リトルキッスと初めてのドラマ撮影 -早乙女純の黒歴史?-
今回TVドラマの撮影回となっておりますが、作者は番組制作のことについては、何一つ知りません。そのため想像とはったりだけで話を作っており、実際とは大きく乖離している可能性があります。ご注意下さい。また、関係者の方々には、ご迷惑をお掛けすることをお詫び申し上げます。
アクションシーンには危険が伴う。
自分が怪我をすることもあれば、相手に怪我をさせることもある。
道具の使用には細心の注意を必要とするし、場所によっては、ただそこに立っているだけで危険だったりもする。
例えば高所。
足許が不安定だったり、強風が吹いてたりするだけで、バランスを崩し落下するのだ。高さによっては怪我じゃ済まない。
そんな場所で、激しく動けば、今程述べたリスクを背負うこととなる。
ちょっとした失敗が惨事を齎すのだ。
今回の収録はそんな場所。校舎の屋上だった。
オレ達、ひとりひとりに入念な殺陣の指導が行なわれる。
ひとつひとつの動きについて、事細かく相談しながら決めていく。
懇切丁寧でありながらも、その指導は厳しい。
何度も注意を受けながら、ゆっくり、慎重にその動きを試していく。
そしてそれを何度も繰り返し、確実にものにしていくのだ。
こちらの未熟な動きにも、真摯に付き合ってくれる、やられ役の人達。
いくら、仕事で、お互いの安全のためとはいえ、正直いって、頭が下がる。
「あ、もう少し速くしても大丈夫ですよ」
ただ、余り初歩的なことが繰り返されると、いささか焦れったくもなってくる。
「ははっ、じゃ、これでどうだ」
相手の人が、苦笑いでオレの我儘に合わせてくれる。
それもあって、その動きは徐々にに加速していく。
「おい、そこっ。お前何してる!
相手は素人の女の子だぞ!」
ちょっとばかりやり過ぎたようだ。
でも、解ってほしい。
体が自然と反応してしまうのだ。
多分、由希の道場で稽古していた時の感覚になっていたのだろう。
「あ、すみません。どうもゆっくりだと、タイミングが合わなくてやりづらくって」
危険なので調子にのるなと、やられ役の人と、二人して怒られてしまった。
「風の囁きが教えてくれる」
「大地の鼓動が物語る」
「穢れた罪を光が暴く」
「悪を裁けと天が命じる」
くぅっさぁっ!
なに、この恥ずかしいこの台詞。
口にするのが非常につらい。
黒歴史になりそうだ。
リテイクはなんとか回避したい。
一方、美咲ちゃんはノリノリだ。
そういえば、この漫画のファンだと言ってたもんなぁ。
「カアァ〜〜〜ット!」
監督の声が響いた。
「真面目にやれっ。羞恥心なんか忘れろっ。
余計なプライドなんか捨ててしまえっ。
君達には夢があるんだろ。
パワーはいつだって、どんなときだって、まけないはずだ!」
マジですかぁ…?
この羞恥シーンを熟すのに、オレ達は6度のリテイクを必要としたのだった。
ようやく本番のアクションに移行した。
先程の公開処刑により、失い欠けた魂を蘇生させるかのように、自身に呪い掛け、ようやく立ち直ったオレ。
いや、もちろん比喩表現だ。
……って、この中二病的な例え、さっきのあれの影響か?
オレ以外の連中は…………、意外と大丈夫そうか?
とはいえ、本気で気を引き締めないと怪我をしかねない。
実際、危険なシーンはある。
今がそうだ。
背後の鉄柵まであと数歩。追い詰められる由宇。
そこに敵の凶拳が迫る。
!!
ここで急遽アドリブが必要となった。
オレが身を躱したところに、敵役が勢い余って突っ込んできて、鉄柵の向こうへと身をのり出してしまったのだ。
地上から約12m。当然、落ちればただじゃ済まない。
オレは、手摺を掴むと、さっき身を躱した時の勢いのまま床面蹴り、手摺を飛び越えた。
鉄柵を掴んだ腕を軸に、落下の勢いの向きを変える。
そして下弦の月を描くように、相手の体に蹴りを放つ。
間に合え!
まるで『傘』の字を書いたように、二人の体が浮き上がり、そして屋上の床面へと落下する。
蹴技『武藤式弧月脚』
支柱となるものを掴み、それを中軸として方向転換し、その勢いのまま蹴りを放つ奇襲技。今、使ったのはその応用技だ。
周囲から、監督始め、スタッフ達が集まってくる。
先程の彼は無事だろうか。
こうしてその日の収録は強制終了となった。
翌日、聞いた話によると胸部に数本の骨折があったらしい。因みに、その骨折ってオレの蹴りのせいによるものだとか。あとで見舞いに行こう。
なお、この時のシーンは、カメラが動いてたこともあり、(てか、撮ってたのかよ)、手直しして使用されることとなった。
そしてその放送後、小笠原由宇(つまり早乙女純)の神シーンなどと呼ばれるようになったのだった。
今までも、いろいろとパロディというか、パクって使用したものがあり、今回も音楽をネタとしたものを使っております。ただ、作者は著作権とか、商標権とかよく理解できておりません。今までも含めて大丈夫か不安です。どうなんでしょう、運営さん。某漫画の台詞なんかそのまま使ってた気がするし……。そんなわけでネタ元に関わっている方々にこの場にて、お詫び申し上げます。ただ、今後もやっぱりやるんですが、笑ってコラえて、というわけにはいかないでしょうか。




