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OBKからの挑戦状

 前回の投稿で文字数が100万を突破。

 いやぁ、やればできるもんですね。

 とはいえ毎回2000~3000文字なんでこんなに話数が掛かってるわけですが。しかも最近はちょくちょくと投稿が滞りがちなんで一年半近く掛かってますし…。

 毎日5000~1万文字で複数の作品を手掛けているっぽい人もいるようですけど、その人達ってどんな風に(こな)しているんでしょうね。正直頭が下がります。

 と言っても、まあ他人は他人なんで私は無理のないマイペースでやっていくつもりです。

 こんな上昇志向の無い作者ですが、それでもなんとか投稿は続けていくつもりなのでこれからもよろしくお願いいたします。

 スカーレットのステージが終わり、次は社会人バンドOBK(オービーケー)

 彼らはオレ達やウェズ、スカーレットといった学生バンドではなく、本物の会社勤めの社会人バンド。


 大場克彦(23) ギター兼ボーカル。家電メーカー マナソニック勤務。

 馬場博史(ひろふみ)(23) ベース。自動車メーカー 本間技研勤務。

 鹿糠建臣(23) ドラム。総合建設会社(ゼネコン) 鹿糠建設勤務。


 三人揃って見事に会社勤めである。しかもバイトや派遣ではなく正社員。

 どうやって両立させているのかは知らないけど、きっと苦労は多いはず。社則とか時間といった拘束はあるだろうしな。


 ただ、金銭面は……いや、これもひとり暮らしだと厳しいかも。バンドって結構金が掛かるし。


 こうしてみると本当に大変そうだ。

 三人の都合を合わせてなんとか作り出す時間。この時点で仕事や個人のプライベートを削ることになるし、無理があるから体力も削る。仕事を削るなら収入にも影響があるわけで当然これも削られる。

 そこまでして手に入れた時間もおそらくは僅かだろうから練習量も当然僅かなはず。


 ……本当にこれで成り立つのか?

 仮になんとかするとしても、これで実績ができるのか。儘ならぬ状態が続くようならモチベーションだって削れていく。


 やっぱりこれって無理だろう。少なくともプロを目指すのは絶望的。

 でも、それでも中にはそこからプロになった者もいるっていうし…。

 殆ど運頼みとしか思えないけど、蒔かない種は実らないわけで、正しく茨の道に違いない。彼らもいつまで続くことやら。


 そんな彼らのステージが始まった。

 曲はCCBの『Romanticが止まらない』

 その曲タイトルはまるで「音楽はロマンだ!」とでもいわんばかりだ。…まあ詞の内容は違うけど。


「SCHWARZのみんな、プロデビューおめでとう。

 なんでも君達はデスペラードの弟分に当たるんだとか。つまり俺達は兄弟双方に置いていかれることになったわけだ。

 全くなぁ。俺達が初めてSCHWARZのリーダーを見た時にはまだ中学生にもなってなかったってのに、本当時間の経つのって速いよなぁ。

 まあそんな情けない俺達だけど、今日はいない兄貴分の代わりに祝ってやるぜ。

 まずはあいつらの曲で『BASTARD!』だっ」


 ぶふっ!

 いや、確かにJUN(オレ)の作った曲だけど、選りに選ってそれか?


 ~♬

 地震、雷、火事、親父

 この世に災い数あれど

 威圧、暴力、悪巫山戯

 お前の物は 俺の物

 うちの兄貴はまだ酷い

 こんな不条理あるものか

 BASTARD!

 こんな兄貴はいらないぜっ

 BASTARD!

 オレの前から消えてくれっ!

 ~♬


 いや、なんていうか、自分で作っておいて今さらだけど、本当酷い歌詞だよな。


 おそらくだけど今日不在の兄貴に対する皮肉での選曲だな。

 といっても仕方なくはあるんだけど。なんの仕事かは知らないけどデスペラードは仕事で名古屋らしいし。

 土産物はういろう辺りかな? 冷凍だろうけど味噌カツなんかも悪くないな…。


 おっと、気づけば曲が変わってた。

 今度はTHE BLUE HEARTSで『TRAIN-TRAIN』か。まあさすがに社会人バンドじゃ持ち曲を増やすのも難しいもんな。

 というわけで、次も爆風スランプの『Runner』。

 うん、本当仕方ない。


「うえっ⁈ マジでっ⁈」


 曲が最後に入ったところで瓶子がすっとんきょうな声を上げた。

 いや、だってその曲は…。


 ~♬

 君は高嶺のBeauty Lady

 俺は底辺、Dirty Boy

 風に揺られる気ままな君を

 いくぜ、この手にGet on with you!

 Heaven or Hell,Heaven or Hell,Heaven or Hell

 勝負を懸けろ!

 ~♬


 いや、冗談だろ?

 選りに選って次にやるやつの曲をここでやるか?

 しかもオレ達SCHWARZの一番の代表曲である『Heaven or Hell』を…。


 ~♬

 君が微笑むCasual Smile

 女神が嘲笑(わら)うSarcasm Giggle

 俺はニヒルに勝負を懸けるぜ

 いくぞ見ていろ乾坤一擲!

 Heaven or Hell,Heaven or Hell,Heaven or Hell

 君をこの手に!

 Heaven or Hell,Heaven or Hell,Heaven or Hell

 全てを掴め!

 ~♬


 いや、なんだよこれ。完全にコピーしきってるし。


「あ~、これは仕方ないな。

 河合には悪いけど『Heaven or Hell』はオレがメインバージョンに変更だな」


 うわぁ…、大場さん達、なんか顔色がにやけてるし。これ、絶対狙ってやってるわ。


「あ~、くそっ。やっぱりこの人達、あの人達の友人だわ」

「だな、お陰でハードルが上がっちまった」


 毒突く河合に木田が同感と肯く。

 でも河合のは自分の出番が奪われたことへの不満だから違う。


「まあ、プロならこれくらい笑って余裕で上回れっていうメッセージだろうな。

 全く、厳しい先輩だぜ」


 まあ瓶子の言うのが正解だろうな。


 よし、その挑戦、受け取ったぜっ!

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