リトルキッスとクイズ特番
今回は、未完成で一旦仮投稿します。例によって、せっかく仕入れた薀蓄を、失敗によって御破算にしたくないという理由です。
ようやく、少しはまともになってきたのにって方。申し訳ございません。恐らく、これからもやります。ただ、今、述べた理由によるものなので、許して頂けないでしょうか?
→お待たせしました。ようやく完成です。[23年1月27日]
改編期という言葉がある。
それは、テレビやラジオの業界に於いて、番組の入れ替えが行なわれる時期のことを指す。
テレビだと、通常、春(3月末〜翌月始め)と、秋(9月末〜翌月始め)がそれに当たる。
場合によっては、これに夏(6月末)、冬(12月末)が加わる。
この時期に入ると、ゴールデンタイムにおいてそれまで放送されていたドラマやバラエティ番組等が打ち切…終了し、新しい番組が始まったり、他の時間帯の番組に追い遣…いや、移動してきたりと、番組再編が行なわれるわけである。
ただ、そういうことをすると、その調整期間に穴が空いたりするわけで、その穴を埋めるための『繋ぎ』が必要となる。そのために用意された、2時間前後の特別番組が『改編期特番』別名『期首期末特番』である。
なお、それは、最近では『繋ぎ』目的だけでなく、春、秋の改編期に必ず組まれる『お約束企画』的存在となりつつある。
つまり、節目毎に行なわれる、番組のリストラと繋ぎの時期が改編期なわけだ。
そして、年末年始に撮影した『学園騎士団』の続編が、この改編期特番のひとつとして放送されることが決まっている。
それに伴い、今回、その宣伝のため、やはり春の改編期特番である、クイズ番組への出演することになっていた。
番組タイトル『クイズ薀蓄王 春のスペシャル』
そのテレビ局の、人気クイズ番組の改編期特番版だ。
当然、解答者は、その局の、これから始まる新番組か、人気レギュラー番組の主要人物が集まったチームである。
そして、出演目的が賞金や賞品ではなく(?)、自分達の番組宣伝であるのもお約束だ。そう、“出場”でなく、“出演”なのである。
「純、判っているな。言葉使いはちゃんとしろよ」
「わーてるって、心配いらねえよ」
オレに注意を促したのはマネージャーの織部さんだ。
全く、余計な心配だってーの、オレはもう一年近くやってるんだから問題ないってのに…。
収録が始まった。
そして、一チームごと、順々に各チームが紹介され、そしてそのチームの出演する番組が宣伝されていく。
そして、オレ達『学園騎士団』チームの番が回ってきた。
オレ達のチームは、主役の、オレ達リトルキッスと御堂玲。
そしてゲスト出演の隆さんと千鶴さん。
何故この二人がゲスト出演なのかというと、
「今作では、ふたりの演じる秀一郎と千秋が卒業し、私達の演じる美雪、由宇、陽介が後を託されることになります」
というわけである。まあ、高三役だしな。
各チームの紹介が終わり、いよいよ本番のクイズに突入する。
問題傾向は実に様々だった。
時事ネタかと思えば、年配者が記憶を探るような微妙な年代を扱ってみたり。
名門学校の入学試験問題かと思えば、公立小学校低学年の授業からの問題だったり。
例えば、
「世界一長い川は?」
という問題だ。
「余裕だな」
オレ達は迷うことなく、解答ボードに解答を書き込む。当然、答はナイル川だ。
だが、この問題が実は問題だった。
年配者ほど、誤解答が多かったのだ。
彼らの解答は『ミシシッピ川』
何年か前までは、ミシシッピ川が最長だと言われていて、教科書にもそのように載っていたらしい。
他にも、古典や文学からの出題があった。
そして、サブカルチャーも。
美咲ちゃんが得意な漫画なんかもこのジャンルだ。
ここはチャンスと言えるだろう。
そして、ここでも変な問題が。
出題画像に映っていた漫画本から、『THERMÆ』という文字の書かれた画面に切り替わったのだ。
「さて、この画面のラテン語の意味は、どういう意味?」
この問題に、オレ達は顔を見合わせ、途方に暮れた。
英語ならまだしも、ラテン語なんてさっぱりだ。
ゼ・ー・メ…いや、マ?
