美咲ちゃんと試験の考察
今回もまた、短めとなってしまいました。
10月中旬となれば、二学期中間試験が行なわれる。
現在はその一週間前。
授業は半日となり、多くの部活動が休止となる。
その期間、大抵の生徒達は、試験に向けて、出題範囲の復習等といった対策に励むのが基本だ。
まぁ、その対策だが、成績優良な者は特に焦ることもなく、その逆の、成績不振な者達に泣き憑かれる……ではなく、泣き着かれることとなるなどして、勉強会が行なわれるのが、お約束といったところだろう。
それはオレ達も例外ではなく、図書室にて勉強会を行なっていた。
「じゃあ、次はここだな」
「うわぁ〜ん、少しは休ませてよ純く〜ん」
で、美咲ちゃんは先程の例の、後者に当るわけだった。
「何言ってんだよ。そんなんじゃ仕事に影響するだろ。それともこのまま引退か?」
「は〜ぁ…、とてもじゃないけど、ファンに見せられない姿ね」
「む…、流石にこれは…、なんというか……」
「うわぁ〜ん、みんながいじわるだよ〜っ」
普段から、美咲ちゃんのフォローに努める真彦さえ、言葉に詰まる有様だ。
美咲ちゃんの泣きごとなど却下である。
実際、美咲ちゃんの成績は決して芳しくはない。
これまで行なわれた、一月期の試験は、どちらも追試で、赤点ギリギリを辛うじて保持するレベルだったのだ。
普段の言動から、多少はそんな気がしていたが、まさかここまでとは思わなかった。
そんなわけで、美咲ちゃんは、オレ達に強制連行され、今に至るというわけだ。
とはいえ、疑問はある。
美咲ちゃんは、決して頭が悪いわけではないのだ。
新曲が出れば、その曲や振り付けを、然程苦労なく覚えるし、ドラマ収録の台本なんかも、やはりあっさりと覚えていた。
そんな美咲ちゃんなのに、何故だか勉強は例外なのである。
向き不向きがあるとはいえ、どうしてなのか、さっぱり理解出来ない。
「これでも、一生懸命にがんばってるのに〜」
「そうなんだよなぁ……」
そう、美咲ちゃんの、仕事に対する情熱は、誰もが知るところで、以前にも述べたが、休憩時間に、歌や振り付けの練習に励む姿は、この学校で最早、お馴染みとなりつつある程なのだ。
それなのに、何故…?
その後、行なわれた中間試験だが、やはり美咲ちゃんは追試となった。
努力は必ず報われるというけど、現実は非情だ。
滅減るなっ。がんばれ美咲ちゃん。
オレ達が応援してるぞ!
これは作者の偏見かもしれないですが、大人に勉強を教えてもらうのは、必ずしも有効とは限らない場合があると思います。例を挙げれば、数学の円周率 (3.14→およそ3) だったり、また、日本史 (鎌倉幕府成立 1192年→1185年)、科学? (冥王星 太陽系惑星→太陽系外縁天体) など、他にもいろいろと変更が。世代によって、受けた教育に違いがあるため、注意が必要かも。
※作中のルビには、一般的でない、作者オリジナルの当て字が混ざっております。ご注意下さい。




