表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/420

純、さらに少しだけ前向きになる?

 久しぶりにアクセス解析を調べてみたところ、日別アクセス数が、前回見た時の約3倍の275。過去最高記録の1月7日の96を大きく上回りました。読者様方のおかげです。大変感謝致します。

 で、少々調子に乗って、小説情報のあらすじ覧(欄?)と、第1話の前書きに、ちょっとネタを突っ込んでみました。ただ、内容が内容だけに、読者が離れていかないか、後で大変心配しております。とりあえず下に載せてみますが、あくまで半分はネタです。余り本気に捉えないようお願いします。(笑) [23年1月25日]


【私撰有害図書指定】

 当作品は読者に対し、知識、思想、嗜好などに於いて、悪影響を及ぼす可能性があります。ご注意下さい。なお、当方と致しましては、一切の責任を負いませんので、読者様方の自己責任にてお読み下さい。

 リトルキッスの活動日は、基本、土日、祝日である。

 他の連中はどうかは知らないが、オレ達の場合はそのようになっている。

 そんなわけで、長期休暇となれば、仕事が纏めて詰め込まれることとなる。

 今の冬休みも例外ではなく、年末年始のバラエティー番組や、春に向けたドラマ収録(夏に撮った『学園騎士団』の続編)といった、TV番組への出演だったり、2月発売予定のファーストアルバムのレコーディングだったりと、毎日が過密スケジュールである。

 それでも一応、大晦日と正月三が日は仕事の休みがもらえていた。


 12月31日。大晦日。

 オレはクラスの親しい友人である遠藤真彦、武藤由希と共に、除夜の鐘つきをするべく近所の神社へとやって来ていた。

 そんなオレに、突然背後から声が掛けられた。

「純くん!」

 親しげな声に振り返ってみると、そこにいたのは、美咲ちゃんと天堂だった。

 今回は、鬱陶しい親衛隊連中はいない。

「今度は間違えなかったみてーだな」

「まだ、根に持ってたんだ。

 別に、呼びかたなんて『くん』でも『ちゃん』でもどっちだっていいでしょ。男のくせにつまんないことに拘るんだから」

「ははははははっ、だって後ろ姿がよく似てたんだもん」

 まぁ、同一人物だから間違いじゃないんだけど、内心複雑だ。

「だってさ、純。

 いっそ、()るモノ除って、女の子にでもなっちゃったら?」

「由希、下品だぞ」

「ははははははっ、由希ちゃんったらっ」

 こ、こいつら…。しかも、美咲ちゃんまで…。

 ただ、あの時、その場にいなかった天堂だけは、よく解っていないようだ。

「いったい何があったんだい?」

 てか、()いてんじゃねえよ、天堂。

「美咲ちゃんが、純と純ちゃんを見間違えたのよ」

 由希も説明してんじゃねえ。

「ぷ…、それは純ちゃんに失礼じゃないか」

 …天堂、お前もか。


          ▼


 明けて翌日、1月1日。即ち元旦。

 オレ達は昨日のメンバー5人で、昨日の神社へと来ていた。

 今年は去年と違って天堂がいる。

 目的は、言わずと知れた初詣。

 美咲ちゃんの振袖姿が、今年も、とても可愛らしい。

 真彦がすごく感激していた。でも、ちょっと大袈裟じゃないか?

 あと、由希も振袖だったけど、正直こっちはどうでもいい。

「ちょっと、なんで美咲ちゃんとアタシでこんなに扱いが違うのよ!」

「そりゃあ、人気アイドルの美咲ちゃんと、一般人のお前じゃ、比べるのも(おこ)(がま)しいってもんだろ。

 正に、月と(すっぽん)ってやつだ。なぁ、純、天堂」

「ま、由希の場合、毎年のことで見飽きたってのもあるけどな」

 オレも真彦と同意見である。

「そんなことないよ。由希ちゃんも美咲ちゃんも、二人ともよく似合ってて可愛らしいよ」

 一方、天堂の答えはもうお約束。

 でも、意外と冗談で言ってるわけじゃないんだよなぁ。

「「ギャーーーー!」」

 美咲ちゃん曰く。

「もう、ふたりとも、相変わらずなんだから。

 少しは、天堂くんを見習えばいいのに」

 やはり、今年もこうなった。

 オレと真彦は、今年も、由希のアイアンクローに吊り上げられたのだった。


 参拝客も捌けていきオレ達も神前へと辿り着いた。

 鈴を鳴らして賽銭を入れ、二礼二拍手、両手を合わせてお祈りをする。そして最後に一礼をして立ち去る。

「ねぇ、みんなはなんてお願いしたの?」

「アタシは去年と同じ。家内安全と家族の健康、あとは道場のことかな」

 由希の願い事は今年も同じ。ありきたりというか、まあ予想通りのテンプレだ。こいつはこれで堅実派なのだ。

 ()れないな、こいつ。

「俺はやっぱり、美咲ちゃん達のことかな。なんといっても、リトキスのファン1号だし。

 それに去年、親衛隊長にも就任したしな」

「わあ、ありがとう、真彦くん」

 おい真彦。それ、学校内だけで、一応、非公認だぞ。

 なお、リトキスとは、リトルキッスの省略で、世間やファンの間では、そう呼ぶのが一般的。オレとしてはリトルでいいと思うんだけど。

「で、美咲ちゃんは?」

「私は、去年のお願いが叶ったし、今年は、この人気がこれからもずっと続きますように、かな」

 なるほど、確かに。

 よく考えると、この神社って、結構ご利益あるみたいだ。

 でも、ごめん、美咲ちゃん。オレ、そこまで続けるつもりはないんだ。

 程々に売れたし、思った以上の知名度を得られたし。早乙女純の方は、今年を最後に引退のつもりなんだよなあ。

 そう、オレの願いは「このまま無事に、上手く引退出来ますように」だったのだ。

 とても美咲ちゃんに言える内容じゃないよなぁ。

 でも、これからも、美咲ちゃんを支えていくつもりではある。

 だから「純くんは?」って聞かれた時、「真彦と同じだよ」って答えたのだった。

 あと、(ついで)だが、天堂は、

「僕も美咲ちゃんと同じ。僕達3人が、このまま上手くいきますように、だね」

 まあ、判りきった答えだな。

 なにはともあれ、もう少しだ。

 オレ達の人気を不動の物に出来るようがんばらないとな。

※作中の『(おこ)(がま)しい』ですが、『構しい』の部分は作者流の当て字です。普通は『烏滸がましい』が一般的で、他に『痴がましい』『尾籠がましい』等と書きます。

『烏滸がましい』の『烏滸』は『滸 (みずぎわ)の烏』で『がましい』は『(やかま)しい』という意味だとか。作者としては、何故それで『烏滸がましい』となるのか、よく解りません。言葉通り『おこがましい』と思っております。

『尾籠がましい』の『尾籠』は『びろう』と読み『不潔』を意味する和製漢語だとか。やっぱり作者には理解不能。

『痴がましい』の『痴』の意味は言うまでもなく『バカ』です。

 よって『分不相応』『馬鹿らしい』を意味するこの言葉には『痴がましい』を採用しました。


※作中のルビには、一般的でない、作者オリジナルの当て字が混ざっております。ご注意下さい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