ゼーマー? なんだ? いや、THEMEか?
なら、『テーマ』?
千鶴さんはサーモ、隆さんはテルモと読んだみたいで、ふたりの出した答は『熱』だった。
「そう言えば、体温計か何かで聞いたような気がするな…、でも、純ちゃんの答もそれっぽいし」
と、天堂も答を決めかねている。
そんな中、
「あっ、これ見たことある」
そんなことを言って、美咲ちゃんが解答ボードに解答を書き込み始めてしまった。
その答は……、公衆浴場?
なんだそりゃ?
オレ達の思ったのとは、随分と掛け離れた解答だ。
「ちょっと、なんでそんな解答になるのよ」
やっぱり、千鶴さんもそう思うよなぁ…。
但し、そう思ったところでもう手遅れ。
そんな中、正解が発表された。
「正解は公衆浴場。または温泉でも、風呂でも正解です」
はぁ? マジ? なんで?
「語源はギリシャ語のテルモスで、こちらは熱い、温かい、を意味する言葉で……」
司会者が説明を続けていくがそんなことより、
「へえ、咲ちゃん。よく知っていたね」
オレも隆さんに激しく同意である。
「この作品って、結構有名なんだよ。映画にもなってるし」
どうやらそういうことらしいけど、それにしてもよく知っていたもんだ。
この後も出題は続いていった。
但し、美咲ちゃんのファインプレーはここまでだった。
この後の問題では、美咲ちゃんの珍解答が続出し、思わず入れたツッコミが、いったいどれだけあったことやら。
学校での成績がアレだったことに、熟納得いかされた。
歴史問題が特に酷い。
人物や出来事を、悉く漫画の類と混同にしてしまっているのだ。作者の創作が散だというのに。それらの中には、有力な説なんてものもあり、こういった番組での薀蓄としては役立つかもしれないが、真面目な場面では、却って逆効果だ。そこのところを判ってないのだろう。
問題はまだまだ続く。
その中には、特に知識の必要のない、映像をみてその後を想像して当てるといったものもあり、解答者に対して特定の人間が有利になるといったことが少なくなるような調整もみられた。
ただ、やはりクイズ番組としての拘りというか、プライドがあるのか、バラエティーお約束のゲームといったものはなかった。
そして、いよいよ最後の大詰だ。
最終問題は、やはりお約束の高得点。一発逆転の要素が用意されていた。
出題内容も、間違い探しと、やはり知識は不要なもの。注意力が求められるだけのものだった。
但し、複数の間違いに対し、一チームにつきひとつだけの答というルール。
そして、答によって得点が違うというルール。
このふたつのルールによって、全体の総合得点のバランスをとるという、番組の演出もやはりお約束だった。
収録が終わった。
とりあえず、何事もなく無事に(?)終了だ。
何故、(?)かといえば、やはり美咲ちゃんだろうか。
あれだけやらかしたのだ、すっかり残念キャラが定着したことだろう。
今後は、お馬○タレント、略してバ○タレなんて呼ばれたりするんだろうな。
えっ? クイズの結果?
それに就いては、答えるまでもないと思う。
なんたってなぁ……。
まぁ、それなりにがんばってはみたんだけど。
とにかく、こうして、この改編期特番収録は終了したのであった。
作中に、タイトルこそ載せてないですが、あまりにバレバレな作品が。これ、いいんでしょうか?
※作中にて番組の改編期について書いていますが、それらについては、いつもののようにGoogleを参考にさせて頂きました。
※作中のルビには、一般的でない当て字が混ざっております。ご注意下さい。




