冒険者レーナの厄祭
結構R18寄りのお話になっております。なるべき避けましたがご了承ください。
(ここは……どこだろう……?わたし……何してたんだっけ―――……)
頭の中は霧がかかったように何も思い出せない。視界ははっきりしているのにどこかぼやけているし手足は自分自身のものではないかのようにピクリとも動かない。
真っ白な頭で目の前に映る景色を眺めてみる。
目の前には何の変哲もない土壁、場所的には洞窟なのだろう。横からは何か聞き覚えのある声は聞こえるが誰の声なのかは思い出せない。ただ聞き心地は悪くない。
聞こえてくる声に耳を傾けてみると何か誰かと話しているようにも聞こえるが聞き覚えのある一人の声しか聞こえてはこない。
「使うことはできるのか?――――そうなのか……―――とりあえずはやっぱ存在レベルのレベル上げが優先かな……―――?さっそく?」
聞こえてきた声がレーナに近づいてくる。
「それでどうするんだ?……まあなんとなく言おうとしてることはわかるんだが……」
近づいてきた声の主がレーナの視界にハッキリと映る。
(―――ッ!!モンスター!?いやでも……変な感覚……。どうして怖いともきもいとも思わないの?むしろ―――愛おしい?)
レーナは唯一自分の意思で動かせる瞳を動かすと目の前にいるモンスターと目があった。すると体の内側から全身が火照りだし吐く息が荒くなる。
「はぁっ……んん……はぁっ……はぁっ……」
火照り続ける体を押さえたいが体がピクリとも動かない。
「……ぁ―――……」
直人が身動きの取れないレーナの頬をゆっくりと触れる。瞬間全身に電流が流れたかのように痺れ、体の火照りが更に増す。
(おかしい、おかしい―――絶対におかしい。頭ではそう理解しているはずなのに体がいうことを聞いてくれない!)
どうにかしてこの状況を脱したいレーナはなんとか腕に意識を集中させると先ほどまで石にでもなっているかのようにピクリとも動かなかった腕がするりと自分の意思で動かせるようになっていた。
(あっ……!動いた!これで―――……!)
逃げられる、レーナの思考にその選択肢しかなかった……はずだった。
「は?」
(え?)
直人とレーナ、(正確には直人だけが)二人して素っ頓狂な声を上げて惚けた顔を見せる。
それもそのはずレーナはレーナの意識とは裏腹に動いた右手を直人の左頬に当て突然くちづけを交わしたためだ。
(は?え?ちょ……!ええええぇぇぇぇ――――――!!!!)
レーナの心の中は大パニック、自身の意思とは全く関係ない行動を起こしたため訳も分からずただ叫ぶことしかできなかった。
(え、ちょ……待って!えぇ!?どゆこと!?てか私のファーストキス、モンスターとしちゃったわけ!?……でも初めてのキス、気持ちよかったな―――……じゃなくて!!)
自分自身が起こした行動に絶賛大パニック中のレーナ、それは突然前触れもなくキスされた本人、直人もまた一緒だった。
「は?嘘だろ?なんでキス……えぇ?」
わけのわからない状況に二人はしばらく呆けていたが最初に行動を起こしたのはレーナの方だった。
「ちょっ!おい、何して!」
レーナがいきなり体重を直人へ預け半ばレーナに押し倒される形で地面へ接触する。
(ちょちょちょちょっ!!ちょっと待って!私何てことしているの!?)
大慌てで大混乱中のレーナとは打って変わり直人の思考は一つだった。
はやく殺さないとこちらが殺される……。
この状況、こちらが油断していた隙をついた奇襲、そう考えた直人は冒険者のアルから奪った短剣を腰から抜くとレーナのうなじ目掛けて振り下ろそうとする。が、それがレーナのうなじに突き刺さることはなかった。
「んんん????」
レーナは直人が振り下ろそうとしていた短剣など気にも留めず両手で直人の頬に触れると再びくちづけもといディープキスをし始めた。
予想外の行動かつ口の中にいきなり異物が混入してきたがために押しのけようと必死にレーナの体を押すが巨大な岩を押しているかのようにビクとも動かない。
やばい、そう感じた直人は急いで右腕に持つ短剣をレーナに向けて振り下ろす。
「んんっ……!?」
振り下ろした短剣はレーナの柔肌に突き刺さるどころか体の手前で何か壁のようなものに阻まれて弾き返される。
「んっ―――!!」
レーナはこちらに息継ぎの暇も与えず口を塞ぎ続けるため次第に力が抜けていく。まだ力があるうちに背中をめった刺しにしようとするがすべて弾き返されてしまう。結果一瞬意識が飛び短剣を地面へと落としぐったりと横たわる直人。
「直人様~~~!!!!」
酸素不足でボーとする意識に耳元で叫んでいるはずのレイシスの声が遠のいて聞こえてくる。
あ~もう駄目だ。そう思ったときそれに気づいたのかレーナはディープキスを辞めると直人に跨る形で今度は直人の首筋や耳などを手当たり次第に舐め始めた。
「ごほっ……ッゲホゲホッ……!!ぶはっ――!!はぁっ……はぁっ……はぁっ……なん、なんだよこいつは!?し、死ぬかと思った……」
実際あと数十秒あのディープキスが続いていたら死んでいただろう。
こちらを殺すつもりであのようなハニートラップを仕掛けてきたのだろうと直人はされている間そう考えていた。がどうも違うらしい、実際今は死ぬかもしれない恐怖で出た冷汗などを丁寧になんならおいしそうに舐めとっている。
「こいつ、俺を殺すつもりがないのか?」
落とした短剣は落下の弾みで手を伸ばしても届かない場所にあり、とりあえず腕力ではレーナに勝てないと踏んだ直人はレーナにされるがままに身を差し出していた。
レーナはといえば今もおいしそうな顔で直人から出た汁を一生懸命に舐めとっている。そんなレーナの心の中はといえば……。
(ねえちょっと……どうしちゃったの私の体!?ってちょちょちょちょっと待って!な、何をしようとしてるの!?待って、まさか、え!?ちょっ!そ、そそそんな汚いもを舐めようと―――!?あっ……あっ……や、やめ―――……!……――――あっおいしい―――……じゃなくて!!??)
