リトルキッスと初めてのドラマ撮影 -まだ撮影は始まってないのに-
どうやら、一発で決めるってのは、作者にはまだ厳しいようで、またもや、未完成のものを仮投稿させて頂きます。こんな作者ですが、見捨てず御笑読頂けるようお願い致します。
→お待たせしました。完成です。なんとか当日に仕上がってほっとしております。
7月も第3週となると夏休みが目に見えてくる。
月始めには、期末テストなんてものもあったが、それももう終わった。
詳しく説明してもいいけど、それに触れるのは、またの機会と、美咲ちゃんの許可があったらということで。
そんな第3日曜日。
この夏放送の、テレビドラマ(2時間物の特別番組)に出演にすることになっていたオレ達は、事務所でその予定等の説明を受けていた。
これは以前の、タレントオーディションと並行して企画されていたことで、その時の首席が主役に決まっていた。
で、その結果はというと、
首席は、男性は、御存じ『御堂玲』こと天堂玲。
女性は、該当者なし。
次席は、男女とも該当者なし。
というわけで、その穴を埋めるべく、オレ達が抜擢されたわけだ。
他にも、あと一人、やはりうち所属の男性アイドルが決定している。
ただ、都合により、彼は今、この場にいない。
まあ、オーディション自体が出来レースだったことを考えると、この人選さえも疑わしいのだが。
番組タイトルは『学園騎士団』
原作は、同名の少女漫画。
学園内で起こる事件を、生徒会のメンバー4人が、解決していくという学園物だ。
まぁ、この無茶風り加減の内容じゃ、当然のお約束というものだろう。
さてそれでは、今回この番組の役どころだが、次のようになっている。
高村美雪 (高校一年生):配役 花房咲 (リトルキッス)
生徒会長 秀一郎の妹。理知的に振る舞うが情熱的一面もある主人公。
小笠原由宇 (高校一年生):配役 早乙女純 (リトルキッス)
美雪の親友でクラスメイト。活発でやや直情的。準主人公。
高村秀一郎 (高校三年生):配役 成田隆盛 (SUCCESS)
生徒会長で美雪の兄。冷静沈着で知性的。
新堂陽介 (高校一年生):配役 御堂玲
美雪達の友人でクラスメイト。陽気なお人好し。由宇にさり気なく求愛中。
新堂千秋 (高校三年生):配役 長谷川千鶴
生徒会副会長で陽介の姉。温厚にして厳格。秀一郎と交際中。
なあっ、陽介が由宇に求愛⁈
うわぁ……、耐えられるかな、オレ……。
▼
夏休み初日、撮影現場となる学校へ。
「わ〜、ここが聖地になるんだね」
「なんだ? 聖地って」
「作品の舞台となった場所や、それに因んだ場所のことだよ〜」
「いや、そりゃ判ってるけど、聖地は大袈裟じゃねえか?」
如何にオレでも、それくらいは判るって。
『金色夜叉』のお宮緑地とか、『坊っちゃん』の道後温泉とか。
騒めく周囲からちらほらと視線が向けられる。
夏休みだというのに、よくこれだけの人間がいたものだ。
校長室へと向かうオレ達だったが、校舎前で教頭らに丁重に迎え入れられた。
そして、校長室では、校長らから挨拶と、熱烈な歓迎を受けることに。
それが済むとそのまま校内を案内される。
そして、再び校長室へ。
そこで、校長から申し訳無さそうに要望が入った。
何事かと思えば、オレ達のサインがほしいとのこと。
「私達のサインなんかでよろしければ、是非とも貰って下さい」
まぁ、お約束だよな。
などと、軽く考えていたのだが…………。
「まさか、ここまでって思わなかった…………」
「全くだ…………」
帰りの道中、美咲ちゃんとオレはそのあまりの数に閉口したのであった。
なお、天堂は平気な模様。なんでだよ。
とにかく、撮影現場初日はこうして過ぎたのだった。
※お宮緑地は、尾崎紅葉の『金色夜叉』の舞台で、静岡県熱海市東海岸町にあるそうです。
また、道後温泉は、夏目漱石の『坊っちゃん』の舞台で、作中の「おれはいつでも上等へはいった」は『霊の湯 三階個室』を指すんだとか。場所は、愛媛県松山市道後湯之町。
どちらも、名高い観光名所です。[Google 参考]
旅行には縁のない作者ですが、やはり気にはなりますよね。




