続 長谷川千鶴と新曲
今回も、千鶴視点。前回の続きです。
ただ、今回は、かなり短めとなってしまいました。
つ、次こそは……。
→千鶴の新曲ですが、編曲を聖に変更しました。「2024/06/14」
遂に手に入れた。
今度こそ、本当に。
作詞作曲『JUN』編曲『天宮聖』
そう、あの新進気鋭の作曲家『JUN』から、遂に新曲を手に入れたのだ。
そしてようやく、練習が始まったのだけど。
ひとつだけ不満があった。
それは、私が今まで築き上げてきた、可憐な美少女というイメージを壊すものだった。
マネージャーの横手は、
「脱少女って感じの、少し大人の女っぽい曲か。
これは結構いけるかもしれないな」
なんて言ってたけど、やはり抵抗がある。
曲のタイトルは『恋愛中毒』
恋に身を焦がす女のやるせなさを詠った曲。
「いやぁ、正に千鶴さんにピッタリ。
今度、功さんにも感想、聞いてみたら?」
なんて、生意気にも純は調戯ってくるし。
って功さん?
なによっ、馴れ馴れしい。私でさえそんな呼び方したことないのに。
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新曲『恋愛中毒』は発表されて数日で、ヒットチャートの上位に食い込んだ。
そして遂には、私最大の代表曲と言われる程に。
なにがただの素人よ。
十分怪物級じゃない。
しかも、あんな演歌みたいな曲、ただの素人に出来るわけがない。
決めたわ。絶対逃がさない。
必ず、私の支援者にしてやるんだから。
※作中の『調戯う』は、梶井基次郎の短編小説『冬の蝿』より採用した当て字です。一般的には『揶揄う』と当てるようです。なお、梶井基次郎の他の代表作には『檸檬』等があります。




