やっぱりまだ続くのね
今回はかなり短めです。
取り敢えずこの話で高校一年生編(?)は終了となります。
なお、次回は夕刻。例によって登場人物の紹介の予定です。
漸く厄介事が片付いた。
ホワイトデーのお返しもなんとか渡し終わり、みさ姉も無事新居へと引っ越していった。
…って、これは前回の語り出しと同じだが、それに加えて終業式も終わり、これで翌4月からはオレ達も二年生である。
でも、その前に……。
「はあ……。果然り今年もですか…」
待望の早乙女純の引退だが、依然り今年も無理らしい。
「すまないな。今年はフェアリーテイルが来年に受験を控えているため活動が控えめになるだろう。
そんなところに早乙女純の引退なんて、事務所が認める理由が無いと謂うわけだ」
と謂うことらしい。
まあ、聖さんの言葉も尤もだろう。
「それに大東が、フェアリーテイルに対抗するべく新人をデビューさせるなんて話も有るみたいだからな」
へぇ~、そんな話が有るのか。
って、確か大東プロって香織ちゃんや瑠花さんの所属してる事務所だったよな。
千鶴さんにリトルキッスに続きフェアリーテイルにまで新人をって、いったいどれだけお互いに意識し合ってるんだよ。
「解りましたよ、聖さん。
じゃ、そう謂うことなんで今年も宜しくお願いしますよ、織部さん」
と謂う理由で、今年も早乙女純としてやっていくこととなったわけだ。
「でも、ふたりとも忘れないでくださいよ、オレも好きでやってるんじゃないってこと。このままの流れでズルズルなんて御免ですからね。
なによりも、前にも指摘しましたけど、オレの声変わりを始めとした身体的問題も有るんですから、いつまでもなんて絶対に無理なんですから」
なお、こうして念押しすることは忘れない。
いや、本当に限界は近いのだ。
今のところはなんとかなっているけども、オレってもう16歳、高校二年生になるんだぞ。いつまでも保つわけなんて無いのだ。
そこのところ本当に解ってるのかな、この人達…。
※作中のルビには、一般的でない、作者流の当て字が混ざっております。ご注意下さい。




