表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/420

率先垂範? -やっぱり最初が肝心だろ-

 サブタイトルを少し変更しました。[2023/04/06]

「ほう、本当にそれで良いのか?

 まさか君が、こんな子達に侮られたままで、好しとするとは思わなかったな」


 織部さんのこの言葉が決定打だった。


「解りましたよ。

 聖さんと織部さん、ふたりの顔を立てて引き受けますよ。

 但し、期待しないでくださいよ。

 所詮こいつらじゃ、結果も高が知れてるんだから」


 そのせいで、結局後輩ふたりの面倒を看る羽目に。


 思う壺だとは解ってた。

 解ってたんだけど、どうしても無視出来なかったんだから仕方がないだろ。


「そうか。引き受けてくれるか」


 ちっ、聖さんはそんなこと言ってるけど、どうせ決定事項だったんだろうに。

 もし、それでも嫌だと断わってたら、恐らく業務命令とか言ってたんだろうしな。


「ええ、但しこいつら次第ですけどね」


 とはいえ、一応断わりを入れおかないとな。


 ……と、そうだ。


「それじゃ、ちょっと待ってくださいよ。

 早速、一仕事しますんで」



 と、そういうわけで、オレはその場で即興で曲を作り始めた。


 うん、今まで何度も作ってきて思うんだけど、こういうのはその場のインスピレーションが大事なんだよな。

 興が乗るとでも謂うのだろう。

 単にその場の勢い任せとも謂うけど。

 今回のオレの場合は後者だな。不満を()()けてるだけだから。

 要するに、その時の熱意を以ってってことだな。

『鉄は熱い内に打て』と謂うやつだ。



 オレのこの作業に就いてだが、見ていた者達の反応はそれぞれだ。


「ふむ、相変わらず大したものだな」


 これは聖さん台詞だ。

 オレがライターとして師事しているのがこの人であり、それだけにこの好評価は少し嬉しい。

 高評価ならなおのこと好しなんだけど、これはちょっと難しいかな。今回作ってるのは、そういった感じのものだし。


「そうですね。

 こうして目の前で見ると、改めて驚かされますね」


 それに織部さんが相槌を打つ。

 確かに他人の目の前でってのは初めてだもんな。


 …否、謝恩会用の曲とか、結構人前で作業してたか。

 でも、織部さんの前では初めてだ。


「わぁ、凄い。

 本当に純くんがJUNさんだったんだ」


 今の台詞は美咲ちゃんだ。

 いつも思うけど、傍で聞いている人間にとっては意味不明というか、やたらおかしなことを言ってるように思えるんじゃないだろうか。

『おかしな』だけど『可怪しな』か『可笑しな』か迷うところだろうし。

 でも、別称なんてこんなものだろ。

 変に気取って付けるとあとで後悔するだけだからな。

 それこそ羞恥で悶絶死しかねない。

 絶対に黒歴史案件だ。


「ところで純くん、先程(さっき)言ってたヒボウってどういう意味?」


 うん、そういや美咲ちゃんって、こういう子だったな。

 このタイミングでこんなこと訊いてくるなんて。

 余り、物事に頓着しないと謂うか、マイペースと謂うか…。


「嘘……、信じられない」

「ど、どうせハッタリよ。

 単に引っ込みが着かなくなっただけよっ」


 で、最後に後輩ふたりだが…。


 ふっ…、流石に目の前で物事をして見せれば、動揺もするってわけだ。

 ざまをみろってんだ、くそガキどもめ。



()し、こんなものだな」


 暫くして漸く曲が出来上がった。


「これがお前らのデビュー曲だ。

 あと、ユニット名も曲と同じな。

 嫌だってんなら、聖さんには悪いけど、この話は無かったことにさせてもらうからな。

 可いですよね?聖さん」


 くそガキふたりに言い聞かせた後、聖さんの言質を取りにいく。


「『FAIRYTAIL』?

 つまりユニット名は『フェアリーテイル』か。

 ふむ、悪くはないな」


 どうやら聖さんには、否とするところは無いようだ。


「へぇ〜、可愛いらしくって良い名前じゃない」


 美咲ちゃんの受けも好い。


「なんか思ったより、歌詞も名前も真当物(まとも)じゃない。的切(てっきり)変なものとばかり思ってたのに」

「流石にそれはないでしょ。

 まあ、私も同じこと思ったけど」


 一方、このふたりは拍子抜けって感じだけど、言ってることが普通に酷い。


 全く、そんなわけないだろ。

 少なくとも表立ってそんなことはしねえよ。


「それじゃあ、ふたりとも、これで決まりで可いかい?」


「はい、可いです」

「私もこれで構いません」


 聖さんの確認にふたりが了承をしたことにより、これよりふたりのユニット名は『フェアリーテイル』に決定した。


「おめでとう、ふたりとも。

 でも、これからが結構大変だからがんばってね」


「ありがとうございます」

「改めて、これからもよろしくお願いします」


 美咲ちゃんの励ましに、嬉しそうに応えるふたり。

 もう、すっかり一人前のつもりってか?


 こいつら、『フェアリーテイル』がどういう意味か、恐らく解ってないんだろうな……。

※サブタイトルの『率先垂範』は、『人を率いる前に、()ず模範を垂れる』、つまり自分が手本を示してからという意味なのですが…、今回の純の行動ってそれに当たるんでしょうかね? 単なる示威行為な気がするのですが…。

 そういう理由で、?付きとなっています。

 因みに『率先垂範』とよく似たこんな格言が…、

『遣って見せ、言って聞かせて……………』これは太平洋戦争時の連合艦隊司令長官・山本五十六の言葉だそうです。

 但し、こちらは人材育成の格言らしいです。[Google 参考]

 当時の軍人にも尊敬できる偉い人はたということですね。


※作中のルビには、一般的でない、作者流の当て字が混ざっております。ご注意下さい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