絶賛今も混乱中である。
はたから見れば思考と行動がちぐはぐになっており完全に情緒が不安定だ。
(なんで私こんなモンスターなんかにき、きききききキス……なんかしたりなんならあ、あんなえ……エッチなキスしちゃったり……。しかも今なんても、モンスターのあ、汗?なんか舐めたりして―――!!……で、でもでもあまり悪い気、はしない……のよね……)
レーナの思考もどうやら体に引きずられているのか徐々に直人を受け入れるような思考に切り替わりつつあった。
それもそのはず直人のスキル、魅惑の瞳には直人でも把握できていない能力が隠されていたためだ。
それはスキルにかかった者がそのスキル使用者の体液を摂取するとスキルの効力が上がるというもの。体液を舐めるのを辞めれば効力は徐々に落ちていくがこの体液には舐めれば極上の旨味が口の中全体に広がりさながら麻薬を摂取したかのように摂取する手を止められなくなってしまう。
唾液であれ汗であれ舐め続けたレーナのスキルの効力はもう誰にも止めることのできないところまで来てしまっていた。
そうしてとうとう……。
(彼に触れるだけで子宮の奥がキュンキュンして、彼を舐めるたびこれまでに食べたことのないような極上の甘さが口の中に広がって舐める舌を止められない。おかしいってわかってる、わかっているのに彼に触れたい彼を味わいたいと思っている。もう我慢、したくない。早く彼を――――もっと……愛したい♡)
自分自身でも気づかない気持ちの変化、レーナの心はいつの間にか直人のスキルによって浸食されてしまっていた。
今まではレーナの理性がこれ以上はダメだと無意識のうちに歯止めをかけていたが理性のタガが壊れてしまった彼女を止めるものはもう誰もいない。
「はぁっ……はぁっ……♡」
理性のタガが外れたレーナは止まらない。彼女は直人のズボンを無理矢理脱がせようと直人の下半身に手を伸ばす。
「な!?ちょっ……はぁ!?」
混乱する直人、とりあえずレーナの腕を掴んで止めようとするが相手は女性にも関わらず筋力で負けているのか強引に腕ごと引っ張られまるで妨害にすらなっていない。
ただ幸いなことにズボンは脱がせるには難しいジーパンであり、ボタンを外してチャックを下ろすなどの行為を知らないらしいレーナは無理やり引っ張っているだけで脱がすことに苦戦している。
今のうちに脱出を……。そう考えていた直人だがそれをレイシスが邪魔をする。
「ふっふっふっ~こんな絶好のチャンスを逃す手はないのですよ!!」
「レイシス!?」
言うとジーパンのボタンが外れ、チャックがひとりでに下がりだす。
「ちょちょちょちょっ!!」
直人はレーナの腕から手を放すと下がり始めたジーパンに手をかける。ただ全くもって無意味だった。
抵抗空しく下着も一緒に剥ぎ取られる。
「はぁっ……はぁっ……ふふっ、おいしそう♡いただきま~す♡」
「ちょっま……!」
レーナは直人の制止も気にも留めず直人の直人をぐっぽりと口にくわえ込む。いやらしい音を響かせながら丁寧に奉仕し始めるレーナ、歯を立てないように舌を上手く使って直人を気持ちよくさせるために喉奥なども使って包み込んでいる。
レーナの口の中は暖かく我慢しなければすぐに果ててしまうだろう。
「くっ……!」
突拍子もないレーナの行動、それに協力するレイシス、そんないきなりの展開に直人は戸惑いどうすればいいのかわからないでいた。ただSAN値がないせいか不快感は特に感じない。
レイシスがここまでお膳立てをしていることからも悪いことではないのかもしれないがどうしても躊躇いが見え隠れする。
直人はチラリとレイシスの方を見てみるとまたいつ用意したのかわからないが3D眼鏡にポップコーンを用意しておいしそうに頬張っている。
レイシスの行動には殺意が湧くがそれは置いといて今の状況、流石にここまでされて辞めるほど不能ではない。どうしてもやってもいいのかの良心が最後の枷となって歯止めをかけていたがそれももういいかと思い始める。
ここまでされれば流石の直人も理性のタガがプチンと外れてしまう。
「あ~もうくそっ!どうなっても知らんからな!」
「キャッ♡」
直人は無理やりレーナを跳ねのけると彼女を押し倒す。
さっきまで岩でも押しているかのように微動だにしなかったレーナはこちらが押し倒す素振りを見せるとわざとらしく悲鳴をあげて自分から地面へと寝ころんだ。
その拍子に肩紐が切れたのか左胸から淡い果実がポロリと見える。
「はぁっ……はぁっ……くそっ!お前の狙いが何なのか知らないが乗ってやるよレイシス。悪いが冒険者、恨むなら自分自身の運の悪さを恨むんだな」
直人は限界に達した逸物をレーナの花園に押し当てる。
「はぁっ……はぁっ……♡来て♡あなたを――――感じさせて♡」
そう言って両腕を直人の首に回すレーナ、それを合図に直人とレーナは二人だけの楽園を育み始めた。
ここまで読んでくださりありがとうございます。評価の方はお任せいたしますので、よければもう一話見ていただければ幸いです。