表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/420

早乙女純とヤンキー後継者問題 (前編)

 一段落着いたので、短めですがここで今回は完成です。一応、続きは後編の予定ですが長さによってはこちらに加筆するかも…。


→次は中編となりました。

 夏休みが終わった。

 初めてのドラマ撮影や、夏祭り(あとで散々叱られた)、宿題の追い込み(主に美咲ちゃん)などといろいろあったが、それらも終わり、今は新学期の9月。

 来年度に向け、いろんな引き継ぎ行事が行なわれる。

 実際、今、学校では、来月の生徒会選挙に向けて、準備活動が行なわれている。

 だが、引き継ぎというのは、生徒会だけというわけでなく……。


 早乙女純は誰だ。

 早乙女純が()けば、嵐が叫ぶ。雲を呼ぶ。

 いや、別に嵐も雲も関係ない……はずだけど…。

 今、学校では、早乙女純捜索が再燃していた。

 ただ、柄の悪い連中(ヤンキー達)限定だけど。

 何があったかといえば、鬼塚さんの仕業だった。

 武士(たけし)によると、

「早乙女純を連れて来た奴が次の後継者だ」

 などと言ってたせいらしい。

 こっちとしては、迷惑甚だしいというものだ。

 そんなわけで、野心に(あふ)れた馬鹿(ヤンキー)どもが、早乙女純を捜してるわけだ。

 そんな日々が、この数日、毎日のように…じゃなく、本当に毎日続いている。

「本当、毎日毎日、鬱陶しいわね」(由希)

「そんなにがんばったって、見つかるわけないのにな」(純)

「確かに、これで見つかるんならとっくに見つかってるはずだしな」(真彦)

「でも、純ちゃんって、何処のクラスの誰なんだろ」(美咲)

「ああ、実に上手いこと、隠れてるものだ。流石は純ちゃんといったところだね」(天堂)

「本当よね。あれだけ目立つ子なのにね」(由希)

「まあ、この分じゃ当分無理そうだな」(真彦)

「はぁ〜…、つまり、当分続くってわけね……」(由希)

 確かにそれは鬱陶しい。

 とりあえず、鬼塚さんに、詳しいことを訊きにいってみることにしよう。


          ▼


「で、いったいどういうことなんだよ」

 今日も鬼塚さんは屋上にいた…というか、今日はオレが呼び出したんだけど。

「あ〜、悪い。二年の奴らが執拗(しつこ)いもんだからついな」

「それでこの騒ぎかよ」

「ああ、本当、悪いって。

 でも大丈夫だろ。前も数日で収まったわけだし。

 なによりあいつら、早乙女純が女だって、信じて疑ってもないんだし」

「はあ〜あ? ど、どういうことだよ⁈」

 な、なんで、鬼塚さんがそのことを知ってるんだ⁈

「隠すなよ。

 そんなの見りゃ判るって。

 それにしても、笑ったぜ。なんの冗談かと思ったぜ。

 よりによって、純が女のアイドルだぜ。

 悪巫山戯にしても程があるってもんだろ。

 事務所にしても、何考えているんだかな」

 ヤバい。完全にバレてる。

「な、なんでそう思ったんだよ」

「だから、見りゃ判るって言っただろ。

 女装した純を見たことがありゃあ、判るってもんだ」

 ははっ…………、そう言や、そうだった。

 鬼塚さん、オレの女装を見たことがあるんだった。

 何時、何処でかはここではいわない、いいたくもない。

 とにかく、この人は、オレの女装姿を知っていたのだ。バレたのも納得というわけだ。

「で、どうするつもりだよ」

「特に何かするも必要ないだろ。

 ってのは、さっきも言った通りだ。

 悪いが熱りが冷めるまで我慢してくれ」

 全く、なんて無責任な。

 とはいえ、やっぱり、それしかないか…。

※作中パロディ部分に勘違いがあったようなので修正しました。ただ、白黒時代の時代劇主題歌で歌詞の記憶があやふやなため、これで正しいかはなお不明ではあるのですが…。[2024/11/23]

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