Date day⁉ Do me. What can I do now… (デートだ⁉ どうも解んないな…)
気づけば今回で100話目。自分ながらよくもここまで続いたものだと思います。まあ、最初のころとは違い、今では休み休みでなんとかって状態ですけど…。
それでも一応は先の展開ってのは考えてはいるのですが、問題は文章にする構成スキルなんですよね…。それだけでなく内容も大雑把なので、掲載する時点で粗が見つかったりなんてことも。
読者の方々には悪いのですが、作者としては自分の趣味としての所謂自己満足の作品なので、今まで通り余り考えること無しの、行き当たりばったりって感じの惰性任せ、でも初心者ってことで、取り敢えずは書くこと重視し、反省するのはあとでできるって方針でいこうという次第です。
100話も書いて、まだ初心者なんて言ってのかなんていう意見もあるでしょうけど、実力は所詮その程度なので、まだまだアマチュアとすらいえないレベルだと思っております。
そんなわけで、下手の横好きと恥ずかしながらもがんばっていこうと思っております。
ここまで読んでくれた寛容な読者様、宜しければこれからも続けて読んでもらえれば幸いです。
できれば皆様が物好きではなく、奇特と云われるようがんばりたいと思います。
……ところで今さらですけど、この作品のジャンルって、ヒューマンドラマ〔文芸〕とするべきだったのでしょうか?
ものを知らないだけに、取り敢えずで、その他〔その他〕にしてたんですよね…。
まあ、本当に今さらで変更することもできないんでしょうけど……。
あれから散々考えてみたけど、依然り駄目なものは駄目。結局、無駄に時間を費やすだけのようだった。
そんな理由で最早お手上げ、降参したオレは禁断の最終手段に出ることにした。
何って、それは……。
「え〜と、それってどこでも縦いの?」
「あー、一応高校生として一般常識と良識の範囲内でな」
うん、要するに、当の本人である香織ちゃんに訊くことにしたわけだ。
もちろん、それなりの制限を掛けて。
無いとは思うけど、余り変なことを求められても困るからな。
何が変なことかって?
煩せーよ、この万年発情期どもが。
何がナニだ。幾ら思春期だからってそういうことしか頭に無いのかよ。
否、だから思春期って謂うんだった。
って、そうじゃねえ。
とにかくオレじゃ、普通に女の子とデートってのが、というか女の子の理想って謂うか、希望って謂うのか、それが全然り解らないんだから相手に訊くしか無いってわけなだけだ。
別に変な期待は無いっての。
「あ〜、残念。
純くんさえその気なら、そんな所で、あ〜んなことや、こ〜んなことしても縦かったのに」
じょ、冗談じゃない。
香織ちゃんの言うそれがナニか…じゃない、何かは知らない。否、知りたいとも思わない。
けど、もう少し考えて喋ってほしい。仮にもオレだって思春期の男なんだ。
否、だから誘惑してきてるのか…。
本当、勘弁してほしい。
恐らく、本気で縦いっていうか、好いって思っているんだろうけど、それに振り回される方は決して肯いってわけじゃない。堪ったものじゃないってんだ。
だけど、それでも香織ちゃんは嘉いって言うんだろうな。誰も慶いって云ってくれなくたって。
うん、改めて、想いが重い。
ひとつの過ちが致命傷になりそうで怖い。
こんな若くして、人生に覚悟なんてできるかよ。
なんか有名アニメの名言に『若さ故の過ち』云々てのが有るみたいだけど、そのアニメの台詞の場合、過ちを過ちにしたくないのは自分自身。
でも香織ちゃんの場合だと、過ちを過ちと認めないのは、というか認めさせないのは世間なんだから質が悪い。というか人生詰んでいる。
こんな魔性の蠱惑的罠怖くて絶対近寄りたくない。
今流行りの異世界転生なんかすれば、きっと女郎蜘蛛か搾精魔女。処刑場の呪花……はちょっと違うか。
まあ、どれにしても男を喰らう存在に違いない。
…っと、話が逸れた。
ともかくだ、オレ自身でも、第三者でも、どちらも当てにならなかったオレは、結局本人に尋ねることにしたのだった。…リスクは有るけど。
▼
日曜日。
その日は梅雨時に似合わぬ五月晴れだった。
謂うまでもなく、絶好のデート日和である。
オレの心は晴れないけど。
とはいえ、気持ちを切り替えないとな。
じゃないと幾ら気乗りしないとはいえ、香織ちゃんに失礼だ。
責めて普段通りに、否、楽しんでもらえるようにしないと。
と、なると、オレ自身も愉しまないと、香織ちゃんも楽しめないよな。
そういう理由で、今日は余計なことは考えない。ただ一緒に愉しむことだけを考えよう。
落ち合う場所はオレの住む町の駅の前。
落ち合うなんて言ったけど、気分は硬く強張って、とてもじゃないけどそんな気軽な感じにはなれない。
まあ、それは相手の香織ちゃんも同じだろう。きっと待ち合わせと意気込んでるに違いない。
「悪い。待たせてしまったみたいだな」
待ち合わせ場所に着いて観ると案の定。
そこには既に香織ちゃんが来て待っていた。
「ううん、そんなことないわ。
私も今来たばかりだし」
そんなこと無いのは、一目見れば察かなのに、なんでそんなこと言うかな。
落ち着いた振りをしてるけど、その滲み出る疼々とした雰囲気は隠せていない。
というか、その弾んだ声を聞けば一発だ。
いつも思うんだけど、オレの何がそんなに好いんだろうな。
「じゃあ、まずはどこへ行こうか?」
本当なら、ちゃんと予定を立ててオレがリードするべきなんだろうけど、ここは香織ちゃんにお任せだ。
というのも、香織ちゃんの要望ってのが、オレの暮らす町を見たいだったのだから。
そんな理由で今日の予定は、香織ちゃんの案内だったりする。
でも、デートってこんなので宜いのか?
否、オレの言うべきことじゃないんだけど。
「うん、まずはそこから決めようか。
丁度、スイーツの美味い喫茶店を幾つか知っているからさ、そこで一緒に考えよう」
とはいえ依然り、何もしないってのもあれなので、取り敢えず今思いついた喫茶店へと案内する。
まさか趣味のスイーツ店巡りが、ここで役に立ってくれるとはな…。
「あ、美味しい。
それにしても、まさか純くんが、本当にこんなお店を知ってるなんてねぇ」
香織ちゃんの前には、無糖の珈琲とスタンダードなパンケーキ。
せっかくなんだから、もう少し洒落て派手な感じの物を頼めば良いだろうに、なんとも落ち着いたシンプルメニューだ。
これじゃ、なんていうか……。
「それに、結構甘い物好きってのも意外だったわ」
オレの方を見ながら香織ちゃんが呟く。
そのオレの注文はというと、一応紅茶とパンケーキだ。
但し、紅茶は砂糖大盛りのミルクティー。
パンケーキにも苺がいっぱいでパンケーキ自体が隠れている。ハーフサイズだけど、誰が見ても豪華絢爛と評うに違いない。
判然り言って頼むメニューが、オレと香織ちゃんで逆である。
今さらだが、同じ物を頼むんだった…。
本当に今さらなので、気にせず話を変えるとする。
というか、話を戻す。
「それよりだけど、どこに行きたい?
と言っても、そんなに観るような場所って無いんだけどな」
そう、普通、自分の住んでる近所にそういう施設ってのは余り無いものだ。
大抵の場合、そういうのは一ヶ所に集まってるものだし、だからこそそういう場所に足を運ぶわけだ。
だったらオレ達もそこまで足を延ばせば宜いんだろうけど、そういう場所っていきなり行っても、物事にならなかったりするからなぁ…。
オレだって、それくらい考えなかったわけじゃない。
けど、予約が必要だったりなんだりで、時間的に間に合わない。それにお互いに仕事で時間を作るのも大変だし。そういう理由で無理と判断したわけだ。
「特にそんな特別な場所じゃなくって宜いのよ。
いつも好く行く場所で可い、ううんそれが好いの。
だって私が興味が有るのは純くんの日常なんだもの」
そういうことなら、多少話は簡単になるんだけど、できればプライベートは開かしたくはないんだよな。
▼
そんな理由で、普段通り。
いつもの行き属けの本屋や雑貨店、あとはゲーセン辺りか。
まあ、殆ど駅前近辺の店だ。
所詮オレの行動範囲なんて、大体普段はこんなものである。
多少ゲーセンで時間は費れたけど、それでも時間が余ったせいか、徐々に駅から離れていっていた。
そして昼食となったのだが、偶々入ったファミレスは、中学の時の馴染みの店だった。
「いらっしゃいませ。ご注文は決まりましたでしょうか?」
店員のお姉さんがオーダーを受けにきた。
と、ここまでは問題無かったのだが…。
「あれ? お客さんって、もしかして前に、よく御堂くん達と一緒に来てくれてた子じゃない?
てことは、今日も御堂くんや咲ちゃん達と一緒?」
そんなの見りゃ判るだろうになんとも惚けたことを言う。
てか、一々気安く客に干渉するのって、店としてはどうなんだ?
まあ、確かに馴染みと存れば、それなりに親しく接することもアリかもしれないけど、狎れて無遠慮になるのも問題ではなかろうか。
「残念ね。今日はデートだからふたりだけよ」
香織ちゃんが店員さんに応える。
誰にでも宜いから、デートってことを主張したいらしい。勘弁してくれ。
「ああ、そうなんだ。
確かに咲ちゃんは倍率高そうだものね。
でも、そこの彼女も負けず劣らずの美人じゃない。
同じアイドルで例えると……」
あ、ヤバい。これって恐らく…。
「……あの、もしかして、あなたって、あの、加藤香織ちゃん?」
…やっぱり。
「はい。その加藤香織です」
そして、香織ちゃんも全く隠す気なんて欠片も無い。
「えぇ〜! 嘘? 本物⁈
それよりも確か君って、リトルキッスの親衛隊とか云ってたでしょ?
