純、さらに少しだけ前向きになる?
久しぶりにアクセス解析を調べてみたところ、日別アクセス数が、前回見た時の約3倍の275。過去最高記録の1月7日の96を大きく上回りました。読者様方のおかげです。大変感謝致します。
で、少々調子に乗って、小説情報のあらすじ覧(欄?)と、第1話の前書きに、ちょっとネタを突っ込んでみました。ただ、内容が内容だけに、読者が離れていかないか、後で大変心配しております。とりあえず下に載せてみますが、あくまで半分はネタです。余り本気に捉えないようお願いします。(笑) [23年1月25日]
【私撰有害図書指定】
当作品は読者に対し、知識、思想、嗜好などに於いて、悪影響を及ぼす可能性があります。ご注意下さい。なお、当方と致しましては、一切の責任を負いませんので、読者様方の自己責任にてお読み下さい。
リトルキッスの活動日は、基本、土日、祝日である。
他の連中はどうかは知らないが、オレ達の場合はそのようになっている。
そんなわけで、長期休暇となれば、仕事が纏めて詰め込まれることとなる。
今の冬休みも例外ではなく、年末年始のバラエティー番組や、春に向けたドラマ収録(夏に撮った『学園騎士団』の続編)といった、TV番組への出演だったり、2月発売予定のファーストアルバムのレコーディングだったりと、毎日が過密スケジュールである。
それでも一応、大晦日と正月三が日は仕事の休みがもらえていた。
12月31日。大晦日。
オレはクラスの親しい友人である遠藤真彦、武藤由希と共に、除夜の鐘つきをするべく近所の神社へとやって来ていた。
そんなオレに、突然背後から声が掛けられた。
「純くん!」
親しげな声に振り返ってみると、そこにいたのは、美咲ちゃんと天堂だった。
今回は、鬱陶しい親衛隊連中はいない。
「今度は間違えなかったみてーだな」
「まだ、根に持ってたんだ。
別に、呼びかたなんて『くん』でも『ちゃん』でもどっちだっていいでしょ。男のくせにつまんないことに拘るんだから」
「ははははははっ、だって後ろ姿がよく似てたんだもん」
まぁ、同一人物だから間違いじゃないんだけど、内心複雑だ。
「だってさ、純。
いっそ、除るモノ除って、女の子にでもなっちゃったら?」
「由希、下品だぞ」
「ははははははっ、由希ちゃんったらっ」
こ、こいつら…。しかも、美咲ちゃんまで…。
ただ、あの時、その場にいなかった天堂だけは、よく解っていないようだ。
「いったい何があったんだい?」
てか、尋いてんじゃねえよ、天堂。
「美咲ちゃんが、純と純ちゃんを見間違えたのよ」
由希も説明してんじゃねえ。
「ぷ…、それは純ちゃんに失礼じゃないか」
…天堂、お前もか。
▼
明けて翌日、1月1日。即ち元旦。
オレ達は昨日のメンバー5人で、昨日の神社へと来ていた。
今年は去年と違って天堂がいる。
目的は、言わずと知れた初詣。
美咲ちゃんの振袖姿が、今年も、とても可愛らしい。
真彦がすごく感激していた。でも、ちょっと大袈裟じゃないか?
あと、由希も振袖だったけど、正直こっちはどうでもいい。
「ちょっと、なんで美咲ちゃんとアタシでこんなに扱いが違うのよ!」
「そりゃあ、人気アイドルの美咲ちゃんと、一般人のお前じゃ、比べるのも痴構しいってもんだろ。
正に、月と鼈ってやつだ。なぁ、純、天堂」
「ま、由希の場合、毎年のことで見飽きたってのもあるけどな」
オレも真彦と同意見である。
「そんなことないよ。由希ちゃんも美咲ちゃんも、二人ともよく似合ってて可愛らしいよ」
一方、天堂の答えはもうお約束。
でも、意外と冗談で言ってるわけじゃないんだよなぁ。
「「ギャーーーー!」」
美咲ちゃん曰く。
「もう、ふたりとも、相変わらずなんだから。
少しは、天堂くんを見習えばいいのに」
やはり、今年もこうなった。
オレと真彦は、今年も、由希のアイアンクローに吊り上げられたのだった。
参拝客も捌けていきオレ達も神前へと辿り着いた。
鈴を鳴らして賽銭を入れ、二礼二拍手、両手を合わせてお祈りをする。そして最後に一礼をして立ち去る。
「ねぇ、みんなはなんてお願いしたの?」
「アタシは去年と同じ。家内安全と家族の健康、あとは道場のことかな」
由希の願い事は今年も同じ。ありきたりというか、まあ予想通りのテンプレだ。こいつはこれで堅実派なのだ。
振れないな、こいつ。
「俺はやっぱり、美咲ちゃん達のことかな。なんといっても、リトキスのファン1号だし。
それに去年、親衛隊長にも就任したしな」
「わあ、ありがとう、真彦くん」
おい真彦。それ、学校内だけで、一応、非公認だぞ。
なお、リトキスとは、リトルキッスの省略で、世間やファンの間では、そう呼ぶのが一般的。オレとしてはリトルでいいと思うんだけど。
「で、美咲ちゃんは?」
「私は、去年のお願いが叶ったし、今年は、この人気がこれからもずっと続きますように、かな」
なるほど、確かに。
よく考えると、この神社って、結構ご利益あるみたいだ。
でも、ごめん、美咲ちゃん。オレ、そこまで続けるつもりはないんだ。
程々に売れたし、思った以上の知名度を得られたし。早乙女純の方は、今年を最後に引退のつもりなんだよなあ。
そう、オレの願いは「このまま無事に、上手く引退出来ますように」だったのだ。
とても美咲ちゃんに言える内容じゃないよなぁ。
でも、これからも、美咲ちゃんを支えていくつもりではある。
だから「純くんは?」って聞かれた時、「真彦と同じだよ」って答えたのだった。
あと、序だが、天堂は、
「僕も美咲ちゃんと同じ。僕達3人が、このまま上手くいきますように、だね」
まあ、判りきった答えだな。
なにはともあれ、もう少しだ。
オレ達の人気を不動の物に出来るようがんばらないとな。
※作中の『痴構しい』ですが、『構しい』の部分は作者流の当て字です。普通は『烏滸がましい』が一般的で、他に『痴がましい』『尾籠がましい』等と書きます。
『烏滸がましい』の『烏滸』は『滸 (みずぎわ)の烏』で『がましい』は『喧しい』という意味だとか。作者としては、何故それで『烏滸がましい』となるのか、よく解りません。言葉通り『おこがましい』と思っております。
『尾籠がましい』の『尾籠』は『びろう』と読み『不潔』を意味する和製漢語だとか。やっぱり作者には理解不能。
『痴がましい』の『痴』の意味は言うまでもなく『バカ』です。
よって『分不相応』『馬鹿らしい』を意味するこの言葉には『痴がましい』を採用しました。
※作中のルビには、一般的でない、作者オリジナルの当て字が混ざっております。ご注意下さい。




