んん~―――これだけ揃うと壮観ですね~全部で二百三十体ですか~これだけいれば村ぐらいは簡単に圧し潰せそうですね!」

「そ~うまくいけばいいがな……」

「何か心配事でも?戦は数がモノを言うとも言いますし、この数がいればあまり心配することもないとは思うんですけどね~」


 直人がここまでの数を揃えているにも拘わらず心配している理由はいくつかあった。


 まず一つはステータスが貧弱すぎること、ガチャを回して出たステータスが高いゴブリンなんかも編成したはいいがやはりほとんどの兵士がステータスオール一は不安がよぎってしまう。それにこのゴブリンたちには自身の意思というものがないゴーレムであるためを逐一指示をしなければならない。


「混乱しているところを囲って数で圧し潰す以外選択肢はない、か」

「そうですね~並列意思みたいなスキルがあれば二百体ぐらい余裕で指示を出せるとは思いますが今の直人様ですと十体指示するくらいが限界ですもんね」

「ああ、だからその弱点を見抜かれないためにも短期決戦で仕留めるぞ」

「はいです!」


 総勢二百三十体あまりのゴブリンを率いて直人がまず最初に向かった場所は洞窟から一番近くのティーナ村ではなく、ティーナ村の奥に位置するレイシスとの会議には挙がってなかった村、フォルダ村と呼ばれるこの地域でも一際大きな円状の村を最初のターゲットに決定した。


「全軍に告ぐ、全軍はゴブリンチャンピオンを中心に四個小隊に分かれこの村の各入り口に移動せよ。移動後俺の指示があるまでその場で待機、人間どもに見つかるな、もし移動中に見つかった場合は即座に殺せ、以上。行動開始」


 開始の合図とともに予め指示していたゴブリンチャンピオンを中心とした各小隊に分かれ各々の配置へと移動を開始しし始めた。


「それにしてもよかったのですかね?時間も無いというのにさらに奥のフォルダ村に向かって……」

「仕方ないだろ、この村に向かう途中ティーナ村とルエベンルモ村を偵察したがあれは村と呼ぶには小さすぎるだろ」


 そう、直人たちはこの村に向かう前、事前の計画通りティーナ村とルエベンルモ村に向かっていた。村が見える付近まで来たので偵察も兼ねて確認へと向かったのだがそこにあったのは村と呼ぶには貧相な、家が二軒しか建っていない小さな村しか存在していなかった。


「見た感じでも住民は五人ほど、あれは村とは呼べんだろ」

「ほんっとおっかしい~ですよね~……私が事前に調べた時にはあれはしっかりと村と呼べる規模感だったのですが……移動しちゃったんですかね?」

「いや、俺に聞かれても知らんよ。まあ十中八九この村が原因だろうとは思うがな」


 直人はDPを消費して買った望遠鏡を覗き込みながら村の兵力を確認する。


「ですよね~この村こそ事前調査ではここまでの規模じゃなかったんですもの。それに外敵用の堀や物見やぐらなんて厄介な物もなかったですし、あんな頑丈そうな大石扉なんて存在すらして無かったですもんね、小さな町だと言われても信じちゃいますね~」

「だな~」


 どうもレイシスがこの世界に来る時に確認した情報とは大きく変わているようだ。


 そのせいでただでさえ時間も兵力も足りない現状で小さな町を攻撃しなければいけない。


「はあ……どうすっかな~……」

「やはり戦力を一か所に集中すべきじゃないでしょうか?少しくらい逃げられてしまっても一か所を最大戦力で攻める方が確実だと思うんですが……」

「……―――そうだな、東門と西門に配置された小隊に告ぐ。東門の小隊は南門の小隊と合流、西門の小隊は北門の本陣と合流しろ。集まり次第こちらの合図を待て」


 直人の号令と共に動き出す西門と東門に配置されていた小隊は迅速かつ速やかに本陣である北門と南門に移動を開始した。


「直人様、ゴブリンたちの移動のせいで木々が騒がしくなっています。このままじゃ人間たちにバレるのも時間の問題です!」

「大丈夫だ、それも作戦の内だから」

「そ、そうなんですか!?」

「ああ、と言ってもそろそろ攻撃を開始した方がいいのは確かだな。北門、南門にいる兵士に告ぐ、攻撃開始!!」

ここまで読んでくださりありがとうございます。評価の方はお任せいたしますので、よければもう一話見ていただければ幸いです。

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