いつの間に香織ちゃんに鞍替えしたのよ?
というか、よくアイドルなんて落とせたわね。
どうやって口説いたのか是非訊きたいところだわ」
まあこうなったら、こうなるだろうことは予想通りなんだけど、この過剰な反応は予想外だった。
この店、よくこんな子を店員に雇ってるよな。
「それよりも、注文は不要んですか?」
オレの言葉に仕事を思い出した店員さんは、慌ててオーダーを確認すると、未練構しくこの場を離れていった。
今頃バックヤードで他の店員に叱られてることだろう。
一方で、香織ちゃんはご機嫌だ。
彼女扱いされたことが余程嬉しかったらしい。
はぁ…、これでまたひとつ、変な噂が増えるのか…。
しかも、オレの地元で…。
※今回の話では、調子に乗って『よい』という言葉をいろいろと使い分けているため、その違いについて説明をしておこうと思います。
[Google 参考]
【良】人や物事が優れている。
【善】道徳的に正しい。倫理に則っている。
【好】好ましい。
【宜】適度。
【可】許容できる。真当。
【肯】敢えて許容する。
【縦】自由勝手。どうでもよい。
【美】美しい。望ましい? 欲しい?
【佳】整っている。
【芳】匂いや評判が良い。伝わるものに使う?
【吉】縁起が良い。運気が良い。
【嘉】幸い。立派。禧い。主観的な場合に使う?
【慶】慶ばしい。禧い。行事等客観的な場合に使う?
【義】人道的。
【能】はたらきが優れている。
【克】耐えられる。入念な。十分な。
思い当るだけでもこれだけありました。
まあ、普通は『良い』と『善い』あとは『好い』を場合によって使うくらいで、殆どが『よい』と平仮名表記みたいです。
※作中に出てくる『若さ故の過ち』ですけど、あれで内容というか、意味合いが正しかったのか、ちょっとばかり不安です。
ファンの方、間違っていたらごめんなさい。
もし、間違っていたとしても、そこは作者ではなく純の間違いってことで……ダメですか?
※作中にいろいろとモンスターの名称が出てきたのでその当て字について説明します。
【女郎蜘蛛】[Arachne]
ギリシャ神話に登場する女性『アラクネ(Arachne)』が女神アテナにより姿を変えられたものだとか。
知らなかったので、素直に日本の蜘蛛の女妖怪を当てました。
因みに女郎蜘蛛という名称の蜘蛛が存在しますがもちろん別物です。
こうしてみるとこの女神アテナ、やたらと女性を怪物化させ捲くってますよね。有名どころではメドゥーサらゴルゴン3姉妹とか。
【搾精魔女】[Succubus]
語源はラテン語の『succubare(性交相手)』や『succuba(不倫相手)』。
一般的には『女夢魔』とか『女淫魔』と邦約されるようですが、作者的にはより悪どく『搾精魔女』と当ててみました。
よりエロティックかもしれませんが、この場合恐らく枯れて不能になりますね。
【処刑場の呪花(アラウネ、アルラウネ)】[Alraune]
別名はアルルーナ(秘密をもたらす者)。
ルーツはゲルマン民族の部族・フン族が崇める地母神・アルラウン。
絞首刑にされた盗賊(男)の体液から生まれた植物。そういう理由で『妖花』ではなく『処刑場の呪花』としてみました。まあ『妖花アラウネ』なんてドイツ映画が有りはするのですが…。
で、このアラウネ、根を大事に保管すると、未来や秘密の事を囁いたり、貨幣を増やしてくれたりし、引っこ抜くと悲鳴を上げて抜く人を絶命させるといいます。
そのせいかマンドラゴラ(Mandragora)、マンドレイク(Mandrake)と同一視されるらしいです。もちろん実在の物でなく、架空の物の方。
因みに多くのファンタジー作品では、アラウネはモンスター、マンドラゴラは薬草(特に媚薬)とされているようですね。
[Google 参考]
※作中に『開かす』という言葉が使われておりますが、誤変換ではなく作者の意図です。
誰にでも『明らか』にするのではなく、人を選んで『心の門を開く』ということでの『開かす』を使用です。曝露するわけじゃないので。
※作中に出てくる『惚ける』ですが『惚』の旁の『忽』が『揺らぐ』『いい加減』という意味だったので、同じ『ぼうっとする』という意味でも『恍ける』でなく『惚ける』としました。
『恍』だと旁が『光』なので『眩しい』というプラスイメージで『忽』のマイナスイメージとは意味合いが逆な気がしますね。
因みに『惚れる』が『惚』なのって、所詮色恋は『気の迷い』ってことなんでしょうか?
それなら『心を輝らす光』で『恍』であってほしかった…。




